『ゴーンガール』(2014年、アメリカ)―85点。アメリカン・サイコパス映画@フィンチャ―監督

『ゴーンガール』(2014年、アメリカ)―169min
監督:デヴィッド・フィンチャー
脚本:ギリアン・フリン
原作:ギリアン・フリン『ゴーン・ガール(英語版)』
音楽 トレント・レズナー&アッティカス・ロス
出演:ベン・アフレック、ロザムンド・パイク、ニール・パトリック・ハリス etc

【点数】 ★★★★★★★★☆/ 8.5点

※リアルタイム映画評

鬼才デビッド・フィンチャー監督、ドラゴンタトゥーの女以来の新作!!しかも、ギリアン・フリンの全米ベストセラー小説の映画化。
「アルゴ」のベン・アフレック主演。音楽を、「ソーシャル・ネットワーク」「ドラゴン・タトゥーの女」でもタッグを組んだNINのトレント・レズナーと、同バンドのプロデューサーでもあるアティカス・ロス。

最高のチームで、最高の原作を映画化ってわけで、こりゃ見ないわけには行きません。

●あらすじ
幸福な夫婦生活を送っていたニックとエイミー。しかし、結婚5周年の記念日にエイミーが失踪し、自宅のキッチンから大量の血痕が発見される。警察はアリバイが不自然なニックに疑いをかけ捜査を進めるが、メディアが事件を取り上げたことで、ニックは全米から疑いの目を向けられることとなる・・・。

<映画.com>

単刀直入に、クソ面白いです。
もう感受性も揺さぶられてぐいぐい引き込まれる。2015-02-02_184352

Missing LADY, アメリカっぽい描写満載で素晴らしい。
夫婦間のトラブルでいうと、ドラマのブレイキングバッドを思い出すような描写。あとリーマンショック後の失業からミズーリへの隠居、みたいな現代アメリカを感じさせる内容もツボ。

謎解きのようなミステリー要素は、本当にこの原作が秀逸なのだろうなと痛感する。

もちろんフィンチャーのダークな映像で、小道具をまた上手く使っていて、かつメディアが事件を取り上げて全米の話題になるその様子を映し出す一連の流れが最高にエキサイティングなんだけどね。

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ブレイキングバッドもそうだが、アメリカの映画は弁護士が登場してからが面白い。どんどんスケールが大きくなっていくわくわく。個人的に最優秀助演はこの弁護士、タイラーペリーっすね。

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あと紙カップのコーヒーを常に片手に操作を進めるキム・ディケンズの演技が個人的によかった。見てるこっちもコーヒー飲みたくなる。

ヒントや細かい動作まで、完璧主義のフィンチャーはやはり本作でもディティールで見せてくれます。

さて、素晴らしく面白い映画であることは疑いようないが、これは意外とサイコパス(精神病質)な映画なんじゃないかなと思った。現代のサイコパスを的確に描いた物語、みたいな。社会でサイコパスがどうやって人と人との関係の中で生きてゆくか、利を得てるか、みたいな観察にもなるほど、個人的な理解だと、これがサイコパスだとバチっと来る。

とりあえずネタバレになるとあれだが、彼女のマジキチっぷりはトラウマになりそうです。

ゾディアックや、ドラゴンタトゥー、ソーシャルネットワークもそうだが、物語に引き込むだけ引き込ませて時間を忘れるぐらい作品の映像世界に夢中にさせたわりにはあっけなく幕引きさせるフィンチャ―監督の手法は相変わらず憎いです。

3作連続のトレントレズナーとのコンビもおなじみ。

90点あげようかと思ったが、ダークでスタイリッシュな映像世界に引き込まれたが、過去2作のテイストで、秀逸な脚本を映像化しただけであり、過去2作のテイストから、なんら進歩はなく、同じ手法で焼き直しされてる感じがしないでもない。
(それでも十分面白いのは監督の才能なのだろうが・・・)

この世界にはすごく引き込まれて、2時間半という長さをまったく感じさせないデキだった、面白さでいうと90点レベルの映画であるが、ほとんどの部分は脚本と原作のチカラであろう。ただサイコパスな部分が多すぎてトラウマに・・・・。

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フィンチャー監督とトレントレズナーの音楽のコンビに過去の手法に進化は感じなかったことと、あまりにもマジキチで後味悪い映画ってことで、82.5点っていう結論でした。

kojiroh

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