『グランド・ブダペスト・ホテル』(2014年、ドイツ=イギリス)―109min
監督:ウェス・アンダーソン
脚本:ウェス・アンダーソン
原案:ウェス・アンダーソン、ヒューゴ・ギネス
製作:ウェス・アンダーソン、スコット・ルーディン、ジェレミー・ドーソン、スティーヴン・レイルズ
出演者:レイフ・ファインズ、F・マーリー・エイブラハム、マチュー・アマルリック、エイドリアン・ブロディ、ウィレム・デフォー、レア・セドゥー、ティルダ・スウィントン etc
【点数】 ★★★★★★★★☆☆/ 8.0点
『ザ・ロイヤル・テネンバウムズ』、『ダージリン急行』の鬼才、ウェスアンダーソン監督の最新作、かつ評判がよく、ベルリン映画祭でも評価され、かつ友人から今年一番!の絶賛受けて、筆者もそんんあいアンダーソン監督ファンではないが見に行ってみることに。
◎あらすじ
1932年、品格が漂うグランド・ブダペスト・ホテルを仕切る名コンシェルジュのグスタヴ・H(レイフ・ファインズ)は、究極のおもてなしを信条に大勢の顧客たちをもてなしていた。しかし、常連客のマダムD(ティルダ・スウィントン)が殺されたことでばく大な遺産争いに巻き込まれてしまう。グスタヴは信頼するベルボーイのゼロ(トニー・レヴォロリ)と一緒にホテルの威信を維持すべく、ヨーロッパ中を駆け巡り……。
シネマトゥデイより
さて、所感。ずばり、100%ウェスアンダーソンの世界、つまりロイヤルテンネンバームの映像感覚で、戦前ミステリーを巨大な陰謀的なタッチで描いてて面白かった。
小説家はネタに困らない・・・なぜならネタが向こうから舞い込んでくるから。作家と豪華ホテル、謎の客とその歴史。
最初の作家の銅像から始める、物語の、ストーリーの動き方はなかなか好き。
それにしてもアンダーソン監督の才能はすごいなと。
制作から脚本・監督まで。
徹底した映像感覚や色彩は、もう脱帽です。
アメリのジュネ監督や、ティムバートンに並ぶ、独自のおもちゃ箱の世界を表現したようか映像センスを持っている。
『ザ・ロイヤル・テネンバウムズ』の世界にハードボイルドミステリーのような内容を溶け込ませた、不思議な世界観をさくっと100分ぐらいで楽しめた。ミステリーで犯罪要素もある場面でも、なぜかソフトに移って、シニカルな笑いを誘う感じ。ミステリーコメディとも呼べる作品だった。
アンダーソン監督ってドイツ系アメリカ人なのかな? このお城と西洋の絵画のような表現力はゲルマンっぽい。なんというかオルゴールを回るように映像と音楽が流れる感じ。
しかしさりげなく、ジュードロウ、エイドリアンブロディやエドワードノートン、さらにはハーヴェイカイテルも出演していて、豪華な映画だなと感じる。
この映画の一番の肝は、豪華な脇役が勢ぞろいしていることでしょう。
小道具が多くて、アンダーソンワールドの中に、ミステリー要素、戦争要素、巨大な陰謀、殺し屋、さらにはプリズン・ブレイクな内容まで盛りだくさんになっていることが、本策が過去のアンダーソンの中で最高傑作という人がいる理由であろう。
個人的には雪の中をスノーボードで失踪するシーンは完全にお子様向けな蛇足だったが、ハードボイルド要素を含みつつ、家族で見れるような内容も含まれている点は大きな魅力だと思った。
お子様向けともいえるし、西洋というか欧州のおもちゃ箱のような映像感覚がいいのだ。
というわけで、アンダーソン監督の作品を始めて映画館で見れたので、個人的にはいい刺激になり、映画館で見る価値大いにある映画でした。
kojiroh