『シン・シティ 復讐の女神』(2014年、アメリカ)―70点。遅すぎた続編、時間の残酷さを感じる傑作


『シン・シティ 復讐の女神』(2014年、アメリカ)―103min
監督:ロバート・ロドリゲス、フランク・ミラー
脚本:フランク・ミラー、ロバート・ロドリゲス、ウィリアム・モナハン
原作:フランク・ミラー『A Dame to Kill For』
出演:ミッキー・ローク、ジェシカ・アルバ、ジョシュ・ブローリン、ジョゼフ・ゴードン=レヴィット、ロザリオ・ドーソン、ブルース・ウィリス、エヴァ・グリーン、パワーズ・ブース、デニス・ヘイスバート、レイ・リオッタmジェイミー・キング、クリストファー・ロイド、ジェイミー・チャン、ジェレミー・ピヴェン、クリストファー・メローニ、ジュノー・テンプル・・・etc

【点数】 ★★★★★★★☆☆☆/ 7.0点

映画革命だ!と騒がれた、2005年のシンシティ。

Sin City: A Dame to Kill For

9年ぶりの続編、新作。一部キャストは変更あるが、フランクミラーとロドリゲス監督の共同作品。予算は80億円近くかけた、ジェシカアルバに続き、豪華キャストな作品であるが・・・なんと50億以上の赤字をたたき出した失敗作であり、バッシングも厳しい。

前作のファンなのだが、筆者は劇場へ行くのを忘れてたのでレンタルで鑑賞。

◎あらすじ
場末のストリップバー“ケイディ”で踊るダンサーのナンシー。愛する者を奪われた悲しみを胸に、復讐の炎を燃やしていた。ケイディの常連客で、心優しき野獣マーヴは、そんな彼女をそっと見守り続けていた。一方、しがない私立探偵のドワイトは、自分を裏切った元恋人エヴァの魅力に抗えず、罠と気づきながらも彼女の計画に加担してしまう。そんな中、街を我が物顔で牛耳るナンシーの仇、ロアーク上院議員は、大胆不敵な流れ者のギャンブラー、ジョニーとの大勝負に興じていたが…。
<allcinema>

さて、モノクロの世界観は相変わらず、迫力あります。

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ただ、前作からあまり進化はしていないなあという所感。退化はしてないが。

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ずばり、面白いです。ミッキーロークもキャラが強くてかっこいい。

フランクミラーの台詞が前作と同様、冴えてる。この語り口はハードボイルドでしびれる。

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だが、前作とほとんどテンションは変わらない。シナリオはよくできており、エヴァグリーンと、その護衛のキャラなど楽しめるが、やはり前作とキャラが変わっていることがガッカリ。

ドワイトがジョッシュブローリンっていうのもダメ。クライブオーウェンでしょ、やっぱ。

一番は、ミホがデヴォン青木ではないこと。中国人になっててがっかりです。いや、前作を見てなかったらよかったんだけど。彼女の出産まで待てなかったのなあ。

ギャンブルシーンなど、随所に前作匹敵する冴えた演出はあるが、、

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9年という時間はちょっとあまりにも遅すぎた。

たいして進歩してないから、前作が前編で、近作が後編ってかんじですね。

でも十分に映画としては面白いです。70点ですが、前作の2~3年後でかつキャストが同じなら、80点以上の映画でした。

kojiroh

『ディパーテッド』(2006年、アメリカ)―85点、リメイク元を知らなければ超傑作クライム映画


『ディパーテッド』(2006年、アメリカ)―150min
監督:マーティン・スコセッシ
脚本:ウィリアム・モナハン
原作:オリジナル脚本(アラン・マック、フェリックス・チョン)
出演:レオナルド・ディカプリオ、マット・デイモン、ジャック・ニコルソン、マーク・ウォルバーグ、マーティン・シーン、レイ・ウィンストン、ヴェラ・ファーミガ、アレック・ボールドウィン・・・etc

【点数】 ★★★★★★★★☆/ 8.5点

第79回アカデミー賞作品賞受賞作品(外国映画のリメイク作品としては史上初)。
原題「The Departed」 =「分かたれたもの」転じて「体から離れた死者の魂」の意。

さて、数年前に見て、インファナルをあえてコピーする意味がないやんと思って、70点ぐらいの気持ちで留めておいたスコセッシ映画『ディパーテッド』。彼が始めてオスカーを取った記念作品。

ただ、昨今FBIを描いた『ブラックスキャンダル』が後悔されて、本作を思い出して鑑賞し直したら、非常によくできたリメイクかつ、演技陣も演出もキレがあって面白くて再評価するべく投稿。

◎あらすじ
 マサチューセッツ州ボストン。犯罪組織との繋がりを持つ自らの生い立ちと決別すべく警察官を志したビリー・コスティガン。一方、マフィアのボス、コステロによって育てられ、スパイとなるべく警察に送り込まれたコリン・サリバン。同じ警察学校に学んだ2人は、互いの存在を知らぬまま、共に優秀な成績で卒業する。やがて、コリンはマフィア撲滅の最前線に立つ特別捜査班に抜擢され、コステロを標的とした捜査活動に加わる。一方ビリーは、その優秀さを買われ、マフィアを内部から突き崩すべくコステロのもとへ潜入するという極秘任務を命じられるのだった。こうして、それぞれに緊張の二重生活を送るビリーとコリンだったが、ついに警察、マフィア双方ともに内通者の存在をかぎつけ、いよいよ2人は窮地に追い込まれていく…。
<allcinema>

スコセッシの描くマフィア映画の中では一番好きかな。グッドフェローズよりも個人的には傑作です。

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ディカプリオの熱演ももちろんいいが、注目すべきはジャック・ニコルソンとマークウォルバーグでしょう。

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マザーファっカーやカックサッカー等の言葉が汚いほど出る。ここまで「Fuck」に拘る理由がなんだろう、スコセッシが年配の大御所監督になればなるほどFuck映画を作っているというのが興味深い。

人間設定もアメリカ人流になっており、徹底的な合理主義の中で人間関係を広げてゆくさまが面白い。インファナルと違う映画としてみると、ものすごく面白い。

特にマッドデイモンの、泥臭い情というものがまるでなく、自分の利益をひたすら追求して狡賢く動く様がいいのだ。『アウトレイジ』でいうところの小日向と武のような。

突然始まる痛々しい暴力描写も多く、FBIという点で繋がってくるあたり、『ブラックスキャンダル』よりずっと先に描かれていただけで、元祖なのだなと。

特に、クイーナン警部の落下シーンなど、クライマックスに向けた盛り上がりは、インファナルとは違った形で展開されるが、脚色がよくできており、こちらも忘れられない印象的なシーンだ。

ヴェラファミーガの美しさも冴えており、インファナルよりも、女が1人に集約されており、その点はこの脚本はなかなかいいなと。

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***ネタバレ***

最後のどんでん返しのディグナムによりラストは、恐らくコスティガンが託したレターに意味があるのだろう。

自分の身にもしものことがあったとき、ディグナムに事の真相がすべてわたるように。

だから最後の告別式で、ビリーだけでなく、二人の男の行く末を分かっていてマドリンは悲壮な顔を浮かべていたのでは、と考えるのが妥当かなという、個人的な解釈です。

「続編は作りたくない」というスコセッシ監督が意図が合ったらしいが、インセプション的などんでん返しと、その解釈を鑑賞後に楽しめる、傑作です。もちろん、元祖インファナルの方が傑作ですが。(元祖を見た1年後ぐらいに見ると、きっと違った意味でのよさが再確認できるなと。連ちゃんして見るとコピーにしか見えなくなりがち)

kojiroh

『ブラックスキャンダル Black mass』(2015年、アメリカ)―75点。伝説の犯罪王の記録・暴力映画


『ブラックスキャンダル Black mass』(2015年、アメリカ)―122min
監督:スコット・クーパー
脚本:ジェズ・バターワース、マーク・マルーク
音楽:ジャンキーXL
撮影:マサノブ・タカヤナギ
原作 ディック・レイア、ジェラード・オニール『Black Mass: The True Story of an Unholy Alliance Between the FBI and the Irish Mob』
出演:ジョニー・デップ、ジョエル・エドガートンベネディクト・カンバーバッチ、ケビン・ベーコン・・・etc

【点数】 ★★★★★★★☆☆☆/ 7.5点
※リアルタイム映画評

ジョニー・デップが、実在の伝説のギャング、ジェームズ・“ホワイティ”・バルジャーを熱演し評判を呼んだ衝撃の実録犯罪ドラマ。

共演はジョエル・エドガートン、ベネディクト・カンバーバッチ。
監督は「クレイジー・ハート」「ファーナス/訣別の朝」のスコット・クーパー。

キャッチーな予告編で面白そうだと思い、劇場で鑑賞した。

◎あらすじ
1975年、サウスボストン。アイリッシュ系ギャングのボス、ジェームズ・バルジャーは、イタリア系マフィアと激しい抗争を繰り広げていた。一方、弟のビリーは、州の有力政治家として活躍していた。そこに、バルジャーの幼なじみジョン・コノリーがFBI捜査官となって戻ってきた。折しもFBIはイタリア系マフィアの掃討を目標に掲げており、功名心にはやるコノリーは、バルジャーにある提案を持ちかける。それは、バルジャーがFBIの情報屋となり敵の情報を流す代わりに、FBIは彼の犯罪を見逃す、という驚愕の密約だったのだが…。
<allcinema>

冒頭から驚いた。いきなりの暴力。しかもドアップ。2016-02-02_214434
この撮影が独特だなと思ったら、日本人のマサノブ・タカヤナギの撮影だったことを知る。これは冴えている。

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マーケティングの関係か、ある程度キャッチーな宣伝がされているが、商業的な映画ではなく、かなりハードな内容。暴力も・・・。

基本的に、あまりにも闇が強い映画である。
だが本作のドアップの告白から始める悪い男たちの迫力はスクリーンで見ると舌を巻いた。

突然行われる、サイコパスな犯罪者・ジミー。

とにかくジミー、ジミー、ジミーである。ジョニーデップがこんな役柄をやるんだなと関心した。

ジョンコナリー演じる、ノエルの狡賢く立ち回る姿も本当に誰も彼も深い闇を持ち、悪魔が憑いているような犯罪劇をなしてゆく。あっというまに消される人々。

ともかく、犯罪王がいかにして生まれたかを、具体的に描いており、彼の家族との内面から、外面まで・・・FBIの保障プログラムなど、ギャング・警察・FBIの関係など、『ディパーテッド』を思い出す内容。

後々知るが、ディパーテッドのコステロはジミーがモデルになっていたとのこと。どうりでどこかで観たようなキャラクターだなと

ギャングとFBI。アメリカ社会のシークレット、スキャンダル。日本人が観てもしかし、いちまちピンと来ないもするが、その辺の知識がある人がみるとかなり楽しめると思う。

全般的に個人なナ関係と陰謀が渦巻き、スピード感溢れる。後半の闇に満ちたジミーの姿は、本当の迫力があり、『グッドフェローズ』のジョー・ペシに並ぶ迫力があった。特にモリスとの食事のシーンのコネタ。むしろジョーペシは実在するジミーから影響を受けたあのグッドフェローズの食事の名シーンが生まれたのかもなと思ったほど。

ともかく、グッドフェローズとディパーテッドをみた人なら、似たものを感じるはずです。

個人的に楽しめましたが、重すぎるので、映画としては70点というとこだが、伝説の犯罪王のドキュメントとして、記録映画としての本作の評価で+0.5点ってとこで。

ただギャング映画としてなら、ディパーテッドの方が先を言っていたわけで、既視感を覚える部分も。

kojiroh

『ブラッド・ダイアモンド』(2006年、アメリカ)―75点。社会派スペクタクル・TIA&ダイヤモンドビジネス


『ブラッドダイアモンド』(2006年、アメリカ)―143min
監督:エドワード・ズウィック
脚本:チャールズ・リーヴィット
出演:レオナルド・ディカプリオ、ジャイモン・フンスー、ジェニファー・コネリー・・・etc

【点数】 ★★★★★★★☆☆/ 8.0点

2006年の作品。
監督は「ラスト サムライ」のエドワード・ズウィック。
アカデミー賞に5部門ノミネート。

レオナルド・ディカプリオ主演。アフリカのシエラレオネ共和国での内戦(1991年 – 2002年)を描いた、ダイヤモンド業界の暗部に光を当てた大作。

◎あらすじ
激しい内戦が続く90年代のアフリカ、シエラレオネ。愛する家族とつましくも満ち足りた生活を送る漁師ソロモン。しかしある日、反政府軍RUFが襲撃、ソロモンは家族と引き離され、ダイヤモンド採掘場で強制労働を強いられる。そんな中、彼は大粒のピンク・ダイヤを発見、その直後に起きた政府軍による来襲の混乱に紛れてダイヤを秘密の場所に隠すのだった。一方、ダイヤの密輸に手を染める元傭兵ダニーはある時、密輸に失敗し投獄される羽目に。すると、その刑務所にはソロモンも収容されていた。そして、彼が巨大ピンク・ダイヤを見つけ隠していることを耳にしたダニーは釈放後、ソロモンも出所させ、家族捜しに協力する代わりにダイヤの隠し場所を明かすよう迫る。また、アメリカ人女性ジャーナリスト、マディーに対しても、彼女が追っている武装組織の資金源“ブラッド・ダイヤモンド”の実態に関する情報をエサに、自分たちへの協力を取り付ける。こうして3人は、それぞれの思惑を胸に、ピンク・ダイヤを目指す危険な道へと進んで行くのだが…。
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ダニー・アーチャー、ソロモン、マディー。3人の熱演が光る。

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制作費1億ドルの大作。
その割には多くの社会問題がちりばめられ、メッセージ性の高い作品で驚いた。ダイヤビジネスの陰謀から、裏切り、偽善的なジャーナリズムも含め、最後までどう転ぶか読めない展開で、サスペンスアクションとして非常によくできていた。

ダイヤであったり、金に目がくらむようなものが、人間を闇へと誘っていく・・・その象徴としてのアフリカのダイアモンド。裏にある供給量を絞って価格を吊り上げる的なビジネス面も垣間見れて、興味深かった。

TIA―This is Africa

助演のジャイモン・フンスーの演技が特に光るが、みんないい。

それにしても、レオナルドディカプリオという俳優は、近年の重要な映画に驚くほど沢山出演しているなと。この2006年はディパーテッドで演技の新境地を見せたこともあり、記念すべき転換期だったのかもしれない。

タイタニックから始まり、アビエイター、インセプション、ウルフオブウォールストリート、ジャンゴ・・・レオ様はダーティーな役を演じ始めてからよくなった気がする。

さて、テーマ的な社会性や重さもあって、あまりもてはやされることもない一作だが、『ホテルルワンダ』に並んで、アフリカ系社会映画として再評価されるべき一作だと思いました。

kojiroh

『エリジウム』(2013年、アメリカ)―70点、第9地区に次ぐ、格差社会近未来SF


『エリジウム』(2013年、アメリカ)―102min
監督:ニール・ブロムカンプ
脚本:ニール・ブロムカンプ
出演:マット・デイモン、ジョディ・フォスター、シャールト・コプリー、ヴァグネル・モーラ、アリシー・ブラガ・・・etc

【点数】 ★★★★★★★☆☆☆/ 7.0点

『第九地区』で素晴らしいデビューをした、鬼才二ール・プロムカンプ監督による、1億1500万ドルの制作費をかけて、豪華キャストで映画化された一作。

絶賛する人とクソ映画だという人で分かれる作品、はたして筆者は・・・。

◎あらすじ
2154年。人口増加と環境破壊で荒廃が進む地球。その一方、一握りの富裕層だけは、400キロ上空に浮かぶスペース・コロニー“エリジウム”で何不自由ない暮らしを送っていた。そこには、どんな病気も一瞬で完治する特殊な医療ポッドがあり、美しく健康な人生を謳歌することが出来た。そんなエリジウムを頭上に臨みながら地上で暮らす男マックスは、ロボットの組み立て工場で過酷な労働に従事していた。ある時彼は、工場で事故に遭い、余命5日と宣告されてしまう。生き延びるためにはエリジウムで治療する以外に道はない。そこでマックスはレジスタンス組織と接触し、決死の覚悟でエリジウムへの潜入を図る。ところが、そんな彼の前に、一切の密入国を冷酷非情に取り締まる女防衛長官デラコートが立ちはだかる。
<allcinema>

百年以上後の未来。
世界全体がインドのようになったしまった近未来。
ロボットに管理される人間社会。
経費としてしか考えられない人命、富裕層に重要な株価・・・エンタメ映画であるが、第九地区に続き、メッセージ性感じて、個人的には楽しめました。

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前作で主人公ビンスを演じたシャールト・コプリーが、今回は悪役へ・・・なかなかいい味だしてたなと。ブロムカンブ監督との名コンビっぷりを感じる。
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こんな役どころでジョディーフォスターとか、豪華すぎて驚きました。ブロムカンプもすっかり巨匠っすね。
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これだけ予算をかけた娯楽映画であるが、メッセージ性が強い部分を筆者は評価したい。

・誰しも1つの使命を持って生まれてくる
・万能医療が確立した富裕層エリアがある近未来=高額医療社会であるアメリカの格差社会の象徴
・超格差社会をインドのような底辺社会の人間が革命を起こす

つまり、SF映画という枠を当して、アフリカ出身のブロムカンプ監督は、痛烈な皮肉としてメッセージを発信している点が、個人的に評価過ぎべき、見るべき映画として考えることができる。

冒頭からお告げのようなささやきをする女性、インドのような社会で荒んでゆく主人公、非人道的な労働と犯罪、ロボットによって管理される中でも、追い込まれて最後の挑戦でエリジウムへ――こうしたフローはメッセージ性があり秀逸だなと。

ある種、人類への警告としての映画とも見れて、時代はこのマットデイモンのような救世主が必要なのかもしれない。

ただ、完成度や奇抜な発想などの面で、『第9地区』には及びませんが、見る価値ある一作だと思いました。

kojiroh

『コンスタンティン』(2005年、米=独)―85点。オカルトサスペンスアクション傑作


『コンスタンティン』(2005年、米=独)―121min
監督:フランシス・ローレンス
脚本:ケヴィン・ブロドビン、フランク・A・カペロ
原作:ジェイミー・デラノ、ガース・エニス
出演:キアヌ・リーブス、レイチェル・ワイズ・・・etc
【点数】 ★★★★★★★★☆/ 8.5点

昨今、オカルト思想にはまっている筆者は、霊的世界を表現した映画を見ることにした。

さて、「マトリックス」のキアヌ・リーヴス主演のオカルト・サスペンス・アクション。監督は当時新人のフランシス・ローレンス。

◎あらすじ
異界に属する者を見分けることができる特殊な能力を持つ孤独な男、コンスタンティン。彼はその能力を使い、人間界に侵食しようとする悪を退治し地獄へと送り返すため戦い続けていた。一方、ロサンジェルス市警の女刑事アンジェラは、双子の妹イザベルが謎の飛び降り自殺を遂げた事実を受け入れることが出来ず、真相を究明しようと独自の調査を始めていた。やがて、アンジェラはコンスタンティンに接触を図る。世界の異変を敏感に感じ取っていたコンスタンティンは、アンジェラの話が関係していると思い、イザベルの自殺の謎を解くため一緒に行動を開始するのだが…。
<allcinema>

ずばり、普通のサスペンス映画として見ても、かなり面白かった。

エクソシストの派手なアクション映画、のような。

霊能力者と悪魔と、その巨大な陰謀を追う、的な。
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ずばり、これはかなり現実世界と違った異世界系の描写もあり、純粋に面白いだけでなく、天国と地獄、輪廻転生の描写など、キリスト教の世界を描いていて、すごい映画だと思った。

細かい描写で見所が多い。

・霊的能力の高い「猫」
・すべての世界とつながる「水」
・硫黄の匂いがする、霊
・自殺と大罪=地獄行き
・輪廻転生、自己犠牲サクリファイによる魂の昇華

他にも色々とあるが、日本ではヒットしなそうだが、キリスト教的な宗教社会を的確に描いており、スペクタクルアクションの要素もありつつ、さまざまな示唆があり、ある意味で本作は奇跡的な一作だなと。

ジョン・コンスタンティン――そこから始まる世界と魂の救済の物語であり、タバコと肺がん、さまざまな闇と葛藤しつつ、光の方向へ向うキアヌ・リーブスの透明感ある存在感が素敵でした。

救世主シャーマンとしてのキアヌ、自暴自棄になりつつ戦う彼のダークヒーロー感がいい。

マトリックスより、こちらの方が筆者は好きです。

現在、ドラマも始まったようで、未定であるが、コンスタンティン2にも期待したいところ。

kojiroh

『マージン・コール”Margin Call”』(2015年、米)―75点。金融”追証”映画


『マージン・コールMargin Call』(2015年、米)―108min
監督 J・C・チャンダー
脚本 J・C・チャンダー
出演:ケヴィン・スペイシー、ポール・ベタニー
ジェレミー・アイアンズ、ザカリー・クイント
ペン・バッジリー、サイモン・ベイカー
メアリー・マクドネル、デミ・ムーア
スタンリー・トゥッチ・・・etc

【点数】 ★★★★★★★☆☆/ 7.5点

2016年、年明けそうそう金融危機モードへと世界が展開しているので、それに関連してこの度、リーマンショックを舞台にした金融サスペンスで、以前から気になっていた、”マージンコール”を鑑賞した。

自主制作から始まり、サンダス映画祭にも上映され、アカデミー賞の脚本でもノミネート。日本での劇場公開がないのも不思議な、意外と地味な一作。

◎あらすじ
2008年、ニューヨーク・ウォール街にある投資銀行で、突然の大量解雇が発生。次々とスタッフが去っていく中、リスク管理部門の責任者エリックから「用心しろ」という言葉と共にUSBメモリを渡された部下のピーターは、そのデータを分析し、会社が大きな負債を抱えていることに気づく。上司のウィル、サムらに報告した結果、彼らは緊急役員会を招集。市場が混乱する前に、会社存続のため不良債権の処理を決断するのだが…。

<allcinema>

会社の中の、密室劇に近い、ごく狭い人間関係のみのドラマであるが、
リストラという予兆から始まる、危機モード、
そして深夜会議、重役が次々と集まり投売りが始まるその一連の仮定――合計で24hぐらいしか時間は経過してないだろうが、その金融系な緊張感が実に面白かった。

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ボラティリティ・・・迫り来る破産のとき。
そこで決断する冷酷な幹部陣、
しかし本作の重役のクールな態度はマージンコールが迫る前の、投売りのごとく、早く損切りして逃げる投資家の姿をかなりうまく描写しているようで、暴落するであろう相場の”損切り”を見る意味で、なかなか秀逸な作品かもしれない。

それでも、金が必要なのだ――各々、マネーの名言を発する。

それにしても最初に自主制作から始まった映画にしては、やたら出演人が豪華でびっくりする。ケヴィンスペイシーがいいですね、やはり。

本作の扱う題材、メッセージ性に惹かれてこんな豪華な俳優が出演したのかな?

ともかく、リーマン系の金融映画なら必見の一本でしょう。

Kojiroh