『地獄でなぜ悪い Why don’t you play in hell?』(2013年、日本)―130min
監督:園子温
脚本:園子温
音楽:園子温、井内啓二
撮影:山本英夫
出演:國村隼、堤真一、二階堂ふみ、友近 etc
【点数】 ★★★★★☆☆☆☆☆/ 5.0点
「愛のむきだし」「冷たい熱帯魚」の園子温監督が20年前に手がけたオリジナル脚本を基に作り、第70回ヴェネツィア国際映画祭オリゾンティ部門で公式上映、上映後は7分間のスタンディングオベーションなど、国際舞台で評判よさそうだったのでレンタルで鑑賞したのだが・・・。
●あらすじ
ヤクザの組長・武藤は、獄中にいる最愛の妻・しずえの夢を叶えようと躍起になっていた。それは娘のミツコを主演に映画を製作するというもの。しかし、肝心のミツコは男と逃亡してしまい、映画が出来ないまま、いよいよしずえの出所まで残り数日となってしまう。そこで武藤は、手下のヤクザたちを使って自主映画を作ることを決断する。そして何とかミツコの身柄を確保し、映画監督だという駆け落ち相手の橋本公次に、完成させないと殺すと脅して映画を撮影するよう命じる。ところがこの公次、実は映画監督でもなければミツコの恋人でもないただの通りすがりの男だった。それでも監督として映画を完成させなければ彼の命はない。そんな絶体絶命の中で出会ったのが、自主映画集団“ファック・ボンバーズ”を率いる永遠の映画青年、平田。一世一代の映画を撮りたいと夢見てきた平田は、ここぞとばかりにミツコに執着する敵対ヤクザ組織の組長・池上まで巻き込み、ホンモノのヤクザ抗争を舞台にした前代未聞のヤクザ映画の撮影を開始してしまうのだが…。
<allcinemaより>
テロップは面白い。予告編もすばらしく楽しそう。豪華キャストだし、監督も世界の園だし、こっりゃあ面白くないわけない!!!!・・・と期待したが、グダグダでびっくりしました。
この園監督は冷たい熱帯魚がピークで、それ以降はどんどん馬鹿になっている気がしてしょうがない。
内輪でいつも同じようなメンツ。
神楽坂も毎回のように使うし、エロい女と結婚して馬鹿になったんじゃないか?と疑うレベル。
叫んだり絶叫したり、誇張しすぎで役者をこき使ったような演技も、毎回同じようなパターンでそろそろ飽きる。最初はそりゃあ物珍しかったが。
ただいつもとは違う国村や友近の起用はなかなかセンスを感じ、堤とかもいい味だしてた。逆にこれだけいい俳優使ってこのデキは・・・園信者しか絶賛してないんじゃない?
二階堂ふみのエロい雰囲気も、ヒミズとはずいぶん違ってびっくりしました。もはやこの映画は彼女のための映画かなと。こんなにセクシー美人だったかと思うほど演技もキレがあり、映りもよかった。脚本通り、彼女のための映画になっている。
しかしストーリーはもうあるようでないというか、あまりにも脚本の完成度が低いなと、お粗末で、ラストへいくにつれガッカリしました。何が20年越しなの? これ本人の自己満足とコンプ解消のために書いただけのシナリオじゃね?
安直でまったくひねりのないオチ。ほぼ妄想物語みたい。
安易な血しぶきが過剰で、まったくリアリティのない暴力描写、キューブリックのシャイニングをパロったような安易な血だまりのスライディングも幼稚に感じた。
前置きも無駄に長い。この中身のない映画に130分の価値はないです。90分で十分。予告編が一番面白かったパターンの映画です。
今の映画がぜんぜん面白くなくてクズみたいな映画が多くて・・・まさにお前のこの映画じゃないか!w
深夜ドラマレベルの映画でしかないが、なんで本作が海外で評価されるのかよくわかりませんねえ。過去の秀作にだまされてるんじゃないかな、みんな。
才能というのは枯れるものだなとつくづく感じた残念な一本でした。
豪華キャストで見ごたえはありましたが。あと音楽とか、作風や雰囲気時代は悪くなかったですけどねえ。
深夜ドラマを見るかのごとく流し見するなら悪くない、映画館で見る価値のない映画でした。
kojiroh