『Jackie & Ryan(原題)』(2015年、米)―90min
監督:アミ・カナーン・マン
脚本:アミ・カナーン・マン
出演:キャサリン・ハイグル、ベン・バーンズ、クレア・デュヴァル、エミリー・アリン・リンド、シェリル・リー・ラルフィ・・・etc
【点数】 ★★★★★☆☆☆☆/ 5.5点
ジャッキー&ライアン。
日本では未公開の、ミニシアター的な映画を、キャセイパシフィックの中でたまたま鑑賞したので、感想をば。
国際映画祭にもノミネートされた、英国の女性監督、アミ・カナーン・マンの監督脚本作品。
◎あらすじ
元カントリー歌手でシングルマザーのジャッキーと、ギターひとつで街から街へ旅をするフォーク・シンガーのライアンとの恋愛映画…。
さて、ぶっちゃけ、そんなに中身がある映画ではありません。
雰囲気的には、路上演奏で稼ぎならしけた旅生活をするライアンのBusking Lifeみたいな話。インサイドルーウィンデイビスの現代版みたいな。
しかし傑作であるコーエン兄弟のデイビスに比べると、劣化版としかいいようがない。
なんだろうな、これは脚本が悪い。設定もいまいち。
シングルマザーとフォークシンガーっていう設定、なんだろうなぁ、とにかく2人の恋愛には映画的なときめきはあまり感じないし、ロマンチックでもない。現代のアメリカの訴訟社会を描いた部分もあるが。高い保険とか。
本作はアミ監督の脚本&監督であり、このワンマンがいけなかったんじゃないかなあ、ストーリーに驚きやひねりをかんじない。
だがイケメンのベンバーンズのしけた旅生活には哀愁と、寒い中、貧しい旅生活で自由と音楽を見出そうともがく若者像の描写は、伝わってくるものがありました。
Buskingですねえ、デジタル社会だからこそ、こういうアナログな活動にスポットを当てているのはいいなあと。
個人的に筆者もBuskerなので、本作のコンセプトっていうか、世界観には共感できましたが、これに共感できる人って少数派なんじゃないかな?
まあ、金の匂いがまったくしない系の映画だったので、恐らく日本で公開されることはない気がしてます。DVD出るぐらいでしょうか。
今後、アミ監督はワンマン脚本はしない方がいいなという感想でした。
kojiroh