『ソーシャル・ネットワーク』(2010年、米) ―8.5点。最もクールな起業物語映画

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『ソーシャルネットワーク』(2010年、アメリカ)
監督: デヴィッド・フィンチャー
脚本: アーロン・ソーキン
出演: ジェシー・アイゼンバーグ、アンドリュー・ガーフィールド、ジャスティン・ティンバーレイク、ルーニー・マーラ

【点数】
★★★★★★★★☆/ 8.5点

Facebookの起業物語が映画化された。

誰もが知っているインターネットのSNSの誕生劇か。しかも監督は『ファイトクラブ』のデビット・フュンチャー。さらに、音楽にNINのトレントレズナーが関与している。やたら豪華な映画でかなり興味を惹かれた。

IT起業物語という、なかなか動きが表現しにくいような話を、一体どのように描くのか。プログラミングしている姿など絵にしてもあまり面白くない気がしたので、その辺をフィンチャー監督がどう表現するのか。

そして、Facebookのマーク・ザッカーバーグもビルゲイツに迫る天才と言われている人物だった上に今後のIT業界を語る上で重要人物、重要なサイトでもあるので、その創業物語を知ってみたいなとも。

さて、オープニングが始まり、突如、知的なウィットが会話が怒涛の勢いで始まる。「中国人はアメリカ人よりもIQが高い人間が多い」。オープニングからこの会話なのかと、筆者はにやりとせずにはいられなかった。少し物語が進行してゆくと、トレント・レズナー的なインダストリアルな重い音も響いてきて、最初からゾクゾクした。この映画のテンションはヤバイ。

怒涛の早口で会話を進める、主演のジェシー・アイゼンバーグの迫力にも驚かされる。会話劇を中心に、Facebook起業への道がすごいスピード感のドラマとなって展開され、重低音が聞いたレズナーの音源、時空を交錯させた『羅生門』を思い出させるような脚本と構成、ITサービスを立ち上げるという物語が、独特の映像センスで緊張感とスピード感を持って見るものを釘付けにする。

1つの発明を取り巻くドラマと愛憎劇、これが普遍的な本作の深いテーマだ。

常に、権利を巡り争う人間の姿を描いている。Facebookのようなモンスタークラスの発明の権利を巡る戦いでもあり、その他、多くの発明品や成果を取り巻き、多くの人が強欲になり、泥沼の争いを行う。そんな無間道のような出来事を、フュンチャー監督は本作を通じて訴えているように思う。

人は、一つなにか発明をして大きな富や権利を手にしてしまうと、金に目を奪われて安易な行動を取ってしまうのだ。しかし、本作の登場人物の一人であるショーン・パーカーを演じるジャスティン・ティンバーレークは語るシーンが胸に刺さった。

「広告はクールじゃない、パーティーを11時で終わりにするのか?」

Facebookの収益化を図ろうとするも、そこに違和感を感じるザッカーバーグの姿と、それに反対しする友人との対立。金か、それとも新年か。Facebookはクールなサイトだから、変に広告に媚びず、収益に強欲にならない道を選ぶ。信念を貫いて生まれたある種、アートのようなサイトだからこそ、巨額の時価総額に跳ね上がった。

目先の利益を優先すると、最終的には大きな利益が逃げてしまう。強欲に流されると駄目になるものがある。それよりも、ある種のワクワクや使命感で作り上げるものこそが最終的には全てを得ることになる。

起業哲学、さらには人生哲学が、圧倒的なスピード感でこの2時間に凝縮されている。

文句なし、デビット・フィンチャー最高傑作。

※PS: アカデミー賞を逃してしまったのは、きっとフュンチャーがハリウッドから嫌われてるからなんだろうなー。

(Written by kojiroh)
引用:『ソーシャルネットワーク』試写会に行った

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