『KOTOKO』(2011年、日本)―7.0点。Coccoのイレイザーヘッド


『KOTOKO』(2011年、日本)―91min
監督:塚本晋也
製作:塚本晋也
脚本:塚本晋也
原案;Cocco
出演;Cocco、塚本晋也 etc

【点数】 ★★★★★★★☆☆☆/ 7.0点

「鉄男」「六月の蛇」の鬼才・塚本晋也が、シンガーソングライターCoccoを主演に迎えた実験的な異色作。2011年・第68回ベネチア国際映画祭オリゾンティ部門で、同部門の最高賞にあたるオリゾンティ賞を受賞。

コアなファンを持つ実力者二人によるゴールデンコンビに思え、期待に胸を膨らませて新作レンタルで鑑賞した。


◎あらすじ
ひとりで幼い息子の大二郎を育てる琴子は、世界が“ふたつ”に見える現象に悩まされ、歌っているときだけ世界が“ひとつ”になる。神経が過敏になり強迫観念にかられた琴子は、大二郎に近づくものを殴り、蹴り倒して必死に息子を守っていたが、幼児虐待を疑われて大二郎と引き離されてしまう。そんなある日、琴子の歌に魅了されたという小説家の田中が現れるが……。<映画.comより引用>

面白いような、笑えるような、重たく欝なような、とにかく不思議な映画だ。ドキュメンタリーを思わせるほど揺れて眩暈のようなカメラワーク。

狂気と笑い。不安定な時代と欝。精神疾患な女と何も知らない無知な子供、芸術家、歌。

低予算な雰囲気でもばっちり独創性のあるシーンを、突発的なカットで魅せるのは塚本流の巧みのワザ。意表を突かれるだけでなく、映像に騙されるようなショッキング、幻想が飛び交う。

小説家に扮した塚本晋也の怪演。いつもながら、奇妙な人物を演じ、物語を進める大きな助演と扮する。うーん、このセンスは塚本100%なデキ。同時に100% COCCO。

だがぶっちゃけ、賛否両論。なんとも言いにくい。やりすぎ感がある。

カッターで腕を切り、生きることを感じる場面や、中華なべで育児をしつつ料理をしながらヒストリー癇癪を起こすシーンなど狂った叫びが脳裏に焼きつく。

kotokoはタバコをわっかにしてふかす、フォークで突き刺す、そして歌う。くどいほどでうっとおしくもあるが、この衝動はすごい。

ガリガリのkotokoの一挙一動が残酷で、どこか笑えて、なぜこうも生きることは大変なのかと思わされる。

『アンチクライスト』のようなグロテスクさもあり、『ツゴイネルワイゼン』を思わせる幻想的で突発的なショットも多い。好きな人は好きな衝動的な一作であろう

しかし女性版シンガーを主人公にした、デビットリンチの『イレイザーヘッド』のようでもある。

とりあえず部分的には好きだが、全体的に手振れが激しくてよい過ぎて残念。吐き気さえ覚えるほど。。

ただこの衝動と、Coccoの狂気をフィルムに焼き付けた点は評価したいと思います。

kojiroh

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