『ランボー最後の戦場』(2008年、アメリカ)―8.0点。進化した最後のジョン・ランボー最高傑作


『ランボー最後の戦場』(2008年、アメリカ)―90min
製作・監督・脚本:シルヴェスター・スタローン
出演者:シルヴェスター・スタローン、ジュリー・ベンツetc

【点数】 ★★★★★★★★☆☆ / 8.0点

ミャンマーに関して勉強しようと思い軽い気持ちで借りたランボーシリーズの最新作であるが、これがまた想像以上によくできていて驚いた。

「無駄に生きるか、何かのために死ぬか」

監督と脚本の両方をてがけ、さらには今回は本人の強い希望によりミャンマーの軍事政権の悪を抉り出す。その容赦ないこだわりっぷりが本作に気迫と、さらには狂気を描き出している。

あらすじは、ベトナム戦争の英雄だったジョン・ランボーは祖国アメリカを離れ、タイ北部のジャングル地帯でひっそりと暮らしていた。一方、隣国ミャンマーでは内戦が続き、軍事政権によってキリスト教徒の多いカレン族が迫害されていた。そんなある日、カレン族に医療品を届けるため、アメリカからキリスト教支援団がやって来る。地雷の埋まる陸路を避けようとボートでの道案内を依頼されたランボーは、支援団の一員サラの真摯な姿に心を動かされ、何とか彼らを目的地に送り届けるのだが…。

冒頭から舞台はタイの北部のメーサーイ。
この時点でタイ王国好きの筆者としては引き込まれる。
緑豊かな東南アジアでひっそりと蛇を取って暮らしていたランボーだが、すぐ隣国のミャンマーでは残忍な紛争が繰り広げられ続けている。

ランボー史上、最も残酷だと言われるだけあり、銃撃戦による生々しい人体破損シーンは、よく見ると腸がはじけ出ていたり、切り株のようになっていたりとリアルであり、よくできている。


設定もいい。案内したNPO団体を探すべく、ミャンマーの密林に潜りこむ5人の傭兵。そして案内人のランボー。SASのルイスやスクールボーイ、元韓国人兵士などなど、脇役のキャラもしっかりと作りこまれていて、短時間ながらもそれぞれのキャラに愛着が持てる。

前作と前々作の『怒りの脱出』と『怒りのアフガン』は、完全に商業的に戦争アクションばかりを押した、さらにはアメリカ礼賛的な内容で、アメリカの敵であるロシアなどの国を批判するような内容が多くて嫌気が刺したランボーシリーズであったが、20年の時を経てカムバックした本作『ランボー最後の戦場』は、想像以上に劣化することなく、熟成されている。

初代ランボーのあの戦争への後遺症を引きずったまま再び戦いを始めるという、いわゆる戦争ジャンキーの生きる道の残酷さや閉塞感などを彷彿させる重苦しさが戻ってきて嬉しく思う。

時間も80分ちょっとで終わる適度な短さが爽快でありつつも、心の残るものがある。ミャンマー紛争を描いた映画は観たことがなかったのでそれもまた新鮮でありつつ、胸に残るものがある。

いや、そもそも本作をランボーシリーズとしてではなく、ランボーを登場人物の一人に添えた、傑作戦争映画の一つとして評価されるべき作品だと思った。

Written by kojiroh

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