レイン(1999年、タイ 106min) ―7.0点。バンコクのクールな殺し屋、危険な純愛

『レイン』(1999年 タイ)
監督・脚本・編集:オキサイド・パン ダニー・パン
音楽:オレンジ・ミュージック
出演:パワリット・モングコンピシット、プリムシニー・ラタナソパァー、ピセーク・インタラカンチット、パタラワリン・ティムクン

【点数】
★★★★★★★☆☆☆ / 7.0点

Bangkok dangerous

本作『レイン』の英題である。香港出身のタイの双子映画監督・パン兄弟による本作は2000年 トロント国際映画祭で国際批評家連盟賞を受賞し、ハリウッドでも『バンコック・デンジャラス』としてニコラスケイジ主演でリメイクされた、近年有名なタイ映画だ。

耳が聞こえない殺し屋の主人公・コンの物語。バンコクを舞台として犯罪アクションドラマであり、バンコクの町をスタイリッシュに描いた、とても美しい作品だった。

2人の殺し屋と2人の女、友情と復讐、そして純愛のシンプルなストーリーラインながらも、耳の聞こえないコン(パワリット・モングコンピシット)の視点で、音を消したシーンも目立ち、感情輸入できる。映像感覚も感情的で、独特の冷たい色合いが印象的だった。

そんなに凝った話ではないながらも、コンのクールな容姿と男の美学を貫く姿は純粋にカッコいい。耳が聞こえないからこそ、彼のフィルターを通じて見える世界は、普通の人のものとは違って、音声を消した演出で観客が疑似体験できる要素がある。少し長すぎてうっとうしくも感じる効果でもあるが、本作が感覚的な映画であることの大きな部分だ。

また、世界有数の享楽都市としても有名なバンコクの街の表と裏を描いている点でも興味深い。バンコクの闇の商売や、夜の街、ゴーゴー・バーが登場したりと、夜のネオン街を映し出していて、バンコクを愛する筆者としては非常に興味深い映画であった。

そうとも、世界には、東南アジアから香港などへ出向いて殺しを行う「裏の仕事」をする人々がいる。

『レイン』では、そんな仕事をする一部の人にフォーカスしている。彼らは不器用な人々である。しかし、ダメな人々ではなく、信念や美学を持っている人々の生き様を無常にも描いている。それは香港ノワールの描く世界観にも通じる部分があり、危険な要素にハラハラしつつも、最後はクールに締めてくれる。その温度感はなかなか新鮮であり心地のいい。

タイ・ノワールのようなクールな映画が今後も増えていって欲しいなと、可能性を感じさせられた。

(written by Kojiroh)

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