『Some Kind Of Monster(邦題―メタリカ:真実の瞬間)』(2004年、アメリカ)―75点。世界的ロックバンドの歴史的瞬間


『Some Kind Of Monster(邦題―メタリカ:真実の瞬間)』』(2004年、アメリカ)―123min
監督:ジョー・バーリンジャー, ブルース・シノフスキー
出演:ジェームス・ヘットフィールド, ラーズ・ウルリッヒ, カーク・ハメット, ロバート・トゥルージロ etc

【点数】 ★★★★★★★☆☆/ 7.5点

サムカインドオブモンスター。


2002年のセイントアンガーを高校生のときにリアルタイムで購入して愛聴していたメタリカファンの筆者としては、非常に安着のある名曲の1つ。

そのタイトルで発表されたドキュメンタリーも、大学時代に購入して保有していた。すっかり忘れていたが、久しぶりに鑑賞したら改めて面白かったのでレビューを。

●あらすじ
2001年、ヘヴィメタル・バンド“メタリカ”は、かつてない危機に直面していた。メンバー同士の人間関係は最悪の状態で、15年間共に活動してきたベースのジェイソン・ニューステッドが脱退する非常事態に、ファンやマスコミからもその将来を悲観する声が出始めていた。そんな状態で開始されたニューアルバムのレコーディングには、分裂回避のためセラピストが参加するという前代未聞の手段が採られた。しかし間もなく、今度はボーカルのジェームズ・ヘットフィールドがアルコール依存症のリハビリのため入院してしまうのだった…。
<tSUTAYAより引用>

このドキュメンタリーに、メタリカの歴史が濃縮されているとも言える。
過去のクリフバートンの死、そこからの世界的セールス、ブラックアルバムでのカークハメットなど、大成功から衝撃的な脱退、ニュースにまで取り上げられ、メタリカは終わったといわれる・・・そこからまるで自問自答のようなバンドの日々が始める。

脱退と、ジェームスの病気からはじまり、もっともメタリカが苦しんだ日々が描かれる。

メタリカは、世界的なバンドにして奇跡のバンドでもあると思う。メンバーが全員強烈なキャラクターを持ちつつ、調和してヒットしたバンドだからだ。

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ジェームス、カーク、ジェイソンへの未練というか、今までのバンドを支えていたものの崩壊を直面し、長年付き添ってきたプロデューサーらと自問自答のような日々を送り、初めてジャムでセッションしたような、新感覚でのアルバムに取り組む。それが、あの賛否両論なセイントアンガーだったとは・・・。

 

アンヴィルにも登場していたが、ラーズウルリッヒがとにかくいいねえ。

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高級車を乗り回し、美人の奥さんと暮らし、子供もいて、そしてバンドの転換期みたいな時期に、海外をオークションに売るシーンなんて本当に印象的だった。メタルバンド出身の億万長者の暮らしが垣間見れる。

彼自身、この映画を撮ったことを後悔しているほど、内部事情がぶっちゃけで描かれている。

メタリカというのはとにかく、ドラムのラーズがリーダーとして中心的人物として運営されている。ある意味、ビジネスとしての視点も交えて、新しいベーシストのオーディションをを進めたり。

あのモンスターのような南米系のロバートトゥルージロというベーシストがオーディションを経て、バンドに参入するそのプロセスが一番好きだ。

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「バッテリー?あの速さを指で?」
「他のベーシストは120%を出してきた。それ以下でやれたのは彼だけだった」

世界的バンドがどのようなプロセスを経て新規にベーシストを入れるか? しかも息がぴったりで、現役で今も続いているような最高のメンバーを入れるその瞬間をリアルタイムでフィルムに収めたことは、本作のひとつの功績であろう。

総括すると、メタリカという世界的なバンドの奇跡の瞬間を収めることができ。過去のクリフとの悲劇やドラマを描けたことは。多くのリスナーをうならせる、ある意味で歴史的なドキュメンタリーになったと思う。

しかしやはりロックのドキュメンタリーでは「アンヴィル」が最高傑作で、こちらは成功者の苦闘にすぎない。でもしかし、アンヴィルがメタリカになれなかった理由がよくわかる。それぐらい、メタリカの世界はシヴィアな、仕事人としても偉業をなし続けられる理由がここにはあった。

KOJIROH

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