『ウォール街』(1987年、アメリカ)―8.0点。強欲なる投資映画の殿堂


『ウォール街』(1987年、アメリカ)―126min
監督:オリバー・ストーン
脚本:スタンリー・ワイザー、オリバー・ストーン
出演者:マイケル・ダグラス、チャーリー・シーン、ダリル・ハンナ、マーチン・シーン、ハル・ホルブルック、テレンス・スタンプ etc

【点数】 ★★★★★★★★☆☆ / 8.0点

『プラトーン』のオリバーストーン監督による、投資映画の王道かつ名作と名高い『ウォール街』。
マイケル・ダグラスがアカデミー主演男優賞を受賞した。2010年には続編である『ウォールストリート』も制作された。


◎あらすじ
一攫千金を夢見る若き証券マン、バド(C・シーン)は、業界のフィクサー的存在である大富豪ゲッコー(M・ダグラス)に取り入ろうと必死だった。父(M・シーン)の勤める航空会社の情報を流したことによって、その夢はかなえられ、バド自身も大金を手にするが……。(All cinemaより引用)

マイケルシーンとチャーリーシーンによる善玉親子の共演も渋くて見所。

だが、とにかく熱狂したくなるのが、ゴードン・ゲッコー!マイケル・ダグラス!

トレーディングに従事する姿をあんなにカッコよくクールに演じられる俳優がいるだろうか。
「興奮するな。冷静になれ」
語られる投資家としての生き様、勝利の哲学。
合理主義の塊ながらも頭脳をフル回転させて忙しく生き、そして大金を掴む。セックスよりも快感である、と。

リアルタイムでの株式市場をスピーディーに描く。
緊迫感のあるシーンの連続で、金に強欲かつ冷酷になった人々の姿を皮肉に描いている。最後の正義が勝つが報いは受けるというエンターテイメント性や投資で儲けることの虚しさを描いてはいるものの、そんなネガティブな側面以上にインサイダーや非情なる投資によって這い上がってゆく熱狂の方が、皮肉にも民衆の心を釘付けにしてしまったのか。

本作を観て、ゴードンのような強欲な投資家を英雄視し、投資の世界に足を踏み入れた若者で溢れてしまったことも無理はない。それほどまでに、ダグラスの演じる投資家像はあまりにもヒロイズムに溢れている。

「この国では、1%の金持ちがアメリカの富の半分5兆ドルを所有している。その3分の一は労働の報酬、3分の2は相続によるものだ。未亡人やバカ息子が利子でぬくぬくと暮らしている」
資本主義社会と物質社会の様々な名言に溢れた本作は、投資世界の一つのバイブルになってしまった。


「欲は正しい。欲は物事を明確にし、道を切り開き、進化するものの本質を捉える」
民衆を圧倒する演説シーン。だがこうした脆いヒロイズムが後の金融業界の破滅を招いたことを予知している映画とも呼べ、米国経済史的にも一つの黄金時代の象徴となっている気がする。

何はともあれ、映画の完成度やその熱狂さは米国にとって影響が大きかったのだと十分に納得できる名作である。

kojiroh

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