『THE EYE【アイ】』(2001年、香港=タイ) ―8.0点。見てはいけないものが見える恐怖体験

『THE EYE【アイ】』(2001年、香港=タイ)99min
監督・編集:オキサイド・パン、ダニー・パン
出演:アンジェリカ・リー 、ローレンス・チョウ、チャッチャー・ルチナーレン 、キャンディ・ロー、 エドムンド・チェン

【点数】
★★★★★★★★☆☆ / 8.0点

実話を元に作られ、香港で大ヒットしたホラー映画。『レイン』の映画監督パン兄弟によるサイコサスペンスとも言える作品だ。香港ではそれまでの歴代の映画を打ち破る記録的なヒットになった。そしてハリウッドでも、トムクルーズがリメイク権を購入した本土のみならず海外な本作。

盲目のある女性が、角膜手術に成功して目が見えるようになったが、その後、自殺したという実話がヒントになって作られた脚本。完全なる実話ではないが、「目が見えない」といった障害に対するカルマ、人間の輪廻を感じさせる映画だった。

「目が見えなかったのには理由があった、私には見てはいけないものが見えてしまう」

香港に住む盲目の主人公マン(アンジェリカ・リー)は、「世界は美しい」と言われていた。角膜手術に成功した彼女はその美しい世界が見えるようになった。しかし、彼女は死者を連れ行く黒い影、人の霊が見えてしまう特殊な能力を有してしまい、目が見えるようになったことを悔やむ。しかし、その移植された角膜の謎を追うために舞台は香港からタイにまで至る。単に恐怖体験の話だけではなく、展開にも広がりのある緊迫の秀作サスペンス映画だった。

本作は、怖い映画でもあるが、人間を描いた美しい映画でもある。恐怖を体感する主演のアンジェリカ・リーの心の移り行きも繊細で美しい。そしてパン兄弟監督は、いつも観客と主人公の感覚を同化させるのが上手い。前作の『レイン』では耳の聞こえない主人公の感覚をそのまま伝えるために、無音のシーンやフラッシュバックを取り入れていた。そして『The EYE』でも、その手法は同様で、眼が見えるようになった主人公と、幻想に悩まされたり、人とは違うものが見えるその体験を擬似的に観客が共有できる。

なので、ホラーとしても、サスペンスとしても、さらに映像体験としても、様々な要素を取り入れた見ごたえのある完成度の高い作品だった。

霊と輪廻、その中にある「死」を可視化することは、もしかすると本作の映し出すモノなのかもしれない。

(Written by Kojiroh)

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