『ウルフ・オブ・ウォールストリート』(2013年、アメリカ)―90点。スコセッシ版『ウォール街』、×ディカプリオ最高傑作


『ウルフ・オブ・ウォールストリート』(2013年、アメリカ)―179min
監督:マーティン・スコセッシ
脚本:テレンス・ウィンター
原作:ジョーダン・ベルフォート(英語版)『ウォール街狂乱日記 – 「狼」と呼ばれた私のヤバすぎる人生』
出演者:レオナルド・ディカプリオ、ジョナ・ヒル、ジャン・デュジャルダン、ロブ・ライナー、カイル・チャンドラー、マーゴット・ロビー、ジョン・ファヴロー、マシュー・マコノヒー etc

【点数】 ★★★★★★★★★☆/ 9.0点
※リアルタイム映画評

今年度のオスカー有力候補、
「ディパーテッド」「シャッター アイランド」のマーティン・スコセッシ監督、レオナルド・ディカプリオ主演の名コンビが、
80年代から90年代のウォール街で“狼”と呼ばれた実在の株式ブローカー、ジョーダン・ベルフォートの実話を映画化した金融ドラマ、コメディ。

スコセッシファンかつ「ウォール街」のような魅惑の物語にひかれ、期待を胸に劇場へと足を運んだ。2014-02-02_112833

●あらすじ
80年代後半のウォール街。証券マンのジョーダン・ベルフォートは26歳で会社を設立すると、富裕層をカモにそのモラルなき巧みなセールストークで瞬く間に会社を社員700人の大企業へと成長させ、自らも年収49億円の億万長者となる。ドラッグでキメまくり、セックスとパーティに明け暮れた彼のクレイジーな豪遊ライフは衆目を集め、いつしか“ウォール街の狼”と呼ばれて時代の寵児に。当然のように捜査当局もそんな彼を放ってはおかなかったが…。
<allcinema>
 

3時間、ヴォルテージMAXで興奮した。
カネと女とドラッグと・・・長かったがバチンときた。2014-02-02_114444

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「ギャング~」「アビエイター」「ディパーテッド」「シャッターアイランド」・・・大作を世に送り出してきたがスコセッシ×ディカプリオの最高傑作であろう。

スコセッシ映画の中でも、個人的には「タクシードライバー」「レイジング・ブル」に次ぐ傑作かなとも思った所感。彼の作品の中で最も笑えた一作であることは間違いない。

それにしても本作ははじけている。
ここまでFUCKを叫ぶ映画は稀である。

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マシュー・マコノヒをはじめ、いかれたストックブローカーの生き様と絶叫、あと演説がすばらしい。コメディでもあり秀逸な現代ドラマである。ゴードンゲッコーからジョーダン・ベルフォードへ、こうしたCrazyな世界観にストックブローカーを目指す若者が出てきそうなほど、面白かった。

2014-02-02_112953『マネーボール』でおなじみのジョナヒルの演技も笑いを誘う。
出会い~創業まで、とにかく笑わせてくれる、さすがコメディアン。
ある意味で主演をも超える目立ちっぷり。太り方まで可愛く見えてくる。

学歴もコネも何もない連中が、教祖のごとく営業トークから演説までを吼えて叫ぶベルフォードと一緒に会社をでかくしてゆく、その冒頭のスピード感は素晴らしい。全員がとにかくキャラ立ちしている。過剰なFワードを絶叫する、欲望の狂気。

会社の中でヤリまくってるなんて、本当に実話なの?と疑うが、ウォール街の狂気の中ではそれもノーマルなのかもしれない。

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音楽のセレクトもスコセッシ・センスが冴え渡っていて、最後に「ミセスロビンソン」を流すあたりなんかも、『ミーン・ストリート』や『グッドフェローズ』で、暴力シーンで楽天的な音楽を選んじゃうあの手法!いや、スコセッシの過去の作品を彷彿させる手法がふんだんに使われていて興奮した。(ダイアルを押す手の指までアップして見せる、ヒッチコック的手法も見せてくれたり)

静と動ではないが、ゆったり進むシーンとすごいテンポで進む場面の使い方がすごく巧みだったが、しかしそれにしてもちょい長すぎかなとも。スコセッシ映画らしく、ビッチ風な美女と結婚してごたごたになるあたりもカジノやレイジングブルの焼き直し風でややうっとおしくもある。

これを2時間半に凝縮してたら90点あげました。

まあ3時間でも十分、緩急つけてテンポよく退屈せずにみれたけどね・・・舞台もアメリカからスイス、イギリス、モナコへの船など、マネーロンダリングのやり口の表現も面白かったし。

とりあえず『ウォール街』などの投資マネー映画が好きな人には必見の、2013年度の最高傑作になりうる一作かと思った。オスカーでも主演男優賞ぐらい狙えそうなぐらい、ジャンゴ~』以上にディカプリオがCRAZYではじけていた。

それにしてもスコセッシ監督は、あと何本傑作を世に生み出せば満足なのだろうか・・・ともかく、70歳のスコセッシが現代版「ウォール街」を作ってくれたことは素晴らしい偉業であり、これは間違いなく近年で最もパワフルな一作だったぜっ!

kojiroh

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