『ミリオンダラー・ベイビー』(2004年、アメリカ)―8.0点。女性ボクシング映画の歴史的傑作


『ミリオンダラー・ベイビー』(2004年、アメリカ)―133min
監督:クリント・イーストウッド
脚本:ポール・ハギス
音楽:クリント・イーストウッド
出演者:クリント・イーストウッド、ヒラリー・スワンク、モーガン・フリーマン etc

【点数】 ★★★★★★★★☆☆/ 8.0点

アカデミー賞を四部門受賞し、イーストウッドが自信2度目の監督賞と作品賞を受賞したかつての話題作。そういえば見ているようで見てなかった名作なので早速、レンタルにて鑑賞。

◎あらすじ
ロサンジェルスのダウンタウンにある小さなボクシング・ジムを営む老トレーナー、フランキー。その指導力に疑いのない彼だったが、選手を大切に育てるあまり、成功を急ぐ優秀なボクサーは彼のもとを去ってしまう。そんなある日、31歳になる女性マギーがジムの門を叩き、フランキーに弟子入りを志願する。13歳の時からウェイトレスで生計を立てるなど不遇の人生を送ってきた彼女は、唯一誇れるボクシングの才能に最後の望みを託したのだった。フランキーの唯一の親友スクラップはそんなマギーの素質と根性を見抜き、目をかける。やがてマギーの執念が勝ち、フランキーはついにトレーナーを引き受けるのだが……。(All cinemaより引用)

とても一ヶ月弱で撮影して完成した映画とは思えぬ完成度。暗い内容ながらも冒頭からグイグイ引き込まれる。どんくさい脇役ボクサーから、モーガンフリーマンの渋いナレーションが世界へと誘う。

女性ボクサーを主役とし、そのコーチという設定がまず巧み。レストランの肉を盗み出そうとする貧乏性な底辺の女性からのアメリカンドリームを見せてくれる前半の展開が特に素晴らしい。

ヒラリー・スワンクのオスカー受賞が頷ける。底辺に生きて、最後は家族との衝突も悲しく演じる。自分にはボクシングがない中で、彼女の人生は輝きだした。その栄光の瞬間の歓喜は胸に突き刺さる。

ボクシング映画として観てもレイジングブルに並ぶデキだった。
試合の迫力、危機感、緊張感。女性ボクシング映画としても最高峰になるであろう出来栄えだと思う。そして後半、命を懸けた試合で何か悪いことが起きる嫌な予感を感じ取る。残酷な予感だ。そんな悲壮な中で、しゃがれ声のイーストウッドとフリーマンの渋い演技にはムネアツ。

この前半後半の落差が圧巻でもあり、目を覆いたくなる悲しさが涙腺を緩くする。

ネタバレになるのであまり言わないが、ディズニーランドにいって見舞いにくる母親たちのシーンが忘れられない。底辺の残酷な愛情、それを盛大に追いのけるイーストウッド流の観客サービスに思えてならない。本作は社会風刺に富んだ、アメリカの底辺を照らす映画でもあるのだ。

しかし、とにかく00年代のイーストウッドはすごい。
ミスティックリバーから硫黄島二部作、チェンジリング、グラントリノまで、映画界での数々の経験から驚異的なスピードで作品を作り続けるそのタフネスさにシビれる。おじいちゃんになってもその熟成された巧みの技が、衰えるどころが進化しているなんて、本作をみてもその偉大な功績を辿るに相応しい一作だ。

kojiroh

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