『ザ・レイド』(2011年、インドネシア)―102min
監督:ギャレス・エヴァンス
脚本:ギャレス・エヴァンス
編集 ギャレス・エヴァンス
出演者:イコ・ウワイス、ヤヤン・ルヒアン etc
【点数】 ★★★★★★★★☆☆/ 8.0点
ハリウッドでも大ヒットして批評かも大絶賛の、10年に一度のアクション映画の傑作と名高い、ザ・レイド。話題で日本人出演も含めた続編も登場するとのことで、そろそろ映画人である筆者も見なきゃなと思い出してレンタルで鑑賞。
インドネシアからまさかこんなにクオリティ高いアクション映画が出てくるとわっ!!
●あらすじ
ジャカルタの麻薬王が支配する30階建ての高層ビル。ギャングに殺し屋、ドラッグの売人たちのアジトとなっているそのビルに、20人の精鋭からなるSWATチームが強制捜査に入る。しかし作戦の情報が漏えいしており、激しい銃撃戦が勃発。そんな中隊員たちは、己の肉体やさまざまな武器を駆使しながら、次から次へと襲撃してくるギャングたちと死闘を繰り広げ、麻薬王を捕獲すべく進んでいく。
<Yahoo映画より引用>
とりあえずこのスピード感、迫力はすごいです。
テロップは長単純な物語。ビルに入って出られなくなって壮大なアクションをするかんじ。無駄がなく、導入が超スムーズに、アクション地獄へと叩きこんでくれます。
インドネシア映画だからなのか、出演人の顔つきだったり、映像の質感とかも、普通の映画にはないかんじのものがあるのですごい新鮮だった。
インドネシアも多民族国家だからいろんな顔がいるなと。
単純な物語だが、この15階建ての古ぼけた犯罪ビルでの壮大なアクションはすごく面白い。今までにないようなアクション。
順調な任務から一転して絶望的な状況に転落する最初の30分はすばらしいと思います。ビルへ閉じ込められるテロップは、REC的でもあるが、同種の絶望感とスピード感で迫る危機がいいですねえ、そこからあの手この手で下の階へ脱出したり、キーマンが登場したり、さらにはこの任務に仕組まれた陰謀が絡んで、単純なアクション映画を超えてハードボイルドな内容になってます。
小道具や、ベルを激しいアップにしたり、ヒッチコック的な演出も絡めつつ、無駄に敵多すぎだけど主人公強すぎみたいなお約束なアクションが展開されます。後半は銃とかはなくなって肉体アクションです。
個人的には肉体アクションが少しだるいです。前半がよかったですね、あのスピード感と危機感が、9点です。
後半は、タイの『マッハ!!』のインドネシア版か!?とも思うほど激しい格闘技アクションは純粋にエンタメとしても楽しめましたが、全体的にはダークな世界観。インドネシアでこんな映画が作れたことが個人的には一番驚きだった。
この監督も「ザレイド」を単なるアクション映画で終わらずハードボイルドなサスペンスアクションにした技量はたいしたものだなと。
クライマックも非伝統的というか、絶対にハリウッド映画ならあんな幕切れしなそうな感じで、前半と終わり方が特にすばらしかったですね。
個人的には90分以下で終わりにしてよかったと思いますが、まあともかく今後の続編に期待したい、10年に一本と称されるのも頷ける一作でした。
kojiroh