インファナル・アフェア(2002年、香港) ―10.0点。香港ノワール最高傑作

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『インファナル・アフェア 無間道』(2002年、香港)
監督: アンドリュー・ラウ、アラン・マック
出演: トニー・レオン、アンディ・ラウ、アンソニー・ウォン、エリック・ツォン、ケリー・チャン、サミー・チェン

【点数】
★★★★★★★★★★ / 10.0点

ハリウッドで歴代最高額でリメイク権が落札され、『ディパーテッド』が作られた。歴史に名を残した『インファナル・アフェア』。香港の『ゴッドファーザー』と呼ばれる香港ノワールの最高傑作と名高い犯罪サスペンス映画だ。

男の美学を、こんな素晴らしい脚本と演技・演出で描いた映画が、かつてあっただろうか。迫真の演技、演出、洗練された脚本、緊張のサウンド、全てを見ても高い密度で凝縮されている。サスペンス・ヒューマンドラマとしても、完璧な映画だと思った。過去の因縁やカルマと現在が巧みに交錯するストーリーが泣かせてくれる。

「己の道は、己で選べ」
貫禄の格言、マフィアの長・サム(エリック・ツォン)の杯を交わすシーンから始まり、そこから二人の青年の人生が圧倒的なスピードで回り始める。オープニングから圧巻の迫力と緊張感。広東語の荒っぽくも調子のいい音がやけに耳に残る。そして、2人の潜入の運命の歯車が動き始める。

さてあらすじは、警察に潜りこんだマフィア(アンディ・ラウ)と、マフィアに潜りこんだ警察官(トニー・レオン)の2人の運命の物語だ。成人した時から彼らの「潜入」が始まる。そして、互いの微妙な立場が一つの警察とマフィアの抗争によって10年後に動き出す。

ウォン警部のアンソニー・ウォン、マフィアのエリック・ツォン、女医のケリー・チャンまで個性的な俳優人で脇を固めた豪華実力派演技陣だ。

スピーディーな展開ながらも、屋上のシーンの青さ、香港の街特有の蛍光灯の青みがかった室内の色と、二人が愛した曲とオーディオ、無常にも開閉を続けるエレベーター、印象深い演出と脚本が完璧につながっている。物語が終わりまでは、息を呑むシーンとストーリー展開の連続で、興奮が収まらなかった。

しかし、作品として完成度が高いだけでない。私が本作に心を動かされたもの、それは男同士の絆だったり友情だったり、男の美学というハードボイルドな哲学に感情を揺さぶられるのだ。自分の命に投げ打ってでも、人との情や信念を貫く。そのような生き様を、随所に散りばめられた仏教思想で説く。

縁、カルマ、輪廻、無間道。そう、本作の「インファナルアフェア(無間道)」とは、輪廻によって同じ縁と宿命によっていつまでも同じ次元で愚かな運命を何度も繰り替えす人間の姿を描いているのだ。これが終わりではない、何度でもこれが続く。そうした人間社会へのメッセージでもある。そこからは香港仏教思想の高い心の次元をも感じさせる。

「香港ノワール」と呼ばれる香港の犯罪・黒社会映画を題材としたアクション映画のムーブメントだ。その種の映画の共通した特徴は、そうした男たちの闘いを描いている。それが今や香港映画の一つのブランドとして、世界中に広まっているカテゴリーなのだ。

本作を見てからというもの、私は「香港ノワール」的映画ばかり見るようになってしまった。『インファナル・アフェア』のDNAは、それだけ心を打つモノがあり、「無間道」的輪廻を見据えて人生を見つめ直したくなる。もっと大事な価値観を、この映画から学べるのではないかと。

(Kojiroh)

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