『エレファント・マン』(1980年、アメリカ) ―8.0点。モノクロが映し出すエレファントマンの衝撃

『エレファント・マン』(1980年、アメリカ) 125min
監督:デビット・リンチ
脚本:クリストファー・デヴォア、エリック・バーグレン、デヴィッド・リンチ
出演:ジョン・ハート、アンソニー・ホプキンス、ジョン・ギールグッド、アン・バンクロフト

【点数】
★★★★★★★★☆☆ / 8.0点

「おまえは私の宝物だ You are My Treasure」
モノクロの重厚な画面から現れる覆面で顔を覆われた男。彼は一体、何者か。そう、エレファント・マン。

カルト映画の巨匠、デビット・リンチ監督による長編第二作。実際に存在した奇形の男「エレファントマン」の物語だ。フィクションであるが、時代背景などリアリティを感じる。サスペンス映画のように思えるが、実話をベースにしつつも感動的な物語である。

舞台は19世紀末のロンドン。主人公のエレファント・マンは、世界一醜悪な男と呼ばれ、その姿ゆえに見世物にされ続けてきた。そんなある時、エレファント・マンは、外科医トリーブスに出会い、病院での生活を始め、徐々に人間としての人生を歩み、アイデンティティを確立していくが…

モノクロだからこその重苦しい不気味さ、しかしどこかシュールなユーモアを感じる映像感覚は、まさにリンチ流。『イレイザーヘッド』にも通じる、どこか悪夢的な存在を感じさせつつも、なぜか絶望的なほど残酷ではなく、シュールなのだ。

本作は見世物小屋のエレファントマンという奇形の人間を痛々しくグロテスクに描いているようで、風刺的な部分があり、最後は泣かせてくれる物語だ。

ジョン・メリック。
私は彼の存在をこの映画で初めて知った。こんな人物がいたのかと驚愕した。そうした存在が社会に知られて認められる。ファンタジーのようで、異質な存在が社会でどう生きるべきか、どう接するべきか、考えさせられる。

エレファントマンを見て感じる嫌悪と同情を、一体僕らはどうやって社会に昇華するべきなのか。

悪趣味とも呼べる作風で有名なリンチ監督は、本作でただ奇形の男を描きたかっただけなのかもしれないが、少なくとも本作にはヒューマンドラマ特有の社会的メッセージがある。

どちらにしろ異色な人間ドラマの傑作であることは間違いない。

Written by kojiroh

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