『バイオハザードⅣ Afterlife』(2010年、アメリカ)
製作・監督・脚本: ポール・W・S・アンダーソン
出演: ミラ・ジョヴォヴィッチ、ウェントワース・ミラー、スペンサー・ロック、アリス・アバーナシー
【点数】
★★★★☆☆☆☆☆☆ / 4.0点
シリーズを重ねるたびに劣化することで有名な、映画・バイオハザードシリーズ。
とは言っても私はバイオハザードシリーズのファンである。ゲームの時代から好きなのだ。バイオハザード創始者の三上氏が“画面のパラメーター表示を極力排除した、映画的な恐怖”がテーマのホラーアドベンチャーゲームと言っているように、ゲームとして面白いだけでなく、独自の世界や、芸術性を感じる素晴らしい作品だと思っている。
そんなゲームの映画であるが、これも初代から見ている。主人公ミラジョボビッチの美しさや派手なアクションはやはりデキが悪くとも面白い。私は地味にゾンビ映画が好きなので、ゾンビを殺すという非現実世界に入っていけることは、どんな映画であっても面白いものなのだ。
さて、ついにⅣにまで至った今作は、なんと3Dになり、60億とかかけて作ったようだ。相変わらずのポール・アンダーソン監督とミラ・ジョボヴィッチのコンビで、二人ともバイオハザードの大ファンだったため制作したという逸話がある拘りの作品であるので、(さらに二人は結婚してしまった) 続編の製作が発表されることを地味に楽しみにしていた。
しかしながら、3Dになることに大きな抵抗があった。『アバター』も見た僕ですが、実は3Dが嫌いです。メガネかけないと3Dにならないアトラクションを映画と呼ぶのは邪道だ。映像を作品として見る上で邪魔でありがた迷惑。しかも値段が+700円と割高になるので全然見る気がしない。2Dで見たかったが、2Dは一日一回しかやってなかったので見れなかった。必然的に2000円で3Dを見ることに…。悔しい展開である。
本作も相変わらずのベタな調子で始まるかと思いきや、オープニングが感染が広がる東京、渋谷が舞台で一つ見所であった。しかも最初に感染する女性が、なんと中島美嘉が演じている。なんという豪華キャスト。日本人として嬉しく思う展開だ。その後はアンブレラ社の日本の地下支社がハイテクな形で出てきて、さらにウェスカーが登場したりと、冒頭からファンを楽しませてくれます。
アリス(ミラジョボビッチ)の回想のナレーション、前作からのつながりを保ちつつ、アルケディアへ希望を見出し、飛行機で屋上のビルへと着陸して、再び仲間を作り脱出を図る展開だ。しかし、なんだか主人公のミラと敵役のウェスカーが最強すぎ、というか、人間としてありえない動きをしまくります。話もデキすぎていて、突っ込みどころ満載。まあバカ映画だからありなんですが、前作を見てないと話は通じないファンのための映画ですね。そんなカオスな感じながらも、金をかけて戦闘シーンなどに拘って撮影したのだなと分かるようなスペクタクルだったので、まあ一つのアトラクションとしては楽しめた。典型的で分かりやすい善悪構造とべたべたな展開は、バイオファンとしては楽しめます。
ということで、次作もありそうな展開で今回も終わった。映画でクレア、クリス、ウェスカーが見れたし、サバイバル系の映画のハラハラ感を味わえたし満足。と言いたいところだが、やはり今回、どうしても3Dであることが許せなかった。単に流行に乗っただけと言うレベルであり、3Dにする必然性を何も感じなかった。バイオのファンというだけで見ているならば、バイオⅣは3Dじゃなくても楽しめる。アバターのように、特段、画面から迫ってくるようなシーンもなければ、何か驚きの3D活用ポイントがあるわけでもない。
日本が誇る素晴らしいゲーム文化が外へ出て、こんな大規模な映画になるって、やはり誇るべきことだと思い3Dにもなったことに意味はあるのかもしれないが、流石にもう3Dのバイオは意味があまりないので見たくないかなと思った。
次回作は2Dで普通に見たい。3Dじゃなかったら6点の作品でしたかね。なんだかんだで映画も「1」が一番傑作で、これを超えられる作品はもうバイオシリーズからは生まれないだろう。これはゾンビ映画の名作です。
(Written by kojiroh)
引用:|世界の始まりとハードボイルド