『十三人の刺客』(2010年、日本)―7.5点。現代版『7人の侍』


『十三人の刺客』(2010年、日本)―141min
監督:三池崇史
脚本:天願大介
音楽:遠藤浩二
出演者:役所広司、山田孝之、伊勢谷友介、沢村一樹、古田新太、高岡蒼甫、松方弘樹、吹石一恵、内野聖陽、光石研、岸部一徳、松本幸四郎、稲垣吾郎 etc

【点数】 ★★★★★★★☆☆/ 7.5点

ベネチア映画祭では7分間にも及ぶスタンディングオベーションを受け、さらには国内外を問わず様々な賞を受賞した近年まれに見る邦画大作が本作『13人の刺客』。63年の映画のリメイク作だ。

世界の三池による一大スペクタクルとも言える。それほど金もかかっているし出演陣も豪華。制作費は18億近く。それを裏切らない完成度に世界が熱狂した。日本映画の黄金期を思い出させるような内容でありつつ、武士道的精神に満ちた本作は大きな可能性を感じる。


◎あらすじ
時は江戸時代後期の弘化元年(1844年)。将軍の異母弟にあたる明石藩主松平斉韶は暴虐・無法の振舞い多く、明石藩江戸家老間宮図書は老中土井大炊頭屋敷前にて切腹、憤死した。幕閣では大炊頭を中心に善後策を検討したが、将軍の意により、斉韶にはお咎めなし、となった。斉韶の老中就任が来春に内定していることを知る大炊頭は、やむなく暗黙のうちに斉韶を討ち取ることを決意し、御目付役の島田新左衛門を呼び出した。新左衛門は大炊頭の意を受け、自身を含めて13人で、参勤交代帰国途上の中山道落合宿にて斉韶を討つことに……。(Wikiより引用)

冒頭から引き込まれる。手足を切られた女のグロテスクさとショッキングさがアドレナリンを刺激し、ぐいぐい物語に引き込む。静かな前半も、緊張感がなんともいい。

なにより、意外なキャスト、稲垣吾郎の悪役っぷりに驚愕。

豪華キャストながらも最も異色なのがこの配役だろう。助演としてかなり不気味な存在感を放ち、途中まで稲垣だと気付かなかったほどハマり役。彼の新領域というか、意外と狂気な役がすっぽりはまる役者だと思った。そして最後の泥まみれっぷりが、アイドル俳優がここまでやって大丈夫なのかと心配してしまうほど…笑



主演の役所の安定感もさることながら、とにかく個性は役者を揃えて、この映画自体が一つの大博打ではないかと思えるほど。

「みなごろし」
「斬って斬って、斬りまくれ!」
雨の中の決戦、泥、殺陣、トラップ。まさに現代に蘇った七人の侍。

重苦しい武士道、将軍と武士の生きる道、切腹、ケジメ。とにかく日本男児の美しい仁を見せ付けてくれる。重々しい空気が多いが、伊勢谷友介のキャラクターが物語を少し明るくし、『七人の侍』でいう菊千代のような配役になっており、笑いどころとのバランスが調和が取れている。

単なる娯楽大作とも呼べる。だがそれだけではなく、三池流のバイオレンス、グロさが適度に共存している絶妙な空気観がなんともいいのだ。刀で首チョンパされて転がる首の演出がなんとも最後まで味がある。

まあ、従来の三池バイオレンスを期待したコアなファンでには少し物足りないかもしれないが、万人受けする新規ファンも掴み得る新領域ではないかな。

三池監督らしくないが、こうした大作をも手がけうる監督になったことがまず誇らしいことではないか。

(絶賛な批評ですが、正直この手の時代劇はあんまり筆者の趣味ではありません…笑)

kojiroh

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