『グランドイリュージョン』(2013年、アメリカ=フランス)―116min
監督:ルイ・ルテリエ
脚本:エド・ソロモン、ボアズ・イェーキン、エドワード・リコート
原案:ボアズ・イェーキン
出演:ジェシー・アイゼンバーグ、マーク・ラファロ、ウディ・ハレルソン、メラニー・ロラン、アイラ・フィッシャー、マイケル・ケイン、モーガン・フリーマン etc
【点数】 ★★★★★★★☆☆☆/ 7.0点
※リアルタイム映画評
原題、Now you see me.
「ソーシャル・ネットワーク」のジェシー・アイゼンバーグが、天才マジシャン集団のリーダーを演じるエンタメ・クライム・サスペンス。
マーク・ラファロ、ウディ・ハレルソン、メラニー・ロラン、マイケル・ケイン、モーガン・フリーマン・・・豪華な共演者と引き連れて、フランスの映画監督ルイ・ルテリエが描く傑作・・・との友人からの推薦があって、筆者は劇場にて鑑賞した。
●あらすじ
“フォー・ホースメン”を名乗る4人組のスーパー・イリュージョニスト・チームが、大観衆が見守るラスベガスのステージで前代未聞のイリュージョン・ショーを披露する。なんと、遠く離れたパリの銀行を襲い、その金庫から320万ユーロという大金を奪い取ってしまったのだ。一夜にして全米中にその名を轟かせたホースメンだったが、FBIとインターポールの合同捜査チームは、すぐさま強盗容疑で身柄を拘束する。しかしトリックを暴くことができず、証拠不十分のまま釈放を余儀なくされる。そこで捜査チームは、元マジシャンのサディアスに協力を要請し、ホースメンのさらなる犯行の阻止とその逮捕に全力で取り組むのだが…。
<allcinema>
さて非常にスタイリッシュで、マジックシーンはなかなか秀逸。
ラスベガスの町でマジック。ショーを展開する場面なんかは映画館で見ると非常に迫力がある。
相変わらず早口でまくし立てるように口と頭をフル回転させてるジェシー・アイゼンバーグ。
彼の人生の中で、最もイケメンな役柄かなと。しかし本作では主演というより、主演の1人と、あまり存在は大きくない。ゾンビランドでのウディとの絡みなんかも、過去の作品を思う出させる。
本作はマジシャン集団とトリックを見破るモーガンフリーマン、そしてFBIの3つ巴の戦い。
だが残念ながら助演の存在感の方が大きくて、貫禄負けしてました。
深いしわでトリックを見破る場面なんかは面白い。
特に前半のスピード感は非常にエキサイティングだった。
あとメラニー・ロレン。彼女がいい味だしていた。イングロリアス以来に見ましたが。
マークラファロも主演レベルで目立ってます。
むしろ助演が秀逸すぎてそっちに感情輸入してしまった。
あれ?フォースメンが主役のはずでは・・・まあ面白かったからいいけど、しかし本作は最後がダメだった。
ネタバレぎりぎりのところで曖昧に結論を言うと、
本作は非常にベタでもあるタイプのどんでん返し系映画である。
しかし、そのどんでん返しさのこじつけ感、意表はつかれたがそれがあまりにも不自然で、矛盾っぽくて、非常にがっかりだった。
むしろこのどんでん返しなかった方が面白くて自然だったんじゃないかと。
てわけで前半1時間ちょっとは80点なデキだったが、最後がちょっとねえ・・・、「スティング」とか王道どころのドンデン返し映画に比べると不自然で違和感というか矛盾さえ感じる。昨今のドンデン系作品で言うと、「シャッターアイランド」の方がよくできてたし、「インセプション」ほど複雑に計算されて観客に謎を提示するような拘りもない。
しっかし最初からおかしいとおもってたんだよなあ。
三下の脇役だったはずのあの人が主演レベルで目立ってたし、
バカの振りして最後はMost intelligent!ってのは、こいつどんだけ役者なんだよwwwという、ちょっと無理がありますね、僕は納得できませんでした。
「計算されつくしただまし」にしてはあまりに安易なオチがちょっと残念です。
こりゃ、二重の意味でミスディレクションだぜよ!
そんなわけで、本作のスピード感や世界観やキャラやマジックのヴィジュアルイメージがよかったのでより勿体無かったかなと・・・誰が主演かよくわからない映画だが、アイゼンバーグより、フランスのメラニー・ロランが個人的には主役です。
いや、彼女のフレンチな美しい演技を見れただけでももちろん、満足なんです。
とりあえず昨今のスターが演技合戦してるので、見ごたえある一本ではありました。
kojiroh