『オールドボーイ』(2003年、韓国) ―7.0点。異色の韓流バイオレンス


『オールドボーイ』(2003年、韓国) 120min
監督:パク・チャヌク
脚本;ワン・ジョユン、イム・ジュンヒュン、パク・チャヌク
製作:キム・ドンジュ
出演者:チェ・ミンシク、ユ・ジテ、カン・ヘジョン、チ・デハン

【点数】
★★★★★★★☆☆☆ / 7.0点

第57回カンヌ国際映画祭で審査員特別グランプリを受賞した2003年の韓国映画。パク・チャヌク監督の復讐三部作の第2作が本作『オールドボーイ』。原作は土屋ガロンによる同名の漫画『ルーズ戦記 オールドボーイ』という異色のバイオレンスムービー。日本の原作を軸に、韓国流に作られた話題作だ。

2004年のカンヌ国際映画祭では審査委員長のクエンティン・タランティーノが絶賛し、「できればパルム・ドール(カンヌ国際映画祭の最高賞)を授与したかった」と激励。個人的にこれはタランティーノ趣味で準グランプリにはふさわしくない作品だと思うが、しかしそれでも間違いなく傑作である。

あらすじは、ごく平凡な生活を送っていたオ・デス(チェ・ミンシク)がある日、突然誘拐され、15年間監禁される。開放されたデスが、自分が監禁された理由を解き明かすために奔走するという物語。

単純かつ謎に満ちたストーリーにすぐに引き込まれる。個性溢れる役者、登場人物によって解き明かされるバイオレンス・サスペンス。

二転三転する展開には目が離せず、最後までどう転ぶかわからない。カットにスピードもどこか幻想的、フラッシュバックのような感覚で進む。

チェ・ミンシクの深い顔立ちが鬼気迫る復讐の憎悪を感じさせる。そしてユ・ジテの謎めいた演技、不気味な顔立ちがなかなか緊張感を醸し、カン・ヘジョンの透明感ある存在感もいい。

歯を抜く拷問シーンであったり、舌を切るような残酷な拷問シーンには目を背けたくなるような痛さがある。それでいて痛すぎず美しく描いている点にはさすが。激しいアクションではなく暴力の美を追求しようとしているような映像感覚がこの作風を生み出している。

韓国風の脚色により一級の異色のバイオレンス映画が生まれたと言っても過言ではない。原作は日本のコミックであるが、そこに韓国での兄弟での近親相姦など、韓国の社会を映し出すような風刺がある。

ネタバレになるので深くは言及しないが、韓国風の悲劇的結末、けっして後味のいい映画では決してないが、兄弟や親子、いとこ同士でのタブーとされる恋愛が無数に現実として存在し、恨み深く凶暴な歪んだ韓国という国を映し出す秀作のひとつであることは間違いない。

Written by kojiroh

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