『隠し砦の三悪人』(1958年、日本)―戦国時代と黄金と美女を巡るスペクタクル


『隠し砦の三悪人』(1958年、日本)―139min
監督:黒澤明
脚本:菊島隆三、小国英雄、橋本忍、黒澤明
音楽:佐藤勝
撮影:山崎市雄

出演:三船敏郎、千秋実、藤原釜足、藤田進、志村喬、上原美佐・・・etc

【点数】 ★★★★★★★★☆☆/ 8.0点

七人の侍や羅生門、用心棒などの名作に隠れてあまり注目されないが、黒澤の中期の傑作として、ジョージルーカスにも多大な影響を与えたとされる『隠し砦の三悪人』。

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●あらすじ
黒澤明監督が戦国時代を舞台に描く娯楽活劇時代劇の傑作巨編。敗軍の将が世継ぎの姫と隠し置いた黄金200貫とともに、敵陣を突破する。次々と遭遇する絶体絶命の危機を間一髪で切り抜けていくアイデアの数々に脱帽。また、群衆シーンの迫力や走る馬の疾走感など黒澤演出も冴え渡る。妙に色っぽい雪姫と狂言回し的な百姓コンビの3人が世界のミフネに負けない存在感を見せてくれる。この百姓コンビが、後に「スターウォーズ」の“C-3PO”“R2-D2”のモデルとなったことはあまりにも有名な話。
<allcinema>

所管、驚いた。
この時代にこのような映画技術と手法をふんだんに盛り込んだ作品があったとは。
ロードムービー的要素や、国越えの脱出劇的要素、槍と槍との一騎打ち、騎馬戦、姫と黄金を守る旅、滑稽で欲張りでよくしゃべる2人組と1人の強い男、そして美女の王女。

ずばり、このプロットというか舞台設定が斬新である。
3人組の躍動感あるトリオはすごい。キャラクター描写がたくみなのだ。

三船の存在感も多大で、馬に乗ってカタナを上げて騎馬戦を展開するあのシーンの迫力もすばらしい。2014-07-19_1731032014-07-19_172638

が、それ以上に千秋実、藤原釜足の百姓2人組の滑稽なキャラクターは映画史に残るレベルで、ジョージルーカスにも影響を与えている。

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本当に本作は、レオーネ監督の『続・夕陽のガンマン』の、ブロンディとトゥッコのコンビを彷彿させる。この映画がなければ誕生しなかったのではないかと思える。

あと雪姫の強いキャラクターも黒澤映画にしては珍しい。
特に野宿して横たわるシーンの構図と妖艶さは名シーンだなと。

佐藤勝の印象的なテーマと共に繰り広げられるロードムービー、合戦あり、決闘あり、お祭り騒ぎから銃撃戦まで。七人の侍を超える大スペクタクルじゃないかっ!

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溢れんばかりのアイディアが、ある意味、実験的に盛り込まれている本作であるが、商業的にも評価的にも他の名作に隠れて目立たない。個人的にはすばらしいが、盛り込みすぎて消化不良な感じもする。

幕切れも妙にあっけなく、大スペクタクルにしては西部劇のような終わり方が少し残念かなとも思う。ロケが難航したり予算がかかりすぎたりと問題が多かったので、おそらく黒澤としては物足りない一作だったのだろうと推測。

しかし、本作が目指したものが、個人的には『続・夕陽のガンマン』に受け継がれたきがする。南北戦争の間で強欲な3人の男たちが黄金を奪いあう戦いを繰り広げるというプロットが似ている。戦国時代の巨大な戦いの間で揺れる本作と。『続~』は女っけ0だが、狂言的な百姓2人の滑稽なやりとりを交えて黄金を巡るスペクタクルが展開されるプロットは多くの模倣を生んだのかもしれないと思った。

The hidden forest、隠し砦の三悪人。
タイトルもまた言い得て妙だが、この三悪人とは一体、誰のことなのか。
百姓・六郎太・姫?

普通に考えたら利用するものされる者ってことで、六郎太・太平・又七だろうが、 本作の人々は意外と残虐非道な悪人はいないなと思った。ただ、隠し砦の三悪人という言葉のセンスは素晴らしいです。

kojiroh

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