『ブラックスキャンダル Black mass』(2015年、アメリカ)―122min
監督:スコット・クーパー
脚本:ジェズ・バターワース、マーク・マルーク
音楽:ジャンキーXL
撮影:マサノブ・タカヤナギ
原作 ディック・レイア、ジェラード・オニール『Black Mass: The True Story of an Unholy Alliance Between the FBI and the Irish Mob』
出演:ジョニー・デップ、ジョエル・エドガートンベネディクト・カンバーバッチ、ケビン・ベーコン・・・etc
【点数】 ★★★★★★★☆☆☆/ 7.5点
※リアルタイム映画評
ジョニー・デップが、実在の伝説のギャング、ジェームズ・“ホワイティ”・バルジャーを熱演し評判を呼んだ衝撃の実録犯罪ドラマ。
共演はジョエル・エドガートン、ベネディクト・カンバーバッチ。
監督は「クレイジー・ハート」「ファーナス/訣別の朝」のスコット・クーパー。
キャッチーな予告編で面白そうだと思い、劇場で鑑賞した。
◎あらすじ
1975年、サウスボストン。アイリッシュ系ギャングのボス、ジェームズ・バルジャーは、イタリア系マフィアと激しい抗争を繰り広げていた。一方、弟のビリーは、州の有力政治家として活躍していた。そこに、バルジャーの幼なじみジョン・コノリーがFBI捜査官となって戻ってきた。折しもFBIはイタリア系マフィアの掃討を目標に掲げており、功名心にはやるコノリーは、バルジャーにある提案を持ちかける。それは、バルジャーがFBIの情報屋となり敵の情報を流す代わりに、FBIは彼の犯罪を見逃す、という驚愕の密約だったのだが…。
<allcinema>
冒頭から驚いた。いきなりの暴力。しかもドアップ。
この撮影が独特だなと思ったら、日本人のマサノブ・タカヤナギの撮影だったことを知る。これは冴えている。
マーケティングの関係か、ある程度キャッチーな宣伝がされているが、商業的な映画ではなく、かなりハードな内容。暴力も・・・。
基本的に、あまりにも闇が強い映画である。
だが本作のドアップの告白から始める悪い男たちの迫力はスクリーンで見ると舌を巻いた。
突然行われる、サイコパスな犯罪者・ジミー。
とにかくジミー、ジミー、ジミーである。ジョニーデップがこんな役柄をやるんだなと関心した。
ジョンコナリー演じる、ノエルの狡賢く立ち回る姿も本当に誰も彼も深い闇を持ち、悪魔が憑いているような犯罪劇をなしてゆく。あっというまに消される人々。
ともかく、犯罪王がいかにして生まれたかを、具体的に描いており、彼の家族との内面から、外面まで・・・FBIの保障プログラムなど、ギャング・警察・FBIの関係など、『ディパーテッド』を思い出す内容。
後々知るが、ディパーテッドのコステロはジミーがモデルになっていたとのこと。どうりでどこかで観たようなキャラクターだなと
ギャングとFBI。アメリカ社会のシークレット、スキャンダル。日本人が観てもしかし、いちまちピンと来ないもするが、その辺の知識がある人がみるとかなり楽しめると思う。
全般的に個人なナ関係と陰謀が渦巻き、スピード感溢れる。後半の闇に満ちたジミーの姿は、本当の迫力があり、『グッドフェローズ』のジョー・ペシに並ぶ迫力があった。特にモリスとの食事のシーンのコネタ。むしろジョーペシは実在するジミーから影響を受けたあのグッドフェローズの食事の名シーンが生まれたのかもなと思ったほど。
ともかく、グッドフェローズとディパーテッドをみた人なら、似たものを感じるはずです。
個人的に楽しめましたが、重すぎるので、映画としては70点というとこだが、伝説の犯罪王のドキュメントとして、記録映画としての本作の評価で+0.5点ってとこで。
ただギャング映画としてなら、ディパーテッドの方が先を言っていたわけで、既視感を覚える部分も。
kojiroh