『ラスベガスをぶっつぶせ』(2008年、アメリカ)―123min
監督:ロバート・ルケティック
脚本:ピーター・スタインフェルド、アラン・ローブ
原作:ベン・メズリック『ラス・ヴェガスをブッつぶせ!』
出演者:ジム・スタージェス、ケイト・ボスワース、ケヴィン・スペイシー etc
【点数】 ★★★★★★★☆☆☆/ 7.5点
原題:”21″。
カジノが好きな私がちょっと興味を持っているギャンブル、それはブラックジャック!
トランプを駆使して「21」をめぐるゲームである。このゲームは必勝法があることで有名で、その必勝法と数学的な考えや記憶によって導いて数百万ドルを荒稼ぎするという、なんとノンフィクションをベースにした物語。
ラスベガスをやっつけろにもタイトル的にかぶるが、全然新感覚なスタイリッシュなノリ。
個人的にブラックジャックと、そしてカウンティングに興味があったのでその勉強がてら見てみると意外に楽しめた。
◎あらすじ
理系大学の最高峰MIT(マサチューセッツ工科大学)の学生ベン・キャンベル。医者を目指している彼にとって目下の悩みは、そのあまりにも巨額な学費。そんなある日、ベンの頭脳に目を付けたミッキー・ローザ教授が彼を自分の研究チームに勧誘する。その研究テーマは、“カード・カウンティング”という手法を用いてブラックジャックで必勝するためのテクニックとチームプレイを習得するというものだった。一度はためらうベンだったが、チーム内に憧れの美女ジルがいたことも手伝って、学費のためと割り切り参加する。やがてトレーニングを積んだチームは、満を持してラスベガスへと乗り込むと、みごと作戦通り大金を手にすることに成功するのだが…。
<allcinema>
MITの優秀な頭脳が集まって、ブラックジャックビジネス!
まず、数学的な知識を使ってブラックジャックをチームプレーで勝つというその流れ・プロットが面白い。まあほぼプロットで終わっているともいえるが、ラスベガスのセレブな舞台でその感覚を再現しているところにひとつ魅力を感じる。
いかに店にばれないようにチームで連携して金を稼ぐか、その手法が見てて爽快。
そして大金を得た若者の姿も、非常に共感できるものがあった。
「人生で初めて人生に余裕ができた。お金のことを心配する必要がなくなった」
主人公は成功し、そして・・・・。
それにしても医学部の高額な学費に苦しんでこのようないかがわしいサイドビジネスをする感じは昨今のアメリカっぽくていいなと。
優秀な成績で学校を卒業しても、いい会社や職業にありつけないと厳しいアメリカの現状がある意味で描写されているからこそ、本作はヒットしたのかもしれない。夢がありますよね、ベンチャーやってもいいような頭のいい学生が、それ以上にカジノで大勝ち!
まあ本作はそのプロットがすべてなんで、特にそれ以上深みはありませんが。楽しめたから問題なし。
ケビンスペイシーの演技が貫禄ありましたね。
なんか世界観的にすこし『グランドイリュージョン』っぽいものも感じる。
だましあいとトリックや手品のような手法やどんでん返し、みたいな。
というわけで数学とブラックジャックが好きな筆者としては面白かった。でもあまりゲーム自体に関心のない人でも楽しめるエンタメなつくりになってて、コアなカジノファンからするともっとディティールを描いて欲しかったと思うかもしれない。
しかしこういう映画がリリースして大ヒットした時点で、もうカウンティングなんてものは時代遅れなものになっている気がする次第であった。
kojiroh