『劇場版 SPEC〜天〜』(2012年、日本)―50点。ドラマは傑作、映画は・・・、残念な堤幸彦監督作

『劇場版 SPEC〜天〜』(2012年、日本)―119min
監督:堤幸彦
脚本:西荻弓絵
製作:植田博樹、今井夏木
音楽:渋谷慶一郎、ガブリエル・ロベルト
出演者:戸田恵梨香、加瀬亮、福田沙紀、神木隆之介、栗山千明、伊藤淳史、竜雷太 ETC

【点数】 ★★★★★☆☆☆☆☆/ 5.0点

最近、ネットで980円で視聴可能なHULUにはまっているのだが、そこで知り合いがハマッていることで知った、話題のドラマ「SPEC」。

1999年の傑作ドラマ「ケイゾク」の続編的要素の新作が出ていたのかと興味を持ち、軽い気持ちで見てみると・・・大はまり!!

戸田恵梨香ってこんないい女優だったけ?
とにかくキャラと世界観がツボすぎ。名探偵・当麻と相棒の瀬文(加瀬)の名コンビっぷりは過去の中谷美紀と渡部篤朗を超えてるぜっ!さらにサイコな雰囲気はまるで漫画の『幽遊白書』の仙水編のような特殊能力者との戦い、「ケイゾク」と「トリック」のミステリーと、パロディ満載のユーモアの最骨頂が「SPEC」だ!!

以上のような興奮があった、今年見た一番面白かったドラマが「SPEC」です。
映画版もHULUに登場していたので、期待を胸に鑑賞することにしたのだが・・・。

●あらすじ
通常の捜査では解決できない特殊な事件を扱う部署“警視庁公安部公安第五課未詳事件特別対策係”、通称ミショウ。ある日、海上に漂うクルーザーから多数のミイラ化死体が発見される。スペックホルダーの関与が疑われる中、瀬文焚流とともに捜査を進める当麻紗綾。そんな彼女の前に、死んだはずのニノマエが姿を現わす。やがて事件は国家規模の様相を呈していくのだが…。
<allcinema>

さて、所感、SPECの世界観は存分に楽しめて、当麻の戸田も相変わらずいい演技をしてて面白くて可愛いが・・・がっかりでした。
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「キルビル」のパロディのユーモアで登場する栗山千明、正直、本作で登場したキャラはそんなに冴えてない。スペシャルドラマの「翔」で登場した北村一輝とでんでんのような飛びぬけた怪演で笑わせるようなネタはない。

本人役で登場するイトウアツシ。なぜこいつなの? 微妙に配役が笑えない。安っぽい、薄っぺらい。
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無駄に「幽白」の戸愚呂 弟のようなCGを使ったモンスターなスペックを披露してくれるけど、はっきりいって興ざめだった。安っぽいスペックタクルアクションはSPECにはいらない。

なんというか、スケールを大きくしすぎてスベった感じ。
「ケイゾク」の映画もそうだが、ドラマでは素晴らしいのに映画の枠にしたとん失速する堤監督って一体なんなの? てかカネ儲けで作っただけで、ドラマのときはあまりその後を考えてなかったんじゃないかね。そのぐらい、ヒットしたから後付けで作りました感が満載。

ドラマが素晴らしいので、本当に脚本とか担当してる人がまとめて変わったんじゃんじゃないと言うほど、シナリオがダメ。主演の人々のドラマも安っぽくてクサイ。

何度も言うが、ドラマ10話~「翔」までは傑作だった。多分、当初のネタはここで完結してたがヒットしたから後付けで頑張ったんじゃないかと思えるほど、スケールが大きくなりすぎて収集つかなくなってる感じ。予言とかバチカンとかぶっちゃけ蛇足。

一番面白かったのは、こういう最初の遊びシーンだった。
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そして最後の怪演を見せる椎名桔平。
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津田助広の設定も、パブリックドメインとしての存在意義がよくわからないかんじになっていて、特別出演というサイコで謎めいた雰囲気がなくなったのも残念だなあと。

ネタばれになるのでこれ以上はやめとくが、とりあえず後付で作った残念な期待はずれな「SPEC」でしたと。ドラマは本当に面白かったんだよっ!

堤監督の映画には今後期待しません。

kojiroh

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