『ミッドナイト・イン・パリ』(2011年、スペイン=アメリカ)―8.0点。過去へ憧れる普遍的な姿を描いた現代ファンタジー


『ミッドナイト・イン・パリ』(2011年、アメリカ)―94min
監督:ウディ・アレン
脚本:ウディ・アレン
音楽:ステファン・レンベル
出演者:オーウェン・ウィルソン、レイチェル・マクアダムス、キャシー・ベイツ、エイドリアン・ブロディ、カーラ・ブルーニ、マリオン・コティヤール、マイケル・シーン、etc

【点数】 ★★★★★★★★☆☆/ 8.0点
*リアルタイム映画評

今年のアカデミー賞でも脚本賞を受賞し、アレンの過去最大のヒット作になろうとしている話題作『ミッドナイトインパリ』。ウディ・アレンの作品は過去にも『恋するバルセロナ』なども劇場で見て楽しめたこともあり、爽快なノリで愉しませてくれる彼の新作を楽しみにしていた。なので先日、映画が千円である6月1日を利用して、筆者は早速劇場に足を運んだ。


さて、あらすじ。
ハリウッドでの成功を手にした売れっ子脚本家のギルが主人公。脚本の仕事はお金にはなるが、本格的な小説家に転身したいと処女小説の執筆に取り組んでいた彼は、婚約者イネズの父親に便乗して憧れの地パリを訪れ、胸躍らせる。だが婚約者の男友達ポールの出現に興をそがれ、ひとり真夜中のパリを彷徨い始める。するとそこに一台の不思議なクラシック・プジョーが現われ、誘われるままに乗り込み1920年代の世界へトリップしてゆくのだが…。

さて、現在と過去、現実と幻想が交じわうようにして交錯するストーリー。過去にさかのぼったギルが神経質でデリケートな芸術肌な人々の交わす言葉。コミカルだがなかなか本質的なサロンが繰り広げられている憧れの黄金時代へ毎晩タイムスリップしながらも大切なことに気付き、新しい生活が始まる―。まあなんともロマンチックな物語だった。


何気ない散歩のシーンも美しく、『恋するバルセロナ~』からなじみのステファン・レンベルのギターミュージックが物語を爽快に進ませてくれて心地いい。

現代の小説家が過去の芸術家、ヘミングウェイやフィッツジェラルド、ダリなどと交友してゆくというのはあまりに幼稚な設定であるが、そんなファンタジーをちっとも陳腐に描いていないのが本作のすごいところ。

エイドリアン・ブロディも出演していたりと、ともかく出演陣も豪華。
毎度のことながらも女性人の美しさも見どころであり、マリオン・コティヤールもいい味を出している。

そして出会いと恋に溢れる街、パリへの愛だ。
「パリに住む」ということは愚かなミーハー芸術家精神なようで、やはり最後はパリは素晴らしい街であると感じさせられる。そうして時代は繰り返している。

まさに過去の時代の栄光に憧れ続ける現代人の普遍的な姿を、美しいパリの町並みと共にコミカルかつ幻想的に描いた傑作だ。

鑑賞後の率直に、過去の栄光の焼き直しである『アーティスト』よりも本作の方にオスカーを取ってほしかったなと思うばかり。

Kojiroh

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