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『マチェーテ』(2010年、アメリカ)
監督: ロバート・ロドリゲス、イーサン・マニキス
脚本・編集: ロバート・ロドリゲス
出演: ダニー・トレホ、ジェシカ・アルバ、ロバート・デ・ニーロ 、スティーヴン・セガール、ミシェル・ロドリゲス、ジェフ・フェイヒー、リンジー・ローハン、ドン・ジョンソン、チーチ・マリン
【点数】
★★★★★★☆☆☆☆/ 6.5点
2007年の『グラインドハウス』のフェイク予告編から奇跡の映画化を成した、ロバート・ロドリゲス監督最新作『マチェーテ』がついに公開。『グラインドハウス』の大ファンである筆者は、渋谷の東急シネタワーに公開直後すぐに観に行った。
ダニートレホ主演、その他、ジェシカアルバ、ロバートデニーロ、スティーブンセガール、ミッシェルロドリゲスなど、主演より圧倒的な有名な豪華キャストが集結しているアクション・バイオレンス映画。政治的な権力に利用された元FBIだかCIAの捜査官の日雇い不法労働者・マチェーテの痛快な復習劇という超B級な一級映品だ。
『グラインドハウス』最初の2分がマチェーテの予告編でパイロット版のような冗談で創った予告編、それが奇跡の映画化を成し遂げたことに筆者は少なからず感動していた。予告編の完成度が高かったので共感を得たのか、移民を扱った政治的なテーマと絡めて、一流スターが脇役としても出演している、ありえないほど豪華だ。
ゾンビ映画『プラネット・テラー』を見て以来のロドリゲス監督のファンであり、リアルタイムでこの『マチェーテ』予告編を見ていた世代なので、この奇跡の映画化を非常に嬉しく思い、豪華するぎるキャストにもかなり期待して劇場に足を運んだのです。
オープニングから1分ほどで、すぐにストーリーが動き始める。車でアジトに突っ込んで、相方は死に、自分は無傷。ベタベタな展開過ぎて笑える。そしてマチェーテが無敵すぎてこれも面白い。ロドリゲス監督は、完全にフィクションで作り話と分かるように、コミックみたいなありえないネタ世界をB級なアクションやベタ過ぎる恣意的なストーリでフィルムに映してくれる。
しかし、相変わらずだが、ワンシーン、ワンカットが短く、テンポがよいアクションシーンのスピード感と迫力はさすがだ。
『デスペラート』シリーズでは、ギターケースの中にマシンガン、『プラネットテラー』では、片足にマシンガン、そして今回は、オートバイクにガトリンクガン。特に意味はないのだが、ロドリゲスの奇抜なアイディアにはいつも驚かされる。コミック的なことを実写化するセンスは天才的としか言いようがない。
今作も拘りを貫くためか、相変わらずのワンマンで、自分で監督・脚本・編集までやっているようだ。いつも編集にかなり拘っているようで、一コマごとのスピード感のセンスはさすがだ。
ロドリゲス監督はマルチプレイヤーな才能のある人なんだと思う。初期の作品やプラネットテラーでも、自分で全部、監督と音楽と編集と撮影までやっている。ワンマンプレーの監督って稀にいるけれども、作家性の強い才能ある人が多くて、僕は好きだ。北野武とかイーストウッドとか。あとソダーバーグとかも自分で撮って、切ってつなぐ部分まで一人でやることもある。そんな自分を完全に貫く姿勢が賛否両論ながらカッコいい。
ということで、ロドリゲス監督の才能を改めて感じ、豪華スターを見れて面白かった。…とは思いつつも、残念でもあった。豪華スター使って金も大量に投入して、こんな程度なのかと。
悪い作品ではないが、そう思ったのはきっと僕が『マチェーテ』を期待しすぎていたのだ。何しろフェイク予告編が素晴らしいデキだったこともあり、超B級なくだらない汚いが面白い映画なんだろうと。
しかし、豪華スターや製作規模が大きくなったことで、『グラインドハウス』みたいなノリで製作することが、もしかすると難しくなったのではないかという気がした。
ということで僕としては、フェイク予告編によって想像を膨らませ期待していた『マチェーテ』とは少しズレがあったんですよね。残念ながらフェイク予告編に感じたワクワク感はなかった。
『マチェーテ』はやはり伝説のままにしていた方が良かったのかもしれない。
さあて、次回作はあるのかな?
ここで伝説や神話にしておいた方が面白いと思うのだった。
ヒトは、未来への希望やロマンにワクワクする生き物だからね。
(Written by kojiroh)
引用:『マチェーテ』、フェイク版を超えられず。
おお!
まさに同感です!
マチェーテ残念でした(汗)
一緒に買った「エル・マリアッチ」はオモシロかったです♪