『マージン・コール”Margin Call”』(2015年、米)―75点。金融”追証”映画


『マージン・コールMargin Call』(2015年、米)―108min
監督 J・C・チャンダー
脚本 J・C・チャンダー
出演:ケヴィン・スペイシー、ポール・ベタニー
ジェレミー・アイアンズ、ザカリー・クイント
ペン・バッジリー、サイモン・ベイカー
メアリー・マクドネル、デミ・ムーア
スタンリー・トゥッチ・・・etc

【点数】 ★★★★★★★☆☆/ 7.5点

2016年、年明けそうそう金融危機モードへと世界が展開しているので、それに関連してこの度、リーマンショックを舞台にした金融サスペンスで、以前から気になっていた、”マージンコール”を鑑賞した。

自主制作から始まり、サンダス映画祭にも上映され、アカデミー賞の脚本でもノミネート。日本での劇場公開がないのも不思議な、意外と地味な一作。

◎あらすじ
2008年、ニューヨーク・ウォール街にある投資銀行で、突然の大量解雇が発生。次々とスタッフが去っていく中、リスク管理部門の責任者エリックから「用心しろ」という言葉と共にUSBメモリを渡された部下のピーターは、そのデータを分析し、会社が大きな負債を抱えていることに気づく。上司のウィル、サムらに報告した結果、彼らは緊急役員会を招集。市場が混乱する前に、会社存続のため不良債権の処理を決断するのだが…。

<allcinema>

会社の中の、密室劇に近い、ごく狭い人間関係のみのドラマであるが、
リストラという予兆から始まる、危機モード、
そして深夜会議、重役が次々と集まり投売りが始まるその一連の仮定――合計で24hぐらいしか時間は経過してないだろうが、その金融系な緊張感が実に面白かった。

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ボラティリティ・・・迫り来る破産のとき。
そこで決断する冷酷な幹部陣、
しかし本作の重役のクールな態度はマージンコールが迫る前の、投売りのごとく、早く損切りして逃げる投資家の姿をかなりうまく描写しているようで、暴落するであろう相場の”損切り”を見る意味で、なかなか秀逸な作品かもしれない。

それでも、金が必要なのだ――各々、マネーの名言を発する。

それにしても最初に自主制作から始まった映画にしては、やたら出演人が豪華でびっくりする。ケヴィンスペイシーがいいですね、やはり。

本作の扱う題材、メッセージ性に惹かれてこんな豪華な俳優が出演したのかな?

ともかく、リーマン系の金融映画なら必見の一本でしょう。

Kojiroh

『第9地区』(2009年、米)―80点。新鋭SFエイリアン映画


監督:ニール・ブロムカンプ
脚本:ニール・ブロムカンプ、テリー・タッチェル
出演者:シャールト・コプリー、デヴィッド・ジェームズ、ジェイソン・コープ、ヴァネッサ・ハイウッド etc

【点数】 ★★★★★★★★☆☆/ 8.0点

ちょっと前に、泊まっているビジネスホテルの無料レンタルコーナーの中にセレクトされてたので鑑賞。

コアな映画レビュアーも絶賛する、SF映画『第九地区』

本作で有名になった、ニール・ブロムカンプ監督の長編デビュー作。『クローバーフィールド』などクソSF映画を愛好している筆者としては、なんで今まで見てなかったのかと思うほど、傑作だった。

◎あらすじ
南アフリカ・ヨハネスブルグ上空に正体不明の巨大宇宙船が現われ、そのままとどまってしまう。しかし、エイリアンは襲撃に来たわけではなく、宇宙船の故障で漂着しただけだった。追い返すことも出来ず、やむを得ず彼らを難民として受入れることに。それから20数年後。共同居住区“第9地区”はいまやスラムと化し、地域住民の不満は爆発寸前に。そこで超国家機関MNUは、エイリアンたちを新たな難民キャンプへ強制移住させることを決定。プロジェクトの最高責任者に抜擢されたエイリアン対策課のヴィカスは、さっそく彼らの住居を訪問し、立ち退きの通達をして廻る。ところがその最中に、不注意から謎の液体を浴びてしまうヴィカスだったが…。

<Allcinemaより引用>

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まず構成がいいです。

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ドキュメンタリータッチで、クローバーフィールド的であるが、巨大なエイリアンストーリーを、ドキュメンタリータッチで引き込み、気付いたら、ドキュメンタリー要素がなくなり、ゾンビ映画的な感染、そこからの脱出系なストーリーになっており、まあとにかく脚本が良くできてます。

『エイリアン』にも似ている造詣の、PRAWN型エイリアンのデザインも個人的には好きだった。

ベタな軍事利用を企む組織の巨大な陰謀という流れを組み込み、大作アメリカクソ映画の要素をふんだんに盛り込みつつ、非常に低予算ながら迫力の大作SF映画になっているなと。

最後まで敵キャラがしぶとかったり、お約束満載ながらも、ヨハネスブルグを舞台にしたオリジナリティ高い世界観・・・完成度が高いので、SF好きは必見ですけね。

しかし出演者もほとんどが無名俳優らしい。そうとは思えないほど、主演のコプリーの演技は鬼気迫るものがあり、いい。2015-12-14_172906

3000万アメリカドルにしては、かなりの傑作だなと。大金も稼いだので、続編にも期待したいところ。

kojiroh

『Jackie & Ryan(原題)』(2015年、米)―55点。デキの悪いインサイドルーウィンデイヴィス

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『Jackie & Ryan(原題)』(2015年、米)―90min
監督:アミ・カナーン・マン
脚本:アミ・カナーン・マン
出演:キャサリン・ハイグル、ベン・バーンズ、クレア・デュヴァル、エミリー・アリン・リンド、シェリル・リー・ラルフィ・・・etc

【点数】 ★★★★★☆☆☆/ 5.5点

ジャッキー&ライアン。
日本では未公開の、ミニシアター的な映画を、キャセイパシフィックの中でたまたま鑑賞したので、感想をば。

国際映画祭にもノミネートされた、英国の女性監督、アミ・カナーン・マンの監督脚本作品。

◎あらすじ
元カントリー歌手でシングルマザーのジャッキーと、ギターひとつで街から街へ旅をするフォーク・シンガーのライアンとの恋愛映画…。

さて、ぶっちゃけ、そんなに中身がある映画ではありません。

雰囲気的には、路上演奏で稼ぎならしけた旅生活をするライアンのBusking Lifeみたいな話。インサイドルーウィンデイビスの現代版みたいな。

しかし傑作であるコーエン兄弟のデイビスに比べると、劣化版としかいいようがない。

なんだろうな、これは脚本が悪い。設定もいまいち。

シングルマザーとフォークシンガーっていう設定、なんだろうなぁ、とにかく2人の恋愛には映画的なときめきはあまり感じないし、ロマンチックでもない。現代のアメリカの訴訟社会を描いた部分もあるが。高い保険とか。

本作はアミ監督の脚本&監督であり、このワンマンがいけなかったんじゃないかなあ、ストーリーに驚きやひねりをかんじない。

だがイケメンのベンバーンズのしけた旅生活には哀愁と、寒い中、貧しい旅生活で自由と音楽を見出そうともがく若者像の描写は、伝わってくるものがありました。
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Buskingですねえ、デジタル社会だからこそ、こういうアナログな活動にスポットを当てているのはいいなあと。
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個人的に筆者もBuskerなので、本作のコンセプトっていうか、世界観には共感できましたが、これに共感できる人って少数派なんじゃないかな?

まあ、金の匂いがまったくしない系の映画だったので、恐らく日本で公開されることはない気がしてます。DVD出るぐらいでしょうか。

今後、アミ監督はワンマン脚本はしない方がいいなという感想でした。

kojiroh

『ジュラシックワールド』(2015年、米)―65点。みんな大好き恐竜映画、健在。


『ジュラシックワールド』(2015年、米)―128min
監督:コリン・トレボロウ
脚本:リック・ジャッファ、アマンダ・シルヴァー、コリン・トレボロウ、デレク・コノリー
原案:リック・ジャッファ、アマンダ・シルヴァー
原作:マイケル・クライトン (キャラクター原案)
出演:クリス・プラット、ブライス・ダラス・ハワード、ジュディ・グリア、ローレン・ラプクス、ジェイク・ジョンソン、ヴィンセント・ドノフリオ・・etc

【点数】 ★★★★★★☆☆☆/ 6.5点

今年目玉のクソ映画!!スペクタクル。
制作費1.5億ドルで、大ヒットを記録している、スティーブン・スピルバーグ監督によるメガヒット作「ジュラシック・パーク」のシリーズ4作目。14年ぶりの新作で、スピルバーグ製作総指揮。

背景はよくわからないが、飛行機の中で発見して鑑賞した。

◎あらすじ
事故の起こった「ジュラシック・パーク」にかわり、新たにオープンした「ジュラシック・ワールド」では、ジャイロスフィアという球体の乗り物でめぐる恐竜見学や、モササウルスの水中ショーなどで人気を博していた。さらなる人気を獲得したい責任者のクレアは、飼育係オーウェンの警告も聞かず、遺伝子操作により、凶暴で高い知性をもった新種の恐竜インドミナス・レックスを作り出すが……。

さて、やってきました。リアル・ディノクライシスという感じでしょうか。

新種の生物兵器が大暴れしてくれて、お約束な展開の連続ですが、野生を見方にした主人公が奮闘します。もう最高、クソ映画要素ばかりで。

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主人公とラプトルの友情なんかは、見ててベタだが面白いですねえ。

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しかし科学者の美女と、その親戚の子供が遊びに来て事件に巻き込まれるとか、色々とできすぎてて、いかにもアメリカンクソ映画って感じです。

しかし、多種多様な恐竜が登場し、本当に迫力満点でした。
ジャイロスフィアなど小道具もよくできてるなと。2015-11-24_153108

ビジネスとして投資していた人のヘリが落下してしまうシーンなんか、投資家の死があまりにかわいそうでした。いや、てか投資家があんな勇敢に出陣しねえだろwと、本当に色々と突っ込みどころ満載でした。

最終的に盛大にジュラシックワールドが崩壊してゆく、その流れが緊張感満載で、楽しめました。オチもベタベタですが。

だが注目すべきは、フルメタルジャケットで有名な、ヴィンセント・ドノフリオの役どころですかね。彼はいつも汚れ役だが存在感見せてくれる。生物兵器利用を企む野心、そしてラプトルとの最後のオチはベタベタですが、笑いました。

ほんと、リアルディノクライシスのスリルとベタベタに死んでいく人ばかりで笑えました。これぞクソ映画!!映画館行く価値ありますね。

世界中でヒットしていることを見ると、ジュラシックパーク映画ビジネスはまだまだ投資としても未来は明るいなと思った次第です。

kojiroh

『カリフォルニアダウン』(2015年、米)―70点。大震災パニック系クソ映画


『カリフォルニアダウン』(2015年、米)―114min
監督:ブラッド・ペイトン
脚本:アラン・ローブ、カールトン・キューズ
ケイリー・ヘイズ、チャド・ヘイズ
アンドレ・ファブリツィオ、ジェレミー・パスモア
出演:ドウェイン・ジョンソン、カーラ・グギーノ、アレクサンドラ・ダダリオ、ポール・ジアマッティ・・・etc

【点数】 ★★★★★★★☆☆☆/ 7.0点

San andreas――原題、その地層の大震災スペクタクル映画がやってきた!!

「ワイルド・スピード」シリーズのドウェイン・ジョンソンが主演、巨大地震と津波による未曽有の被害から人々を救う超大作!!

クソ映画の匂いがぷんぷするが、飛行機の中であったので、手軽にさくっと2時間で鑑賞。

◎あらすじ
米カリフォルニア州の太平洋岸に1300キロにわたってのびるサン・アンドレアス断層が横ずれし、巨大地震を引き起こした。ロサンゼルス、サンフランシスコ、ラスベガスと大都市が相次いで壊滅するなか、ヘリコプターを使った高度上空での任務を専門とするレスキュー隊員が、愛する娘と被害にあった人々を救うため駆けめぐる。
<映画.comより>

スピーディーな展開で、レスキュー隊員とその家族をすくう話が基点となってえががれる。2015-10-30_1845312015-10-30_184747

しかし離婚予定の奥さんが不動産王と再婚するなど、なかなかめちゃくちゃな無理やりストーリーです。考えてみると。

美人の娘さんが、イギリスから就活に来た青年と助け合って脱出するシーンなんかも、まあ色々と笑うどころは多くて面白かったです。それにしてもいまどきはイギリスからアメリカへ出稼ぎ行く時代なんですねえ、本作は迫力よりも、その社会背景が面白かった。

そいえば教授の相方も、キムパク教授と、韓国人。

だが近年、ドナルドトランプのような不動産王が活躍しているアメリカにおいて、その崩壊を描くような大地震が襲来するというテーマそれ自体がなかなか興味深かった。

SFXで描かれた、震災シーンはなかなか見ものです。
東日本大震災どころの話ではない、こんな地震がアメリカに来るのか――しかし、昨今はシェールガスで、地震を誘発する説などがあったり、ある種の原題のアメリカ人の不安がこの映画にはあり、共感を呼んでいるのかもしれない。

 

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家族の絆と、危機化での出会い・・・一緒に共に協力して切り抜けて愛を深めたっ!感動したっ!!的なべたべたなクソ映画で楽しかったです。

余談ながら、乱気流でゆれまくる飛行機の中で鑑賞したので、無駄に迫力あり、スリル満点でした。揺れるって怖いですねえ、本当に。

kojiroh

『スティーブ・ジョブズ』(2013年、米)―75点。死後だからこそ描ける?秀逸起業映画


『スティーブ・ジョブズ』(2013年、米)―122min
監督:ジョシュア・マイケル・スターン
脚本:マット・ホワイトレイ
出演:アシュトン・カッチャー、ジョシュ・ギャッド、アーナ・オライリー、ダーモット・マローニー、マシュー・モディーン、J・K・シモンズ、ルーカス・ハース

【点数】 ★★★★★★★☆☆/ 7.5点

2011年、56歳の若さでこの世を去ったアップル創業者スティーブ・ジョブズの波瀾万丈の人生の伝記ドラマ。

2年前の作品だが、レンタル屋で目に付き、今更ながら鑑賞。

◎あらすじ
大学を中退しゲームメーカーに就職したスティーブ・ジョブズは、たびたびトラブルを引き起こす厄介者だった。1976年、そんなジョブズは、自分と同じようなはみ出し者の友人たちを集めて“アップルコンピュータ”を設立する。その後アップル社はヒット商品を連発、わずか4年で株式の上場に成功する。しかし彼の独裁的な経営は多くの敵をつくり、ついには自分の会社から追い出されるという皮肉な結果を招いてしまうが…。
<allcinema>

さて、非常にスピーディーな展開で、無駄がなく、よくできていると感じた。
起業系の映画の中ではかなり秀逸な方じゃないかな?
とにかくスピード感が素晴らしい。
ねちっこい人間関係も含めて無駄なく描く。

ウルフオブウォールストリートもそうだが、最初30分の、ガレージからの起業シーン――アメリカンドリームな起業ドラマに非常に興奮した。

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個性豊かな仲間たちと、起業、出資者、そして一気に栄光へと駆け抜けるっ!

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しかし起業物語以上に、独裁者としてのスティーブジョブズの姿を赤裸々に描いていることが素晴らしいなと思った。

日本企業顔負けのパワハラのごとく社員をクビにする、完ぺき主義、理想主義者のジョブズの暴走をここまで描いていることが、彼の死後だからこそなのか、けっして彼を肯定した描いていない部分に、本作の魅力を感じる。

独裁者としてのカリスマ性を熱演しており、権力闘争から、人間としてクズの部分を前面に押し出し、会社から追放されるシーンに至るスピード感はいいですね。本当に。

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経営者にはサイコパスが多いとよく言われるが、まさにそれを象徴するかのような人物、スティーブジョブズ。天才だが、狂人。モラルがなく、障碍者スペースに駐車するシーンなどのディティールもいい。

ただ、スピード感を優先したのか、少し説明不足になっているのが残念なところ。

もっと、アイポッドではなく、アイフォンから、死に至るまでを見ていたかった。

人間としてのジョブズを嫌いになる要素満載ですが、起業系ドラマ好きには必須の秀逸な起業映画かなと思いました。

Stay foolish・・・彼だからたまたま成功できたってだけなんだろう、きっと。本当に彼の成功法則には再現性がないなとただただ思わされる。

kojiroh

『インサイド・ルーウィン・デイヴィス 名もなき男の歌』(2013年、米)―85点。カンヌグランプリ・コーエン兄弟監督最新作


『インサイド・ルーウィン・デイヴィス 名もなき男の歌』(2013年、米)―104min
監督:ジョエル・コーエン、イーサン・コーエン
脚本:ジョエル・コーエン、イーサン・コーエン
出演:オスカー・アイザック、キャリー・マリガン、ジョン・グッドマン、ギャレット・ヘドランド、ジャスティン・ティンバーレイク etc

【点数】 ★★★★★★★★☆/ 8.5点

第66回カンヌ国際映画祭で審査員特別グランプリを獲得し、第86回アカデミー賞には撮影賞と録音賞にノミネートされた、コーエン兄弟の最新作。

ニューヨーク・グリニッジ・ヴィレッジのフォーク・シーンで活躍したデイヴ・ヴァン・ロンクをモデルに描く音楽ドラマ。

◎あらすじ
1961年、ニューヨークのグリニッジ・ヴィレッジ。音楽に対してだけは頑固で、それ以外のことにはまるで無頓着なしがないフォーク・シンガーのルーウィン・デイヴィス。金も家もなく、知人の家を転々とするその日暮らしの日々を送っていた。そんなある日、泊めてもらった家の飼い猫が逃げ出してしまい、成り行きから猫を抱えたまま行動するハメに。おまけに、手を出した友人の彼女からは妊娠したと責められる始末。たまらず、ギターと猫を抱えてニューヨークから逃げ出すルーウィンだったが…。

<allcinema>

ずばり、音楽好きなら堪らない傑作です。

音楽映画というカテゴリで見ると、ここ10年ぐらいでも最高峰じゃないか?

ルーウィンデイビス――彼の存在に、最初からひきつけられる。

特に秀逸なのが、猫ですね。猫映画のカテゴリでも、最高峰じゃない?こんなに猫をモチーフに、もはや重要な助演として猫がくる映画は初めて。

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この主人公は、一言でいうと、音楽しかできないクズ。
人の家を転々としてあげくには女を妊娠させたり、しかし生きるのに必死で、そんな主人公の駄目っぷりが、コミカルなんだが、現実の音楽シーンのつらさも感じさせて、ささるものがある。

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オスカーアイザックのヒゲづらの、不器用なシンガーの姿は本当に、最後は他人事とは思えないものがあった。どんな世界にも、才能あっても不器用でもがいて荒む、彼のような姿には共感性がある。

「金の匂いがまるでしない」と切り捨てられるシーンが、個人的にはかなりいい。

60年代のアメリカの世界観の再現もいい。ギブソンを弾きながらレコーディングする光景も、古臭いフォークやカントリー、レコード。最後までなぞのままのルーウィンの相棒など・・物語の構成、も秀逸ですね。

ルーウィンだけでなく、日常の不安や悩み、徒然なることをフォーク、歌に乗せる人々の姿は心を打つものがあった。

冒頭のシーンが最後に引き継がれるラストは個人的にはかなり好きだ。

そんなわけで、カンヌグランプリが納得の音楽映画でした。

だがやはり、なんといっても猫ですね、最初から最後まで。

kojiroh

『マチェーテ・キルズ』(2013年、米)―45点。クソ映画化が加速したマチェーテ続編


『マチェーテ・キルズ』(2013年、米)―108min
監督:ロバート・ロドリゲス
脚本:カイル・ウォード
原案:ロバート・ロドリゲス、マルセル・ロドリゲス
原作:キャラクター創造 アルバロ・ロドリゲス
出演:ダニー・トレホ、ミシェル・ロドリゲス、ソフィア・ベルガラ、アンバー・ハード
アントニオ・バンデラス、キューバ・グッディング・ジュニア、ウォルトン・ゴギンズ
ウィリアム・サドラー、デミアン・ビチル、メル・ギブソン etc

【点数】 ★★★★☆☆☆☆☆/ 4.5点

「グラインドハウス」内のフェイク予告編から映画化を成し、前作は豪華キャストを集めて成功した、B級バイオレンス・アクションの続編。

主演、ダニー・トレホ、映画初出演となるレディー・ガガ、ミシェル・ロドリゲス、アントニオ・バンデラス、ジェシカ・アルバ、メル・ギブソン、カルロス・エステベスという超豪華共演で描き出す。

評判微妙だったので劇場ではなくレンタルで鑑賞したのだが・・・。

◎あらすじ
ある日、マチェーテのもとにアメリカ大統領から直々の依頼が来る。内容はメキシコのイカれた男“マッドマン”を抹殺してほしいというもの。しかし、マッドマンの心臓はワシントンに狙いを定めたミサイルと連動しており、心臓が止まると発射される仕組みになっていた。それを解除できるのは、世界一の武器商人ヴォズだけ。そのため、マッドマンを生きたままアメリカに連れて行くことに。しかし、そんなマチェーテとマッドマンを、懸賞金目当ての連中が次々と襲いかかってくる。

<allcinema>

クソ映画過ぎてビックリした。

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大統領と世界滅亡への巨大な陰謀からはじまり、もはや宇宙かいっ!!w

メキシカンなノリで、ミッシェルロドリゲス姉さんは好きだし、トレホの動きが硬いが無敵っぷりなマチェーテの存在感は独特でキャラクターは面白いが・・・、

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この役がレディーガガである意味ナシ。くそ配役もいいとこです。なんで本人出演オファーOKしたんやろ?

おっぱいマシンガン。これやりたいだけの、ネタやろ、これ。ぜんぜん強くないザコキャラだし。

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はっきりいって、これだけいい面子を集めて、これだけクソでつまらない映画を作ってしまったなんて・・・歴史の残る、俳優の浪費じゃないかなと。

レディーガガだぜ?
メルギブソンだぜ?

こんだけの豪華キャストをよくここまで浪費したなと。日本で言うと、「IZO」みたいな。

退屈な上にクソ過ぎて笑えて来ましたが、ある意味ですごい俳優の浪費なので、友達と一緒にネタで見るにはいいかもね。

とりあえず、この映画の続編がこれ以上作られることはないだろうと断言せざるをえないレベルのクソ映画でした。ああ、映画館で見なくてよかった。

kojiroh

『ターミネーター:新起動/ジェニシス』(2015年、米)―80点。ターミネーターシリーズの正真正銘の新起動


『ターミネーター:新起動/ジェニシス』(2015年、米)―126min
監督:アラン・テイラー
原作:Characters by (ジェームズ・キャメロン、ゲイル・アン・ハード)
出演:アーノルド・シュワルツェネッガー、ジェイソン・クラーク、エミリア・クラーク、ジェイ・コートニー、J・K・シモンズ、ダイオ・オケニイ、マット・スミス、コートニー・B・ヴァンス、イ・ビョンホン etc

【点数】 ★★★★★★★★☆☆/ 8.0点

※リアルタイム映画評

Terminator Genisys

友人と一緒に株主優待券を使って映画を見に行こうとなり、迫力あり予算も沢山使っている系の超大作見ようという展開になり、前評判もなかなかよく、ジェームスキャメロンも絶賛しているターミネーターの最新作を見ることにした。

●あらすじ
 2029年、機械軍との壮絶な戦いを繰り広げていた人類は、抵抗軍のリーダー、ジョン・コナーの活躍により劣勢を挽回、ついに勝利を手にしようとしていた。追い詰められた機械軍は、ジョンが存在した事実そのものを消し去るため、殺人サイボーグ、ターミネーターを1984年に送り込み、ジョンの母サラ・コナーの抹殺を図る。これを阻止するため、抵抗軍側はジョン・コナーの右腕カイル・リースが自ら志願して過去へ向う。ところが1984年に辿り着いたカイルは、いきなり新型ターミネーターT-1000に襲われる。その窮地を救ったのは、タフな女戦士サラ・コナーと敵のはずのターミネーターT-800だった。実はこの世界は、既にカイルの知る過去とは別のタイムラインを進んでいたのだった。
<allcinema>

さて、ずばり、ぜんぜん期待してなかったのでビックリした。

面白いやん!これ!!
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中学生のころ、ターミネーター2にはまって、エアガンとか買って友人とサバゲーしたりしてたので、このT1000の復活は思わずニヤリ。2015-07-16_210228

なぜ韓国のイビョンホンなのかは謎すぎる。
が、これはこれでそれなりにハマっているかなと。

どこかこの、アジョシ的なおじさんと、それに育てられた娘って設定はデジャブだが、ターミネーターがついにその領域に入ったかなと、これは名案だなと。

それにしてもスピード感があってよかった。映画館でみるには最適。

大スペクタクルアクションの連続であった。

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敵が無敵すぎて興ざめなところがあったが、お約束な展開も多数あるが、初めから終わりまで、退屈することなく見れました。

てか、本作はとにかく、アイディアがすばらしいなと。

これはキャメロンの知恵なのだろうが。タイムとラベルを交錯させて、現代に近い2017年へ繋がるくだりは素晴らしいアイディアなと、個人的には意表を突かれた。しかし矛盾は感じない流れで、これこそ正当な「三作目だ!」とキャメロンがうなるのも納得。

さて政治家になってしまってすっかり迫力ないかなと思われるアーノルドシュワルツネッガーだが、いい。オールドタイプのターミネーターT800だが、いい。

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人間らしくなっており、演技も渋さと声の彼ぐらいも深みを感じる。

クリントイーストウッド的な渋さが出てきて、いい。
しゃがれてしまった声がいいのだ。
古いファンだからついつい、ラストの展開には涙が潤んできた。
「・・・My sarah Coner」

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個人的にはヒーローとヒロインがイマイチではあった。

主演の2人は特に美男美女でもなく、何で選ばれたかよくわからない、初期のリンダとマイケルビーンの2人の方がよかったが、まあ現代っぽいポップさはあるか。

しかし冒頭の展開から、過去の焼き直し的なものかと思って全然期待していなかったので、地味に感動してしまった。

最近のハリウッド映画のスペクタクルとしての迫力もさることながら、ジェネシスという存在と審判の日を結びつけるかんじが、高度ネット社会の現代と、スマホや管理下社会への痛烈な風刺も感じさせられ、やはり大衆娯楽映画ながら、現代社会を表現しているメッセージ性が個人的にはかなり楽しめた。

200億円かかってない程度の制作費ながら、なかなか秀逸なターミネーター最新作だった。きっと大ヒットして、続編もどんどんできるだろう。

ただ本作がかなりデキがよく感じるので、これ以上のクオリティは期待できないかなあという感想です。

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『ミッション:8ミニッツ』(2011年、アメリカ)―80点。新鋭監督による新感覚サスペンス


『ミッション:8ミニッツ』(2011年、アメリカ)―93min
監督:ダンカン・ジョーンズ
脚本:ベン・リプリー
出演:ジェイク・ギレンホール、ミシェル・モナハン、ヴェラ・ファーミガ、ジェフリー・ライト。 etc

【点数】 ★★★★★★★★☆☆/ 8.0点

原題: Source Code

デビュー作「月に囚われた男」で注目を集めたダンカン・ジョーンズ監督のサスペンス・アクション。彼はデビットボウイの息子で、かつ映画で評判がいいということで、気になっていたがすっかり見るのを忘れていたミッション8ミニッツをやっとこさレンタルで鑑賞。

●あらすじ
列車の中で目を覚ましたコルター・スティーヴンスは、見知らぬ女性から親しげに話しかけられ当惑する。ほどなく列車内で大爆発が起きる。再び意識を取り戻すと、そこは軍の研究室の中。彼が体験したのは乗客全員が死亡したシカゴ郊外での列車爆破事件直前8分間の犠牲者の意識の世界だった。それは、次なる犯行予告の時間が迫る中、軍の特殊プログラムによって死亡した乗客の意識に入り込み、列車内を捜索して犯人を特定しようとする極秘ミッションだった。大役を任されたコルターだったが、列車内にとどまれるのはわずか8分。そのため何度も意識を8分前に戻しては爆破の恐怖に耐えながら、徐々に犯人へと迫っていく。しかし同じ8分間を繰り返すうち、そこで出会った女性クリスティーナに特別な感情が芽生えてしまうコルターだったが…。
<allcinema>

ジェイクギレンホールドが深い顔つきでキレのある演技を見せてくれます。
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何度も繰り返す8分間、緊張感もスリルも満載。
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脇役の演技もなかなか渋く、とにかく脚本がよくできていますね。
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所管、1時間半以内でさくっと見れる映画の中ではかなり完成度が高くて面白いっ!

ずばり、タイムとラベル的な要素を含みつつ、探偵のごとく8分間の中で問題解決するという脚本アイディアが秀逸であるのだが、無駄なくサクサク進んでゆき、本人自身の謎も迫ってくる流れにわくわくした。

メメント的でもあるが、本作のほうがより娯楽映画としてはよくできているなと思った。

とにかく、このパラレルワールドの過去を行き来して問題解決するという比較的スケールが大きそうなテーマを90分で収めて痛快なサスペンスドラマにした点が非常に完成度が高いと感じる。

類似な映画として、バタフライエフェクトやオールニードイズキルがあるが、本作はそのスマートさとスピード感では最も秀逸かもしれない。

父親の頭脳と才能は、子供にも引き継がれるものなのだなと納得。きっと娯楽系サスペンスアクションとしては傑作としてここ10年は残るであろう一作でした。

kojiroh