『ホテル・ルワンダ』(2004年、英=伊=南アフリカ)―8.0点。南アフリカから国際社会への風刺


『ホテル・ルワンダ』(2004年、イギリス・イタリア・南アフリカ)―122min
監督:テリー・ジョージ
脚本:テリー・ジョージ、ケア・ピアソン
出演:ドン・チードル、ソフィー・オコネドー、ニック・ノルティ、ホアキン・フェニックス、ジャン・レノ、ファナ・モコエナ etc

【点数】 ★★★★★★★★☆☆/ 8.0点

実話の映画化。魂を揺さぶられ、あなたも当事者になる物語……
こんなコピーと評判のいい名作と話題の映画。アカデミー賞でも外国映画賞ノミネート、トロントでの受賞など、最も有名で世界的にも成功した南アフリカを舞台にした映画だと言えよう。


●あらすじ
1994年、ルワンダの首都キガリ。多数派のフツ族と少数派のツチ族の内戦はようやく和平交渉がまとまるかに見えたが、街では依然としてフツ族派ラジオ局が煽動的なプロパガンダを繰り返し不穏な空気に包まれていた。ベルギー系の高級ホテル“ミル・コリン”で働く有能な支配人ポール。ある晩帰宅した彼は、暗闇に妻子や近所の人たちが身を潜めていのるを目にする。フツ族大統領が何者かに殺され、これを契機にフツ族の人々がツチ族の市民を襲撃し始めたのだ。ポール自身はフツ族だったが、妻がツチ族だったことから一行はフツ族の襲撃を逃れミル・コリンに緊急避難するのだが……<allcinemaから引用>

南アフリカ、民族紛争、そして外資系のホテル。
日ごろ触れることのない世界が垣間見れてまず興味深かった。アフリカなまり?の英語が色々と喋り、外資の文化をしっかりと受け継ぎ、白人を客として招き、ホテルを運営するその光景がまず一興。

品格を高めるためのコイーバの葉巻。中国から仕入れたナタなど、いろんな国からのモノが入りつつ発展してゆく様相を見せるルワンダも、国際社会が止めようとしない紛争が巻き起こる展開がスピーディーに描かれる。

なんと言っても、本作はドン・チードルの名演。国連と将軍、さらにはホテルの従業員、難を逃れた人々との必死の非暴力の駆け引きが緊張がありつつクライマックスへと盛り上がる。追い詰められてからが本番であったかのように、状況が二転三転。

と、紛争の中で国際社会の中を切磋琢磨し生き延びた人々の物語なのであるが、個人的には本作での虐殺の現実を伝えるという主旨以上に、アフリカの黒人が国際社会の中でどのような生き様をできうるのか?……この観点を探ることに意義を感じた。


「君は黒人であり、ニガーにすらなれない……」
国際社会で見捨てられた黒人たち。守ってくれることが当たり前だ、人権だと信じていた日常が、脆くも崩れ去る。白人的な社会、国際的な舞台で活躍するために高めていた「品格」が、意味を成さなくなりうる。

ネクタイを締めてスーツを着て、品格を得た気がしていた簡単な人生は幻想的で、背負っている十字架と向き合うことを忘れてしまった現代人へのメッセージなのかもしれない。

消せないアイデンティティ。人種。民族。
そうしたものと向き合い、戦ってこそ、真の「品格」を得られるのか。

とにかく、紛争の現実を知る以上に、それを他人行儀で見守るだけの国際社会に対する皮肉もあり、ジャンレノもちょい役で出演している、今の時代に見るべき映画であることは疑いようが無い一作であった。

kojiroh

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