『シチズンフォー スノーデンの暴露』(2014年、アメリカ=ドイツ)――90点。スノーデンドキュメンタリー、管理社会への警告と


『シチズンフォー スノーデンの暴露』(2014年、アメリカ)――114min
監督:ローラ・ポイトラス
製作:ダーク・ウィルツキー、ローラ・ポイトラス、マティルド・ボヌフォア
出演:エドワード・スノーデン,グレン・グリーンウォルド、ローラ・ポイトラス、ジュリアンアサンジ・・・etc

【点数】 ★★★★★★★★★☆/ 9.0点

※リアルタイム映画評

【原題】Citizenfour

アメリカ政府のスパイ行為を告発したエドワード・スノーデンをリアルタイムで迫ったドキュメンタリー。
第87回アカデミー賞で長編ドキュメンタリー賞受賞。

劇場公開されていると知り、2013年の事件の真相を、3年を経て、目にすることができ、衝撃的だった。

○あらすじ
2013年、ドキュメンタリー映画作家であるローラ・ポイトラスに接触をしてきた者がいた。重大な機密情報を持っていると、香港でのインタビューの現場に現れたのが、元CIA職員のエドワード・スノーデンだった。スノーデンの口から語られたのはアメリカ政府によるスパイ行為の数々。世界各国の要人、さらに一般国民の電話やインターネット等をも傍受しているという驚くべき真実だった。

<映画.comより引用>

現代の情報化社会、PCやスマホを経由して人々の動きが監視されて、データが蓄積されている。わかってはいたが、ここまで具体的にプライバシーの危機が迫っているのかと、観ていて鳥肌が立つ恐怖を覚えた。2016-06-17_145722

グーグル、フェイスブック・・・名立たる企業のデータはもう政府の手の中にあり、要注意人物を過去のデータの中からすぐに探せるような時代に・・・そんな管理されたインターネットを正しい方向へ導くべく、立ち上がった29歳のエドワード・スノーデン。2016-06-17_145451

この事件の裏側で、このような動きがあったのだと、歴史が動く瞬間は全て残されていたとは。もう、製作者が無我夢中で現在進行形の革命をフィルムに納めた、という、奇跡の時間が収められている。

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香港のミラホテルでの最初の登場シーンから、釘付けになった。

端正な顔立ちで、身のこなしや話し方まで、素晴らしく洗練されていて凛々しい。29歳のこんなしっかりした若者がたった一人で決断するとは――。

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IP電話の盗聴やSDカードへの注意喚起、世界の自由のために革命を起こそうとする若者の姿が、とにかく覚悟を決めた男の姿をフィルムに残したこと自体が奇跡的な出来事だと思う。

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暗号化されたやり取り、何気ないチャットの一文一文が迫力満載だった。

何しろこれは真実であり、地下に潜った後の出来事さえも移せていることが、衝撃的だった。

優れたドキュメンタリー映画の条件として、意図しない出来事が起こり、ストーリーを揺れ動かしたり、そんな奇跡が必ずある。

ミラホテルの中でのインタビューは単なる密室での動きのない、普通なら単調になりがちなシーンだが、ファイヤーアラームの稼動が突然起きるシーンには、思わず舌を巻いてしまった。

意図的ではない、そんな偶然的な奇跡が無数起きた、歴史が動いた時間を、観客としても共有できた興奮を味わえ、映画としてもストーリーに動きがあり、単なるドキュメンタリーを超えている。

これは本当にIT管理社会の中で生きる我々が、国民全員が見るべき映画かもしれない。

 

ラストシーン、情報監視社会の中で極秘の会話(○談)をしつつ、ラストのナインインチネイルズのゴーストのエレクトリック音楽が鳴り響くエンドロールが衝撃的だった。

歴史が動く奇跡的瞬間を記録した、ドキュメンタリーの最高傑作だと思っている、『ゆきゆきて神軍』、『アンヴィル』に匹敵しうる10年に一本レベルのドキュメンタリーだと思った。

それにしても、2014年10月のこの映画が日本で公開されるのが遅すぎる。

アカデミー賞を受賞している作品なのに、政府や大きな権力を持つものにとって不都合な映画を迅速に公開しないことに何か理由を感じてしまう、・・・情報化された管理社会への警告として意味のある一本です。

kojiroh

『アイアムアヒーロー』(2015年、日本)――75点、ゾキュン映画初体験


監督:佐藤信介
脚本:野木亜紀子
原作:花沢健吾 『アイアムアヒーロー』
出演:大泉洋、有村架純、長澤まさみ、吉沢悠、岡田義徳、片瀬那奈、片桐仁、マキタスポーツ、塚地武雅、風間トオル、徳井優・・・etc

【点数】 ★★★★★★★☆☆/ 7.5点

※リアルタイム映画評

花沢健吾の大ヒット・ゾンビ漫画の映画化。

国際映画祭でも観客賞を受賞、大泉洋、有村架純、長澤まさみの豪華キャストによるゾンビパニック・アクション大作。監督は「GANTZ」「図書館戦争」シリーズの佐藤信介。

クソ映画人の推奨を受けて劇場へ足を運び鑑賞。

なかなか笑えて手に汗握れる秀逸なゾンビ映画で驚いた。

◎あらすじ
漫画家アシスタントとして最低な日々を送る35歳の鈴木英雄。ある日、徹夜仕事から帰宅した英雄は、異形の姿に変貌した恋人に襲われかける。辛くも逃げ出した英雄は、同じように異形の者が人々を次々と襲い、襲われた人間もまた異形の者へと変貌していくさまを目の当たりにする。やがてそれは“ZQN(ゾキュン)”と呼ばれ、謎の感染パニックが日本中で起きていることが分かってくる。標高が高いところは感染しないという情報を頼りに富士山を目指した英雄は、その道中で女子高生の比呂美と出会い、ひょんな成り行きから一緒に行動を共にするのだったが…。
<allcinema>

平穏な冴えないオタク漫画家の日常が、一変してサバイバルアクションへ。

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日本のゾンビ映画でこんなに本格的なものが出てきたのかと、邦画のゾンビ映画史の歴史を作ったかもしれないと思った。(筆者は邦画ゾンビ映画初体験。)

それにしても本映画はゾンビ映画好きのつぼを全部押さえたようなデキ。

噛むと感染してゆき、すぐにゾンビ化して暴走する走るゾンビもいる雰囲気は、「28日後・・・」に近い。

そうだ、本作は28日後系列のゾンビだ。
猛烈な怒りウイルスのごとく変貌して飛び掛ってくる、走ることもできる、肉体によってはジャンプすることもできる、なかなか強いゾンビである。ゾキュンか。

ストーリーの流れとしても、28日後的かもしれない。
やはり、島国の国でゾンビ映画を作るとこういう風になるかと。

ただショッピングモールの変わりにアウトレットモールが登場する場面は、『ゾンビ』を思い出して興奮した。韓国ロケによる、日本映画としては異色なゾンビスペクタクルではないか。

80%以上は原作の力だとは思うが、高校生美女と出会った冴えない引きこもりの男が、ショットガンをぶっぱなすB級エンタメ映画としての完成度は驚くほど高い。

脇役も揃っていて、名俳優たちがこぞってゾンビ映画に出演したいと思って自発的に協力したのではないかと思えるデキ。豪華である。

塚地なんかが、あんな脇役ででるんだなと。
徳井優、あと岡田義徳も。脇役の冴え方もいい。

とにかく、ニートが飛躍できる時代が来たと興奮し、2chの掲示板を頼りに動いていく様はかなり完成度の高く現代風な和製ゾンビ映画になったと。

大泉洋も、こんな汚い映画の主演をはって、はまり役になっているとは、ゾンビ映画の並が本作から再ブームになるといいなと思った次第。2016-06-02_183301

本当に主人公のダメダメさがうっとおしくもなる映画であったが、ペキンパーのわらの犬のように暴力に目覚める優しい男の狂気があるような気がして、ショットガンを構える大泉洋は、近年のアクション邦画でのベストショットかもしれない。2016-06-02_183531

ただし、やはりもっと続きがほしい、オチがもう一つ欲しいなと思った次第でした。

ただこの脚力満載のゾンビなどの描き方なんかは、今までにない感じだなあと関心しました。ロレックスの時計で笑えるシーンもあれば、タクシーのカーアクションのようなパニック要素もあり、女子高生もいて、シリアスアクションもあり、盛り沢山で、ゾンビ映画好きには一見の勝ちあり。

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本家アメリカのゾンビ映画にはその意味では叶いませんけど、邦画ゾンビ映画では最高峰ではないかな。

続編を待望したい珍しい一本・・・次は劇場までは行かない気がしますが。

kojiroh

『マネーショート 華麗なる大逆転』(2015年、アメリカ)――90点。世紀の空売りマネー映画


『マネーショート』(2015年、アメリカ)――130min
監督:アダム・マッケイ
脚本:アダム・マッケイ、チャールズ・ランドルフ
原作:マイケル・ルイス『世紀の空売り 世界経済の破綻に賭けた男たち』(文藝春秋)
出演:クリスチャン・ベール、スティーヴ・カレル、ライアン・ゴズリング、ブラッド・ピット・・・etc

【点数】 ★★★★★★★★★☆/ 9.0点

※リアルタイム映画評

The Big short

クリスチャン・ベール、ライアン・ゴズリング、スティーブ・カレル、ブラッド・ピット、豪華キャストが共演した「マネーボール」の原作者マイケル・ルイスのノンフィクション「世紀の空売り 世界経済の破綻に賭けた男たち」が映画化。

アダム・マッケイが監督、第88回アカデミー賞で作品賞、監督賞など主要部門を含む合計5部門にノミネート、脚色賞を受賞した。

Gomi投資家である筆者はこの手の金融映画が大好きなので、公開されるやいなや劇場へ足を運んだ。

◎あらすじ
05年、ニューヨーク。金融トレーダーのマイケルは、住宅ローンを含む金融商品が債務不履行に陥る危険性を銀行家や政府に訴えるが、全く相手にされない。そこで「クレジット・デフォルト・スワップ」という金融取引でウォール街を出し抜く計画を立てる。そして08年、住宅ローンの破綻に端を発する市場崩壊の兆候が表れる。
<映画Com>

マージンコールとは真逆で、金融危機で儲けた人々を描く。

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スピード感がすごい。ドキュメンタリータッチ。むしろちょっとスピード感ありすぎるかなというほど。専門用語で難しく語って詐欺のような投資をばらまくサブプライムの闇をうまく説明してくれます。

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クレイジーな人々が、みんなが楽観する相場で、本質的な分析に基づき、行動にでるシーン、そして市場が不合理にうごきつつも信念を変えずに奮闘する・・・ジョージソロスの名言が次々に思い起こされる局面が映画になったとでも形容しようか。
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個人的に本作の主役は、マーク(スティーブ・カレル)でしょう。
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全編的に神経質だが信仰的で、彼とその仲間がサブプライムの暗部をさぐっていく、そのくだりは秀逸なミステリーのような面白さがありました。

ブラットピットも存在感ありすぎてさすが。よくぞ出演してくれたなと。
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イギリスのパブでトレードするシーンなんかは貫禄ありました。

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若い2人のはしゃぎっぷり征するシーンなんかは投資の本質を突いてて印象的でした。

さて、内容の秀逸な部分ももちろんですが、全編的に音楽のセンスがよすぎる。古典的なロックからメタルまで洋楽好きにはたまりません。

エンディングに流れる、Led zeperrinのWhen the Levee Breaksなんかは劇場の迫力ある音響で、エンドロールに見れて本当に感動しました。大好きな曲なんですよね、個人的に。

それを劇場で見たので、ある種のわたしの歴史になってしまったこともあり、今回は85点です。きっとレンタルで見たら75~80点だったかなあ。

とにかく金融や投資に興味ある人は必見です。

投資家というのはこうあるべきだという姿が分かる人には分かる映画です。

それにしても、市場の逆を付くトレードっていうのは、ロックンロールなんだなあ。

kojiroh

『オデッセイ』(2015年、アメリカ)―75点、前代未聞の火星サバイバル映画


『オデッセイ』(2015年、アメリカ)――141min
監督:リドリー・スコット
脚本:ドリュー・ゴダード
原作:アンディ・ウィアー『火星の人(英語版)』(ハヤカワ文庫SF)
出演者:マット・デイモン、ジェシカ・チャステイン、クリステン・ウィグ、マイケル・ペーニャ、ショーン・ビーン、ケイト・マーラ、セバスチャン・スタン、アクセル・ヘニー、キウェテル・イジョフォー

【点数】 ★★★★★★★☆☆/ 7.5点

※リアルタイム映画評

The martin――オデッセイ。

りドリースコット監督&マッドデイモン主演、製作費1億ドルの大作。そして興行収入は6億ドル近く世界中で大ヒットしている模様。アカデミー賞も7部門受賞と評価も高い。

そんなわけで、インターステラぶりの、SF超大作を劇場にて鑑賞。

◎あらすじ
人類3度目となる火星の有人探査計画“アレス3”は、いきなり猛烈な砂嵐に見舞われ、ミッション開始早々に中止を余儀なくされる。さらに、クルーの一人で植物学者の宇宙飛行士マーク・ワトニーが、撤収作業中に折れたアンテナの直撃を受けて吹き飛ばされ行方不明に。事故の状況から生存は絶望視される中、リーダーのメリッサ・ルイスは他のクルーを守るため、ワトニーの捜索を断念して急ぎ火星から脱出する。ミッションの行方を見守っていた地球でもNASAのサンダース長官が、ワトニーの悲しい死を全世界に発表する――。ところが、ワトニーは奇跡的に命を取り留めていた。しかし、通信手段は断たれた上、次のミッション“アレス4”が火星にやってくるのは4年後。残っている食料はどんなに切り詰めても絶望的に足りない。そんな状況にもかかわらず、決して希望を失うことなく、目の前の問題を一つひとつクリアしていくワトニーだったが…。

<allcinema>

宇宙系サバイバル映画の大スペクタクルとして話題のオデッセイ。2016-03-09_134341

地球の70億人が彼の帰りを待っているというキャッチコピーだけ分かっていれば予備知識として十分だと思います。予備知識が無いほうが、いかに前代未聞の火星サバイバルゲームを攻略するかが楽しめると思います。

マッドデイモンが主演のSF大作、ゼログラヴィティ的な匂いを感じていましたが、全然違いました、もっと科学的な映画です。火星描写は間違った部分があるらしいが。

原作がいいのでしょう、さまざまなアイディア&科学を駆使して生き延びる姿は新鮮で、驚きがありました。

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黒人というかインド系のキウェルキウェテル・イジョフォーの演技が個人的には冴えていると思いました。

国際的な映画で、インド人の活躍、そして中国系アメリカ人と、祖国中国での宇宙ビジネスの発展の様子も垣間見えて、今の時代がどんなものか感じられた。

世界の優秀な頭脳が彼の生還を見守る一連の流れは非常に面白かったです。クライマックスへの進み方も、やや長いけれども、商業的な娯楽映画としては完璧なフローだったなと。

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ジェシカジャスティンってThe 知的な西洋人って顔であり、インタステラに続き、宇宙が似合う女ですね。

それにしても、『ゼログラビティ』同様、映画館で見たから迫力ありました。

宇宙映画は、暗闇と無音の恐怖を体感しやすいので、映画館でみると評価があがるなと感じる昨今。レンタルだったら、70~75点の映画だったかなと思います。

kojiroh

『ヘイトフルエイト』(2015年、アメリカ)――90点。タランティーノ真骨頂、西部劇×レザボアドッグス


『ヘイトフルエイト』(2015年、アメリカ)――167min
監督:クエンティン・タランティーノ
脚本:クエンティン・タランティーノ
音楽:エンニオ・モリコーネ
撮影:ロバート・リチャードソン
出演者:サミュエル・L・ジャクソン、カート・ラッセル、ジェニファー・ジェイソン・リー、ウォルトン・ゴギンズ、デミアン・ビチル、ティム・ロス、マイケル・マドセン、ブルース・ダーン、チャニング・テイタム

【点数】 ★★★★★★★★★☆/ 9.0点

※リアルタイム映画評

The hateful eight

新作が出ると毎回、劇場にわたしを通わせる監督・タランティーノ。
ジャンゴに続き、またまさかの西部劇。豪華キャストが集結し、アカデミー賞も3部門ノミネート、1部門受賞。88回アカデミー賞作曲賞受賞。タイトルはまさかのヘイトフルエイト。

8にずいぶんと意味を見出しているようだ、タランティーノ監督。さて、密室ミステリーと宣伝されているが、一体どんな映画なのか・・・。


◎あらすじ
雪が降りしきる中で馬を失った賞金稼ぎマーキス(サミュエル・L・ジャクソン)は、同じ稼業であるジョン(カート・ラッセル)と彼が捕らえたデイジー(ジェニファー・ジェイソン・リー)を乗せた駅馬車に同乗する。途中で保安官を名乗るクリス(ウォルトン・ゴギンズ)を拾った馬車は、猛吹雪から避難するためにミニーの紳士洋品店へ。メキシコ人の店番ボブ(デミアン・ビチル)や怪しげな絞首刑執行人オズワルド(ティム・ロス)などの存在にジョンが強い警戒心を抱く中で、事件が起こる。
<Yahoo映画より引用>

冒頭から、もはやすごい。2016-03-07_124759
雪、馬車、泥臭い男たちの汚い言葉、顔のドアップ。
タランティーノが敬愛する、セルジオレオーネの世界が現実に戻ってきた気分だった。

まさかエンニオ・モリコーネの音楽とタランティーノ監督がタッグを組んで現代に蘇ることになるなんて。

サミュエル・L・ジャクソンとカート・ラッセル、この2人のやりとり、馬車の中での、顔面ドアップな会話、派手なアクションではなく洗練された表情と会話によって展開するパターン、すぐにタランティーノの世界へ引き込まれた。2016-03-07_124826

ずばり、言葉のセンスがすごく冴えている。2016-03-07_124621

マイケルマドセン演じるジョーゲージに対して、「自分のストーリーを書いている、ああ、あんたも今登場した」・・・のような一説、問答の一字一句が冴えている。Fuck, motherfucker, bitchなどのFワードな罵倒も含めて。

冗談のような饒舌な会話と、物語を刺すような絶叫のような笑い。

あとキーになるリンカーンの手紙だが、このフラグの出し方もずば抜けている。パルプフィクションの「ブツ」に匹敵している存在感あり。

おなじみのタバコ、レッドアップルも登場するし、かつてのファンにはたまらない。2016-03-07_124647

複数の登場人物と、その各々のストーリーが交錯して全然予想できない方向へ動くこの脚本の力はやはりすごい。どう転ぶかかなり読めない。

前作ジャンゴはおもしろいが、傑作とはわたしは思わなかった。その評価は正しかったかもしれない。

ジャンゴは、この作品を取るための予行演習だったのかもしれないと。黒澤の、『影武者』と『乱』のような関係で。後者の方が優れているように。

ジャンゴの方が娯楽性の高い意味では傑作だったかもしれないが、タランティーノ自信、本作を自分の最高傑作だと語っているように、本当にやりたかったのはこっちの方なのだろう。

8作目にして、デビュー作のレザボアドッグス的なサスペンス要素と、大好きな西部劇をミックスした作品を生み出した。
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ここまで自分が敬愛する監督の要素を集めて、先代の音楽を担当したモリコーネとも仕事ができて、自分の常連俳優を豪華に使い、残酷描写もマックス。まあヒットはしない赤字映画な匂いはプンプンするが…。特に日本では、密室ミステリーとか、マーケティングずれすぎだろと腹立ちます、日本版。167分と時間は短い。海外は187分あるっぽいので。

ここまで西部劇を舞台に、連続して2本も優れた作品を出してしまったら、もはやタランティーノがマカロニウェスタン的な映画を撮ることはないかもしれない。

167分の長さを全く感じない、すごい映画であったが、やりきってしまった残念さを同時に感じた。

kojiroh

『シン・シティ 復讐の女神』(2014年、アメリカ)―70点。遅すぎた続編、時間の残酷さを感じる傑作


『シン・シティ 復讐の女神』(2014年、アメリカ)―103min
監督:ロバート・ロドリゲス、フランク・ミラー
脚本:フランク・ミラー、ロバート・ロドリゲス、ウィリアム・モナハン
原作:フランク・ミラー『A Dame to Kill For』
出演:ミッキー・ローク、ジェシカ・アルバ、ジョシュ・ブローリン、ジョゼフ・ゴードン=レヴィット、ロザリオ・ドーソン、ブルース・ウィリス、エヴァ・グリーン、パワーズ・ブース、デニス・ヘイスバート、レイ・リオッタmジェイミー・キング、クリストファー・ロイド、ジェイミー・チャン、ジェレミー・ピヴェン、クリストファー・メローニ、ジュノー・テンプル・・・etc

【点数】 ★★★★★★★☆☆☆/ 7.0点

映画革命だ!と騒がれた、2005年のシンシティ。

Sin City: A Dame to Kill For

9年ぶりの続編、新作。一部キャストは変更あるが、フランクミラーとロドリゲス監督の共同作品。予算は80億円近くかけた、ジェシカアルバに続き、豪華キャストな作品であるが・・・なんと50億以上の赤字をたたき出した失敗作であり、バッシングも厳しい。

前作のファンなのだが、筆者は劇場へ行くのを忘れてたのでレンタルで鑑賞。

◎あらすじ
場末のストリップバー“ケイディ”で踊るダンサーのナンシー。愛する者を奪われた悲しみを胸に、復讐の炎を燃やしていた。ケイディの常連客で、心優しき野獣マーヴは、そんな彼女をそっと見守り続けていた。一方、しがない私立探偵のドワイトは、自分を裏切った元恋人エヴァの魅力に抗えず、罠と気づきながらも彼女の計画に加担してしまう。そんな中、街を我が物顔で牛耳るナンシーの仇、ロアーク上院議員は、大胆不敵な流れ者のギャンブラー、ジョニーとの大勝負に興じていたが…。
<allcinema>

さて、モノクロの世界観は相変わらず、迫力あります。

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ただ、前作からあまり進化はしていないなあという所感。退化はしてないが。

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ずばり、面白いです。ミッキーロークもキャラが強くてかっこいい。

フランクミラーの台詞が前作と同様、冴えてる。この語り口はハードボイルドでしびれる。

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だが、前作とほとんどテンションは変わらない。シナリオはよくできており、エヴァグリーンと、その護衛のキャラなど楽しめるが、やはり前作とキャラが変わっていることがガッカリ。

ドワイトがジョッシュブローリンっていうのもダメ。クライブオーウェンでしょ、やっぱ。

一番は、ミホがデヴォン青木ではないこと。中国人になっててがっかりです。いや、前作を見てなかったらよかったんだけど。彼女の出産まで待てなかったのなあ。

ギャンブルシーンなど、随所に前作匹敵する冴えた演出はあるが、、

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9年という時間はちょっとあまりにも遅すぎた。

たいして進歩してないから、前作が前編で、近作が後編ってかんじですね。

でも十分に映画としては面白いです。70点ですが、前作の2~3年後でかつキャストが同じなら、80点以上の映画でした。

kojiroh

『ディパーテッド』(2006年、アメリカ)―85点、リメイク元を知らなければ超傑作クライム映画


『ディパーテッド』(2006年、アメリカ)―150min
監督:マーティン・スコセッシ
脚本:ウィリアム・モナハン
原作:オリジナル脚本(アラン・マック、フェリックス・チョン)
出演:レオナルド・ディカプリオ、マット・デイモン、ジャック・ニコルソン、マーク・ウォルバーグ、マーティン・シーン、レイ・ウィンストン、ヴェラ・ファーミガ、アレック・ボールドウィン・・・etc

【点数】 ★★★★★★★★☆/ 8.5点

第79回アカデミー賞作品賞受賞作品(外国映画のリメイク作品としては史上初)。
原題「The Departed」 =「分かたれたもの」転じて「体から離れた死者の魂」の意。

さて、数年前に見て、インファナルをあえてコピーする意味がないやんと思って、70点ぐらいの気持ちで留めておいたスコセッシ映画『ディパーテッド』。彼が始めてオスカーを取った記念作品。

ただ、昨今FBIを描いた『ブラックスキャンダル』が後悔されて、本作を思い出して鑑賞し直したら、非常によくできたリメイクかつ、演技陣も演出もキレがあって面白くて再評価するべく投稿。

◎あらすじ
 マサチューセッツ州ボストン。犯罪組織との繋がりを持つ自らの生い立ちと決別すべく警察官を志したビリー・コスティガン。一方、マフィアのボス、コステロによって育てられ、スパイとなるべく警察に送り込まれたコリン・サリバン。同じ警察学校に学んだ2人は、互いの存在を知らぬまま、共に優秀な成績で卒業する。やがて、コリンはマフィア撲滅の最前線に立つ特別捜査班に抜擢され、コステロを標的とした捜査活動に加わる。一方ビリーは、その優秀さを買われ、マフィアを内部から突き崩すべくコステロのもとへ潜入するという極秘任務を命じられるのだった。こうして、それぞれに緊張の二重生活を送るビリーとコリンだったが、ついに警察、マフィア双方ともに内通者の存在をかぎつけ、いよいよ2人は窮地に追い込まれていく…。
<allcinema>

スコセッシの描くマフィア映画の中では一番好きかな。グッドフェローズよりも個人的には傑作です。

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ディカプリオの熱演ももちろんいいが、注目すべきはジャック・ニコルソンとマークウォルバーグでしょう。

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マザーファっカーやカックサッカー等の言葉が汚いほど出る。ここまで「Fuck」に拘る理由がなんだろう、スコセッシが年配の大御所監督になればなるほどFuck映画を作っているというのが興味深い。

人間設定もアメリカ人流になっており、徹底的な合理主義の中で人間関係を広げてゆくさまが面白い。インファナルと違う映画としてみると、ものすごく面白い。

特にマッドデイモンの、泥臭い情というものがまるでなく、自分の利益をひたすら追求して狡賢く動く様がいいのだ。『アウトレイジ』でいうところの小日向と武のような。

突然始まる痛々しい暴力描写も多く、FBIという点で繋がってくるあたり、『ブラックスキャンダル』よりずっと先に描かれていただけで、元祖なのだなと。

特に、クイーナン警部の落下シーンなど、クライマックスに向けた盛り上がりは、インファナルとは違った形で展開されるが、脚色がよくできており、こちらも忘れられない印象的なシーンだ。

ヴェラファミーガの美しさも冴えており、インファナルよりも、女が1人に集約されており、その点はこの脚本はなかなかいいなと。

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***ネタバレ***

最後のどんでん返しのディグナムによりラストは、恐らくコスティガンが託したレターに意味があるのだろう。

自分の身にもしものことがあったとき、ディグナムに事の真相がすべてわたるように。

だから最後の告別式で、ビリーだけでなく、二人の男の行く末を分かっていてマドリンは悲壮な顔を浮かべていたのでは、と考えるのが妥当かなという、個人的な解釈です。

「続編は作りたくない」というスコセッシ監督が意図が合ったらしいが、インセプション的などんでん返しと、その解釈を鑑賞後に楽しめる、傑作です。もちろん、元祖インファナルの方が傑作ですが。(元祖を見た1年後ぐらいに見ると、きっと違った意味でのよさが再確認できるなと。連ちゃんして見るとコピーにしか見えなくなりがち)

kojiroh

『桐島、部活やめるってよ』(2012年、日本)―85点、10年に1本?邦画の青春傑作映画


『桐島、部活やめるってよ』(2012年、日本)―102min
監督:吉田大八
脚本:喜安浩平、吉田大八
原作:朝井リョウ『桐島、部活やめるってよ』
出演:神木隆之介、橋本愛、東出昌大、清水くるみ、山本美月、松岡茉優、落合モトキ・・・etc

【点数】 ★★★★★★★★☆/ 8.5点

ベストセラー小説を吉田大八監督で映画化した青春群像ドラマ。
その印象的なタイトルから様々な模倣を生んで話題になった小説&映画。
どうも安っぽい印象で、原作を読んだことがなく、多分あまり好きじゃないだろうなと思い敬遠していた。だが小説よりも映画が高い評価を得ていたので、重い腰を上げてレンタル鑑賞。

ずばり、非常によくできた邦画で驚いた。

陳腐な予算が多くてもしょぼい完成度の邦画が多い中で、この作品は郡を抜いている。

◎あらすじ
金曜日の放課後。バレー部ではキャプテンを務め、成績も優秀な学園の“スター”桐島が、突然退部したらしいとの噂が校内を駆け巡る。学内ヒエラルキーの頂点に君臨する桐島を巡って、バレー部の部員はもちろん、同じように“上”に属する生徒たち――いつもバスケをしながら親友である桐島の帰りを待つ菊池宏樹たち帰宅部のイケメン・グループ、桐島の恋人で校内一の美人・梨沙率いる美女グループ――にも動揺が拡がる。さらにその影響は、菊池への秘めたる想いに苦しむ吹奏楽部の沢島亜矢や、コンクールのための作品製作に奮闘する映画部の前田涼也ら、桐島とは無縁だった“下”の生徒たちにも及んでいくのだが…。
<allcinema>

ずばり、これはこのときこの瞬間しか撮れない映画を撮っている。

出演している少年少女たちの演技がどれもキレがあり、みんな独自の存在感を放っており、素晴らしいなと。
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特に橋本愛の存在感と透明な美女っぷりが冴えている。2016-02-17_200923

ベタベタな青春映画を想像していたから、意表を突かれた。

ポップな青春系エンタメ映画ではなく、しっかりとした力のある演出と演技、そして随時に見られるマニアックな演出・・・鉄男の映画鑑賞であったり、まさかのゾンビ映画マニアな前田君。

前田君を中心とした脚色が、この映画のすべての成功だなと、本当によくできている。2016-02-17_201201

ディティールまでこだわっているんすよねえ、みんあ携帯電話を持っているが、ガラケー中心。だが、冒頭の方で美女・リサだけスマホを使っていたり、演出が細かい。

音がないからこそ、演技と演出の力を問われる・・・純文芸的映画の要素と、マニアックな要素がミックスして調和していて、邦画の最高傑作と絶賛する人がいるのも分かる。だからこそ、吹奏楽部の演出が活きたり、よくできすぎ。

音楽がまったくない演出――日本では家族ゲームを思い出す雰囲気。だが、最後で激しい弾き語りの感情的な音楽が流れ、打ちのめされます。青春を叩き切るような歌声で高橋優「陽はまた昇る」・・・驚きのクライマックスシーンから、この展開は予想できませんでした。

目標や情熱がない帰宅部と部活。こうした学校の縮図は、ある意味で社会人でも同じなんだよなあと思わされたり、メッセージが強いです。原作はどうか分からないが。

青春の苦さを感じさせつつ、日本の高校って本当に閉鎖的で嫌な場所だなと感じつつ、高校時代をイヤでも思いださされる。

ともかく、原作の小説よりもはるかに評判もよく、絶賛の声をきく理由が分かりました。

これはなかなか映画に精通している人ではないと作れない映画であり、邦画の中では10年に1本ぐらいの傑作青春映画でしょう。(この手の映画は全然筆者の趣味ではないが)

kojiroh

『卵 -Yumurta- 』(2007年、トルコ)―85点。トルコ芸術映画ユスフ三部作その1 叙情的すぎる映像


『卵 Yumurta 』(2007年、トルコ)―97min
監督:セミフ・カプランオール
脚本:セミフ・カプランオール、オルチュン・コクサル
出演:ネジャット・イシュレル、サーデット・イシル・アクソイ、ウフク・バイラクタル、トゥリン・オセン・・・etc


【点数】 ★★★★★★★★☆/ 8.5点

トルコの天才監督、セミフ・カプランオールのユスフ三部作の第一作。
第二部「ミルク」に初めてしまった筆者だが、それから見直した。

◎あらすじ
イスタンブールで暮らす詩人のユスフは、母親の訃報を受けて何年も帰っていなかった故郷に戻る。古びた家ではアイラという美しい少女が待っており、ユスフはアイラが5年にわたり母の面倒を見てくれていたことを知る。アイラから聞いた母の遺言を実行するためユスフは旅に出るが、それは自身のルーツをたどる旅でもあった。
<映画.comより>

個人的に、3部作の中で最も面白かったです。
(一番、台詞も多く分かりやすい映画だからかもしれない)

ストーリーラインが明確であり、れっきとしたロードムービー、自分のルーツをたどる旅としてつながっている。2016-01-31_185701

車のシーンも、このショットなんかも絶妙なんですよねえ。

タバコ、チャイ、そして卵、すべてがつながっている。
ミルクの販売シーンであったり、バイクの2人乗りシーン。本当にすべてのシーンに明確に意味があり、後の2つの続編につながっている。

砂糖を入れてかき混ぜるチャイのシーンがなんとも言えずいい。

そして、自然美を活かした、叙情的なショットももちろん、なんといってもサーデット・イシルの美しさが際立つ。自然美と彼女の美しさがあってこそ。

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長回しが多く、台詞も多いとはいえないが、話さなくても伝わる、このホテルのパーティーでのシーンなんかも、表情も絶妙で素晴らしいと思った。

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井戸の中のユメなど、よく分からないシーンもあったが、この3部作では夢を霊的な存在としてとららえており、フラグになっている。

そして3部作すべてに言えるが、動物がすごく実は大きな役割をなしている。
羊の生贄にも意味があるが、
個人的な解釈では、最後の犬がキモ。

犬や猫は人間を守るために存在している、霊感が高い動物といわれるが、まさに最後の犬は、ユスフを正しい方向に導くために襲い掛かったのではないかと思えるほど、なんというか、ラストシーンへの架け橋としてつながっている。

ともかく、長回しも多く音楽もなく、退屈っちゃ退屈ではあるが、この映画の美しさにすごく引き込まれて、2回ぐらいみました。

ともかく、神的世界を描いた秀作です。

kojiroh

『ブラックスキャンダル Black mass』(2015年、アメリカ)―75点。伝説の犯罪王の記録・暴力映画


『ブラックスキャンダル Black mass』(2015年、アメリカ)―122min
監督:スコット・クーパー
脚本:ジェズ・バターワース、マーク・マルーク
音楽:ジャンキーXL
撮影:マサノブ・タカヤナギ
原作 ディック・レイア、ジェラード・オニール『Black Mass: The True Story of an Unholy Alliance Between the FBI and the Irish Mob』
出演:ジョニー・デップ、ジョエル・エドガートンベネディクト・カンバーバッチ、ケビン・ベーコン・・・etc

【点数】 ★★★★★★★☆☆☆/ 7.5点
※リアルタイム映画評

ジョニー・デップが、実在の伝説のギャング、ジェームズ・“ホワイティ”・バルジャーを熱演し評判を呼んだ衝撃の実録犯罪ドラマ。

共演はジョエル・エドガートン、ベネディクト・カンバーバッチ。
監督は「クレイジー・ハート」「ファーナス/訣別の朝」のスコット・クーパー。

キャッチーな予告編で面白そうだと思い、劇場で鑑賞した。

◎あらすじ
1975年、サウスボストン。アイリッシュ系ギャングのボス、ジェームズ・バルジャーは、イタリア系マフィアと激しい抗争を繰り広げていた。一方、弟のビリーは、州の有力政治家として活躍していた。そこに、バルジャーの幼なじみジョン・コノリーがFBI捜査官となって戻ってきた。折しもFBIはイタリア系マフィアの掃討を目標に掲げており、功名心にはやるコノリーは、バルジャーにある提案を持ちかける。それは、バルジャーがFBIの情報屋となり敵の情報を流す代わりに、FBIは彼の犯罪を見逃す、という驚愕の密約だったのだが…。
<allcinema>

冒頭から驚いた。いきなりの暴力。しかもドアップ。2016-02-02_214434
この撮影が独特だなと思ったら、日本人のマサノブ・タカヤナギの撮影だったことを知る。これは冴えている。

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マーケティングの関係か、ある程度キャッチーな宣伝がされているが、商業的な映画ではなく、かなりハードな内容。暴力も・・・。

基本的に、あまりにも闇が強い映画である。
だが本作のドアップの告白から始める悪い男たちの迫力はスクリーンで見ると舌を巻いた。

突然行われる、サイコパスな犯罪者・ジミー。

とにかくジミー、ジミー、ジミーである。ジョニーデップがこんな役柄をやるんだなと関心した。

ジョンコナリー演じる、ノエルの狡賢く立ち回る姿も本当に誰も彼も深い闇を持ち、悪魔が憑いているような犯罪劇をなしてゆく。あっというまに消される人々。

ともかく、犯罪王がいかにして生まれたかを、具体的に描いており、彼の家族との内面から、外面まで・・・FBIの保障プログラムなど、ギャング・警察・FBIの関係など、『ディパーテッド』を思い出す内容。

後々知るが、ディパーテッドのコステロはジミーがモデルになっていたとのこと。どうりでどこかで観たようなキャラクターだなと

ギャングとFBI。アメリカ社会のシークレット、スキャンダル。日本人が観てもしかし、いちまちピンと来ないもするが、その辺の知識がある人がみるとかなり楽しめると思う。

全般的に個人なナ関係と陰謀が渦巻き、スピード感溢れる。後半の闇に満ちたジミーの姿は、本当の迫力があり、『グッドフェローズ』のジョー・ペシに並ぶ迫力があった。特にモリスとの食事のシーンのコネタ。むしろジョーペシは実在するジミーから影響を受けたあのグッドフェローズの食事の名シーンが生まれたのかもなと思ったほど。

ともかく、グッドフェローズとディパーテッドをみた人なら、似たものを感じるはずです。

個人的に楽しめましたが、重すぎるので、映画としては70点というとこだが、伝説の犯罪王のドキュメントとして、記録映画としての本作の評価で+0.5点ってとこで。

ただギャング映画としてなら、ディパーテッドの方が先を言っていたわけで、既視感を覚える部分も。

kojiroh