『サンゲリア』(1979年、イタリア=アメリカ)―9.0点。残酷ゾンビ映画の古典


『サンゲリア』(1979年、イタリア=アメリカ)―91min
監督:ルチオ・フルチ
脚本:エリザ・ブリガンティ、ダルダノ・サケッティ
音楽:ファビオ・フリッツィ
出演:イアン・マカロック 、ティサ・ファロー、リチャード・ジョンソン、オルガ・カルラトス etc

【点数】 ★★★★★★★★★☆ / 9.0点

ジョージAロメロの伝説的な『ゾンビ』(1978年)にならぶカルト的人気を誇るゾンビ映画の金字塔が、イタリアのルシオ・フルチ監督による本作『サンゲリア(Zombie2)』。

ありふれたフラグ立ちまくりの展開、冒頭からグロテスクなゾンビ、眼球破壊、陳腐ながらも妙に味のある音楽、苦悩するドクター、狂いだす歯車……とにかくB級ゾンビ映画のツボをすべて抑えたかのような古典的ゾンビ映画がルシオ・フルチのサンゲリアだと思う。


◎あらすじ
ある日、ニューヨーク湾内で奇妙な事件が発生した。漂流中のクルーザー内に踏み込んだ警備船の警官2名が、全身腐乱した男に襲われた。警官1人が犠牲となり、男は全身に銃弾を打ち込まれて海中に姿を消した。クルーザーの持ち主である娘アン・ボールズ(ティサ・ファロー)と新聞記者ピーター・ウェスト(イアン・マカロック)は、行方不明となっているアンの父親を探すため、アメリカ人夫婦ブライアンとスーザンのクルーザーに同乗し、カリブ海に浮かぶマトゥール島へ向かう。だがそこは謎の疫病で死んだ者が蘇り始めていた…。(WIKIより引用)

ゆっくりと迫りくる死者、ブードゥー教の謎。
『ゾンビ』などと酷似している部分もあるが、しかし本作のゾンビの生々しいグロテスクさはショッキングである。古臭いのだが、ウジ虫がわく蘇る死者は、一つの新しいゾンビ像を描き出したのではないか。

特にこの眼球破壊シーンの痛さは郡を抜いている。肉体の部分的破壊を残酷に表現していて、とにかく痛い。えぐいほど出血して、チャチさはあるがグロい。

他にも、サメと戦うゾンビなど実験的なアイディアと挑戦心が盛り込まれている。火炎瓶で燃え上がるゾンビたち。そこまで派手なアクションシーンはなく、それ以上に迫り来る謎と、蔓延するゾンビの緊張感、守り立てる単調ながら味のあるテーマ曲、この雰囲気がいいのだ。


放射能や化学物質ではなく、ブードゥーという宗教的な側面からゾンビの謎を追うドクターと主人公だが、結局は蘇る死者を止めることができない。


ニューヨークからカリブ海へ。
低予算ながらもニューヨークを舞台にゲリラ的に撮影した本作は、ぱっとみは気付かないが色々と突っ込みどころがある。最後のブルックリン橋でのシーンなど、よく見ると下の車が普通に動いていて、完成度的には突っ込みどころが満載。

しかし、なぜか引き込まれる。
完成度の低いラストシーンであるが、それでも本作の救いのない、無限に広がってゆくゾンビワールドを想像してしまう後味の悪いラストが完璧だと思えた。

ルシオ・フルチの恐怖&残虐シーンの描き方も秀逸であるが、それ以上にゾンビという題材を使って、B級でグロテスクでベタな映画の金字塔を作り出した部分に本作の最も評価すべきだろう。

本家『ゾンビ』以上に、すっきりと短い尺でカルト的要素がある『サンゲリア』の方がなぜか愛すべき映画に思えている。

kojiroh

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