『シャッター・アイランド』(2010年、アメリカ) ―7.5点。スコセッシ匠のサスペンス


『シャッターアイランド』(2010年、アメリカ) 138min
監督:マーティン・スコセッシ
脚本:レータ・カログリディス
出演: レオナルド・ディカプリオ,マーク・ラファロ,ベン・キングスレー,ミシェル・ウィリアムズ

【点数】
★★★★★★★☆☆ / 7.5点

僕の好きな監督 マーティン・スコセッシの最新作だったので、急遽、見に行った。ディカプリオ×スコセッシという『ギャング・オブ・ニューヨーク』からの最近の黄金コンビで、アカデミー賞受賞の『ディパーテッド』までヒット作を作り続けているので期待していった。新宿ミラノ座の迫力の大スクリーンで鑑賞したのでスケール大きい高いテンションで見ることができた。

さて、あらすじは、シャッターアイランドという精神疾患のある犯罪者を隔離収容する孤島の刑務所で1人の女性が、謎のメッセージを残して跡形もなく消え、そこに連邦保安官テディ・ダニエルズ(レオナルド・ディカプリオ)が事件を捜査するために新しい相棒チャック(マーク・ラファロ)ととも島にやってくるが、謎が謎を呼ぶ事件の連鎖に巻き込まれてゆく…。

典型的な謎解きサスペンスなのだが、率直な感想は、めちゃ面白い。巧妙でテンポよいストーリー展開、どんどん謎が深まって楽しめる。作家性のあるスコセッシだが、今回は過去にカンヌで監督賞を取った『アフターアワー』でも見られるような、彼の敬愛するヒッチコックの影響を全面に押し出した演出が、コアなファンにはなかなか見どころある。

そしてディカプリの演技も渋い。『ディパーテッド』でも迫真の演技を見せたが、そろそろ中年近くなる役回りになる彼の本作での演技は新しい領域かもしれない。個人的には『ディパーテッド』よりもハマリ役の演技で、全体的にも完成されている映画だと思った。

ネタバレ厳禁な映画なので、あまり深くは言えないがストーリーには色々と考えさせられた。自分の都合のいいように出来事を解釈して虚構に生きる人間の本質的な部分をえぐる、黒澤の『羅生門』に通じる深さもあった。

スコセッシはもはやアメリカ映画の匠。ヒッチコックの領域に至っていると思った秀作だった。

Witten by kojiroh

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