『ドラッグストア・カウボーイ』(1989年、アメリカ) ―8.0点。はぐれ者の生き様


『ドラッグストア・カウボーイ』(1989年、アメリカ) ―102min
監督:ガス・ヴァン・サント
脚本:ガス・ヴァン・サント、ダニエル・ヨスト
出演者:マット・ディロン、ケリー・リンチ、ヘザー・グラハム etc
【点数】
★★★★★★★★☆☆ / 8.0点

『エレファント』でカンヌ映画祭グランプリを獲ったアメリカのインディペンデンス系のニューウェーブの鬼才、ガス・ヴァン・サント監督の長編映画デビュー作が本作『ドラッグストア・カウボーイ』。全米批評家協会賞などを総ナメにした傑作。

そのタイトルの通り、ドラッグストア荒らしをするはぐれ者の生き様を描いた作品だ。


舞台は1971年、オレゴン州ポートランド。麻薬常用者ボブは、妻のダイアンともう一組のカップルを仲間として街中のドラッグストアを荒し回っては麻薬強盗をしていた。ある日、ボブは大病院を襲いひとヤマあてたが、トラブルから仲間の間に亀裂が入り、すべてが悪い方向へと向かい始める……。

麻薬でトリップする若者の救いのない物語なのだが、独特なユーモアがあり、風刺的で、反社会的でありつつも、社会の本質を暴いているようにも思える不思議な作品だ。

麻薬常習っぷり、そしてドラッグストアでの強盗手法もなかなか緊張がありつつもやり方がトリッキーで見応えがある。


マット・ディロンの麻薬でラリったりしつつも緊張感ある演技、ギリギリのところで強盗を働いたり、逃げるシーンには息を呑む。小者の犯罪者ながらも、その小ズルさがなんだか愛らしくもユーモラスにも感じられる。


犯罪者ながらも世の中の隙間隙間を渡り歩きながら、「ベッドの上に帽子を置くな!」などの妙なジンクスを信じて、神に祈りながらも犯罪の成就を祈ったりとオカルトな迷信を信じるはぐれ者の描写が辺に現実味があり、人間らしい。

完成度としては、その後のサント監督の作品に比べるとかなり劣る。エレファンとなどで見せるような映像美であったり、抽象的で難解な表現によるこだわりはあまり感じられない作品であるが、本作はテーマ性が素晴らしい。

どこへ行ってもはぐれ者、行き場のない若者、アウトサイダーの生き様を見事に描いている点は賞賛に値する力作であろう。

Written by kojiroh

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