『イコライザー』(2014年、アメリカ)―70点。アメリカ最新のプロパガンダ映画


『イコライザー』(2014年、アメリカ)―132min
監督:アントワーン・フークア
脚本:リチャード・ウェンク
原作:キャラクター創造マイケル・スローン、リチャード・リンドハイム
音楽:ハリー・グレッグソン=ウィリアムズ
出演:デンゼル・ワシントン、マートン・ソーカス、クロエ・グレース・モレッツ、デヴィッド・ハーバー(英語版) etc

【点数】 ★★★★★★★☆☆☆/ 7.0点

デンゼル・ワシントンとアントワーン・フークア監督が再びタッグを組み、80年代後半のカルトTVシリーズ「ザ・シークレット・ハンター」を映画化したクライム・アクション。共演は「キック・アス」「モールス」のクロエ・グレース・モレッツ。

超B級映画の雰囲気満載だが、予告編を見ていると面白そうだしクチコミの評判もいいのでネットでレンタルして干渉。

●あらすじ
ホームセンターの真面目な従業員、ロバート・マッコール。かつては、CIAの凄腕エージェントだった彼だが、引退した今は、自らの過去を消して静かな生活を送っていた。そんなある日、行きつけのカフェで知り合った少女娼婦テリーが、ロシアン・マフィアから残酷な扱いを受けていることを知る。見過ごすことが出来ず、ついに封印していた正義の怒りが爆発するマッコール。単身で敵のアジトに乗り込むや、悪党どもをあっという間に退治してしまう。これに危機感を抱いたロシアン・マフィア側は、すぐさま最強の殺し屋を送り込んでくるのだったが…。
<allcinema>

とりあえず、この映画はトレーラーが一番面白かった。
本作のできもまあまあだけど、予告編以上の面白さはないですね。

だがとにかくアメリカンチックな雰囲気が楽しめる。
深夜の喫茶店と読書と、娼婦。平凡なホームセンターの日常。
実は彼はスーパーマンだった!
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時計でカウントしつつ、スローモーションでイコライズするシーンの緊張感はすごい。

そこにトレントレズナーのような音楽が流れて、カッケーなと思っちゃいました。BGMとヴィジュアルイメージはかなり秀逸。

でも最初の1時間ですかね、面白かったのは。あとは主人公が強すぎて、わりと興ざめする部分がありました。娼婦のクロエちゃんもあんま登場してこないし・・・。

しかしキックアスの少女だったグロエちゃんがもうこんな娼婦役できるまで大人になったことが意外と驚き。

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いかにもいまどきのハリウッドアクションっぽくて、ナウさがあって、こういう映画を見るのは悪くないなと思った。

近い路線では『処刑人』シリーズみたいなとこかな。見ていてとにかく痛快。善悪がはっきりしているので。無駄に主人公が最強すぎるし。

だがロシアVSアメリカの構造が垣間見える映画として、たとえば「ソルト」とか。流行のアメリカとロシアがバトってる映画って、結構なプロパガンタだったりする。

今回、アメリカ側の昔の人間が無敵な感じで残虐非道なロシアをぶっつぶしちゃう感じなので、相変わらず現状の米露関係は悪いんだろうなと。

ロシア人をぶっ殺せ!!みたいな。

逆に今はCIAが人材削減で色んなとこから撤退しているし、CIAだったスノーデンは二重スパイだったくさいし、アメリカの覇権はロシアに馬鹿にされている現状を感じるが、この映画ではやはりCIA最強ってノリっすね。元CIAだけど。現在が駄目だから、過去のCIA職員を活躍させてるのかな?・・・色んな政治的な意図を考えさせられます。

むしろアメリカからロシアを撤退させようとする意図みたいなものかなあ。

しかし、個人的にはあまりに強すぎる主人公が、最後は残忍非道に思えてくる。
映画としての雰囲気はすごくいいけど、強さの設定が滅茶苦茶だなと。

ある種の特殊能力者が、普通の人間をずたずたにしちゃうところが、偽善的でもあり、イコライザーはヒーローでもなんでもなく、もはや大量殺人犯ですかね。アメリカンスナイパーと同じく。

ただ完全に英雄のヒーローものである本作とはスタンスが逆ですが、アメリカンスナイパーと並んで、最新のアメリカのトレンドを知るにはいい映画かもしれない。

kojiroh

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