『スティーブ・ジョブズ』(2013年、米)―75点。死後だからこそ描ける?秀逸起業映画


『スティーブ・ジョブズ』(2013年、米)―122min
監督:ジョシュア・マイケル・スターン
脚本:マット・ホワイトレイ
出演:アシュトン・カッチャー、ジョシュ・ギャッド、アーナ・オライリー、ダーモット・マローニー、マシュー・モディーン、J・K・シモンズ、ルーカス・ハース

【点数】 ★★★★★★★☆☆/ 7.5点

2011年、56歳の若さでこの世を去ったアップル創業者スティーブ・ジョブズの波瀾万丈の人生の伝記ドラマ。

2年前の作品だが、レンタル屋で目に付き、今更ながら鑑賞。

◎あらすじ
大学を中退しゲームメーカーに就職したスティーブ・ジョブズは、たびたびトラブルを引き起こす厄介者だった。1976年、そんなジョブズは、自分と同じようなはみ出し者の友人たちを集めて“アップルコンピュータ”を設立する。その後アップル社はヒット商品を連発、わずか4年で株式の上場に成功する。しかし彼の独裁的な経営は多くの敵をつくり、ついには自分の会社から追い出されるという皮肉な結果を招いてしまうが…。
<allcinema>

さて、非常にスピーディーな展開で、無駄がなく、よくできていると感じた。
起業系の映画の中ではかなり秀逸な方じゃないかな?
とにかくスピード感が素晴らしい。
ねちっこい人間関係も含めて無駄なく描く。

ウルフオブウォールストリートもそうだが、最初30分の、ガレージからの起業シーン――アメリカンドリームな起業ドラマに非常に興奮した。

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個性豊かな仲間たちと、起業、出資者、そして一気に栄光へと駆け抜けるっ!

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しかし起業物語以上に、独裁者としてのスティーブジョブズの姿を赤裸々に描いていることが素晴らしいなと思った。

日本企業顔負けのパワハラのごとく社員をクビにする、完ぺき主義、理想主義者のジョブズの暴走をここまで描いていることが、彼の死後だからこそなのか、けっして彼を肯定した描いていない部分に、本作の魅力を感じる。

独裁者としてのカリスマ性を熱演しており、権力闘争から、人間としてクズの部分を前面に押し出し、会社から追放されるシーンに至るスピード感はいいですね。本当に。

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経営者にはサイコパスが多いとよく言われるが、まさにそれを象徴するかのような人物、スティーブジョブズ。天才だが、狂人。モラルがなく、障碍者スペースに駐車するシーンなどのディティールもいい。

ただ、スピード感を優先したのか、少し説明不足になっているのが残念なところ。

もっと、アイポッドではなく、アイフォンから、死に至るまでを見ていたかった。

人間としてのジョブズを嫌いになる要素満載ですが、起業系ドラマ好きには必須の秀逸な起業映画かなと思いました。

Stay foolish・・・彼だからたまたま成功できたってだけなんだろう、きっと。本当に彼の成功法則には再現性がないなとただただ思わされる。

kojiroh

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