『アウトレイジ 最終章』(2017年、日本)――104min
監督:北野武
脚本:北野武
音楽 鈴木慶一
出演:ビートたけし、西田敏行、大森南朋、ピエール瀧、大杉漣、松重豊、白竜、光石研、原田泰造、中村育二、津田寛治、池内博之、塩見三省、岸部一徳・・・Etc
【点数】 ★★★★★★★☆☆☆/ 7.5点
※リアルタイム映画評
久々に日本の映画館へ行きました。
世界の北野の新作を見るために…。
◎あらすじ
山王会と花菱会の一大抗争が終結し、大友は日韓に強大な影響力を持つフィクサー張会長を頼り、韓国へと渡る。ある時、花菱会の幹部・花田が滞在中の韓国でトラブルを起こし、張会長の手下を殺して日本へと逃げ帰ってしまう。これが引き金となり、張会長率いる張グループと内紛を抱えた花菱会が一触即発状態に。そんな中、いくつもの怒りを抱えた大友は手下の市川を伴い、日本へと舞い戻ってくるのだったが…。
<allcinema>
感想は、なんていうか、アウトレイジシリーズの中で、3番目に好きな作品でした。
つまり、ゴットファーザー3のような感想です。
ただ、うまく韓国と日本との関係を描けていて、特に最初の20分、JEJU島が登場する場面は思わずニヤリとしました。
北野映画に、ハングルが飛び交う町並みが。いい雰囲気で、ソナチネのような雰囲気もいい。沖縄どまりだった北野武がとうとうJEJU島まで国際化している点が。
俳優が第二の人生であるという、リアル経営者である金田の、貫禄ある雰囲気。とにかく全員、貫禄あり、ピエール瀧など新キャラクターも迫力あります。
今度は花菱の内乱みたいな話になり、前作で迫力ある演技を見せた塩見さんですが、今回は神経質な役になり、やつれた印象。
全員、なんだかんだ年とったなあという残念感が少しありました。5年の歳月ですから。
てか、やっぱまたこのオチなの?というガッカリ感があり、とにかく退廃的で、シリーズの勢いを含めて、出演者の年齢やしわの深さも含め、どんどん衰退してるなという感想です。
やっぱり、もうちょっと若い人らが活躍してくれないと、ちょっと2012年に比べて、若さが足りなすぎて、竜三と7人のコブンみたいな雰囲気が否めない。
新井や桐谷とかみたいなキャラが必要だったかなと。
今作の原田泰三の役どころも謎過ぎたし、突っ込みどころは多い。
ただ、大杉連の元証券マンの役どころは非常によかったと思います。北野組常連なので、貫禄を感じました。終わりの死に方も非常になんか、イメージするだけで痛くて怖い。
全体的に、国際化してるヤクザ経済の面が描かれてて、世界の北野の現代に対する風刺みたいな表現も感じて、決して悪くはありません。
罵倒の名台詞もあります。絵的に冴えてる表現も。
「ただの素人やないか!」
あと、「200万でどうだ?」「おまえそれウォンじゃねえだろうな、円で用意しろ」みたいなやり取りも印象的で、罵倒の中にユーモアも感じる一面もあり、よかったです。
なので、シリーズ3番目に好きな一作ということで。
Kojiroh