『ゴーストライター』(2010年、フランス=ドイツ=イギリス) ―8.5点。巨大な陰謀と現代社会を”ゴースト”の視点から暴く


『ゴーストライター』(2010年、フランス=ドイツ=イギリス)124min
監督:ロマン・ポランスキー
脚本:ロバート・ハリス、ロマン・ポランスキー
原作:ロバート・ハリス
出演者:ユアン・マクレガー、 ピアース・ブロスナン、オリヴィア・ウィリアムズ、キム・キャトラル、ティモシー・ハットン、トム・ウィルキンソン、ジェームズ・ベルーシ、ロバート・パフ、ジョン・バーンサル、ティム・プリース、イーライ・ウォラック

【点数】
★★★★★★★★☆ / 8.5点

※リアルライム映画評

「知りすぎた男(ゴースト)―」
カンヌ映画祭グランプリ『戦場のピアニスト』で有名なポーランドの巨匠、ロマン・ポランスキー監督、ユアンマクレガー主演で送る本作『ゴーストライター』。ポランスキ監督の久しぶりの長編でもあり、さらにはベルリン映画祭で監督賞を受賞している秀作とのことで筆者は新宿武蔵野館へと足を運んだ。


あらすじは単純で、元英国首相のアダム・ラングの自伝小説の執筆を依頼されたゴーストライターが、仕事を進めてゆき、彼の人生を深堀りすればするほど、やがて大きな疑惑に遭遇し、政界を揺るがす巨大な陰謀に巻き込まれてゆく…。


文字通り単純な話だ。陳腐とも呼べるほど単純。
しかし、物語の展開が異常なほどテンポがよく、冒頭からぐいぐい引き込まれる。スピーディーで緊張感があり、時にユーモアをも感じさせる。その手法は過去の傑作・『チャイナタウン』をも彷彿させる。陳腐なサスペンスの王道の手法で描かれる作品であるが、そこに描かれているのは間違いなく現代だった。

ネット社会が普及しているし、テロが社会問題になっている時代背景が描かれている。それを手がかりに巨大な陰謀が説かれていくストーリーには現実味があり、緊張感がある。


本作のストーリーはネタバレになるのであまり深くは言及しないが、闇の権力の部分が極めて現実的に描かれており、単なるフィクションとは思えないほど現代に対するメッセージがあると感じ、身震いするデキであった。

ロマンポランスキー監督は、巨大な権力や陰謀に巻き込まれる人間を描くのが本当に上手い。特にその無力な一般市民からの視点が皮肉でもあり秀逸だ。

けっして新鋭的な目新しい手法はない作品だが、それでもこんなに面白いとは、色んな意味で期待を裏切ってくれる秀作サスペンスである。

Written by kojiroh

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