『ハングオーバー!!! 最後の反省会』(2013年、アメリカ)―65点。普通のアメリカンバカコメデになったハングオーバー最終章


『ハングオーバー!!! 最後の反省会』(2013年、アメリカ)―100min
監督:トッド・フィリップス
脚本:トッド・フィリップス、クレイグ・メイジン
出演:ブラッドレイ・クーパー、エド・ヘルムズ、ザック・ガリフィアナキス、ケン・チョン etc

【点数】 ★★★★★★☆☆☆/ 6.5点

夜な夜な無性にクソみたいな映画が見たくなってツタヤを徘徊していて発見したのがハングオーバー3。

バンコクが舞台で劣化した前作で、このシリーズは終わったのかと思っていたが、最終章・・・どうせクソなんだろうなと思って鑑賞した。

●あらすじ
問題児アランの奇行は止まるところを知らず、ついに父親がショックのあまり他界。もはや面倒を見きれなくなった義兄のダグは、フィルとステュに手伝ってもらい、アランを施設へ収容することに。ところが、その道中で大物ギャングのマーシャルに襲われる。マーシャルはダグを人質に取り、助けてほしければ金を盗んだチャウを捜し出せと命じる。なんで自分たちがといぶかるフィルたちだったが、アランの携帯にはしっかりとチャウからのメールが。またもやアランのせいでトラブルを背負い込むハメになったフィルとステュ。ダグを助け出すため、やむなく3人でチャウの行方を追うのだったが…。
<allcinemaより引用>
さて、ラスベガスが舞台だったハングオーバー第一作から、バンコクへ舞台を移して、やや無茶ある設定とお約束な展開の焼き直しで劣化気味なハングオーバー。

もうこれ以上ないだろと思っていたが、あるならどうせ焼き直しみたいな形での完結編のPART3かと思っていた。
一体、次はどこ? 香港マカオ?プラハ?・・・そんなことを考えて知識0で、クソだろうと思ってみたのだが、今回はお約束な謎解きの展開というより、ハングオーバーシリーズの流れを引き継いだサスペンスコメディになってて意外と面白かった。

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ああ、そう来ましたかという。
まあパロディ映画みたいな感じっすね。

お約束な展開が最初から始まり、ショーシャンクか!とツッコみたくなる脱走劇から始まり、キリンのクビチョンパはアメリカ風なアホさだが、個人的にはかなり笑えました。

なので、ハングオーバーシリーズのキャラで、「ダッカーとデイル~」みたいな最高にツイてない奴等の奮闘コメディが展開されるみたいなノリ。

個人的にはかなりツボで、NINのハートを情緒豊かに歌っていたり、ベガスのゴールドショップの出来事など、なんだか本作のノリは前作よりも意外性があって面白かった。

まあ、典型的なアメリカンジョーク聞きまくりなオバカコメディなんですが、深夜に馬鹿なノリでさくっと見るには悪くない一品でした。

うーん、やはり特にHurtの引用ですね、キモは。完全に個人的な趣味ですが。それ以外は特に言うことはありません。

kojiroh

『イコライザー』(2014年、アメリカ)―70点。アメリカ最新のプロパガンダ映画


『イコライザー』(2014年、アメリカ)―132min
監督:アントワーン・フークア
脚本:リチャード・ウェンク
原作:キャラクター創造マイケル・スローン、リチャード・リンドハイム
音楽:ハリー・グレッグソン=ウィリアムズ
出演:デンゼル・ワシントン、マートン・ソーカス、クロエ・グレース・モレッツ、デヴィッド・ハーバー(英語版) etc

【点数】 ★★★★★★★☆☆☆/ 7.0点

デンゼル・ワシントンとアントワーン・フークア監督が再びタッグを組み、80年代後半のカルトTVシリーズ「ザ・シークレット・ハンター」を映画化したクライム・アクション。共演は「キック・アス」「モールス」のクロエ・グレース・モレッツ。

超B級映画の雰囲気満載だが、予告編を見ていると面白そうだしクチコミの評判もいいのでネットでレンタルして干渉。

●あらすじ
ホームセンターの真面目な従業員、ロバート・マッコール。かつては、CIAの凄腕エージェントだった彼だが、引退した今は、自らの過去を消して静かな生活を送っていた。そんなある日、行きつけのカフェで知り合った少女娼婦テリーが、ロシアン・マフィアから残酷な扱いを受けていることを知る。見過ごすことが出来ず、ついに封印していた正義の怒りが爆発するマッコール。単身で敵のアジトに乗り込むや、悪党どもをあっという間に退治してしまう。これに危機感を抱いたロシアン・マフィア側は、すぐさま最強の殺し屋を送り込んでくるのだったが…。
<allcinema>

とりあえず、この映画はトレーラーが一番面白かった。
本作のできもまあまあだけど、予告編以上の面白さはないですね。

だがとにかくアメリカンチックな雰囲気が楽しめる。
深夜の喫茶店と読書と、娼婦。平凡なホームセンターの日常。
実は彼はスーパーマンだった!
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時計でカウントしつつ、スローモーションでイコライズするシーンの緊張感はすごい。

そこにトレントレズナーのような音楽が流れて、カッケーなと思っちゃいました。BGMとヴィジュアルイメージはかなり秀逸。

でも最初の1時間ですかね、面白かったのは。あとは主人公が強すぎて、わりと興ざめする部分がありました。娼婦のクロエちゃんもあんま登場してこないし・・・。

しかしキックアスの少女だったグロエちゃんがもうこんな娼婦役できるまで大人になったことが意外と驚き。

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いかにもいまどきのハリウッドアクションっぽくて、ナウさがあって、こういう映画を見るのは悪くないなと思った。

近い路線では『処刑人』シリーズみたいなとこかな。見ていてとにかく痛快。善悪がはっきりしているので。無駄に主人公が最強すぎるし。

だがロシアVSアメリカの構造が垣間見える映画として、たとえば「ソルト」とか。流行のアメリカとロシアがバトってる映画って、結構なプロパガンタだったりする。

今回、アメリカ側の昔の人間が無敵な感じで残虐非道なロシアをぶっつぶしちゃう感じなので、相変わらず現状の米露関係は悪いんだろうなと。

ロシア人をぶっ殺せ!!みたいな。

逆に今はCIAが人材削減で色んなとこから撤退しているし、CIAだったスノーデンは二重スパイだったくさいし、アメリカの覇権はロシアに馬鹿にされている現状を感じるが、この映画ではやはりCIA最強ってノリっすね。元CIAだけど。現在が駄目だから、過去のCIA職員を活躍させてるのかな?・・・色んな政治的な意図を考えさせられます。

むしろアメリカからロシアを撤退させようとする意図みたいなものかなあ。

しかし、個人的にはあまりに強すぎる主人公が、最後は残忍非道に思えてくる。
映画としての雰囲気はすごくいいけど、強さの設定が滅茶苦茶だなと。

ある種の特殊能力者が、普通の人間をずたずたにしちゃうところが、偽善的でもあり、イコライザーはヒーローでもなんでもなく、もはや大量殺人犯ですかね。アメリカンスナイパーと同じく。

ただ完全に英雄のヒーローものである本作とはスタンスが逆ですが、アメリカンスナイパーと並んで、最新のアメリカのトレンドを知るにはいい映画かもしれない。

kojiroh

『ジュピター』(2015年、アメリカ)―40点。超大作映画詐欺のような2015年No.1クソ映画


『ジュピター』(2014年、アメリカ)―127min
監督:ラナ・ウォシャウスキー、アンディ・ウォシャウスキー
脚本:ラナ・ウォシャウスキー、アンディ・ウォシャウスキー
製作:グラント・ヒル、ラナ・ウォシャウスキー、アンディ・ウォシャウスキー
出演者:チャニング・テイタム、ミラ・クニス etc

【点数】 ★★★★☆☆☆☆☆☆/ 4.0点

*リアルタイム映画批評。

「マトリックス」のアンディ&ラナ・ウォシャウスキー姉弟によるSFアクション大作。
制作費200億ちかい、SFの革命と煽られた一作。
チャニング・テイタム、ミラ・クニス。

知り合いが株主優待券でタダで見れるから行きましょうよと言われて劇場へ足を運んだが・・・お客さんが少なくガラガラで鑑賞前から少し嫌なフラグを感じる。

●あらすじ
宇宙最大の王朝に支配されている地球。家政婦として働くジュピターは、何者かに襲われたことをきっかけに、自身がその王朝の王族であることを知る。王朝ではバレム、タイタス、カリークというアブラサクス家の3兄妹が権力争いを繰り広げており、それぞれが自身の目的のためジュピターを狙っていた。ジュピターは、遺伝子操作で戦うために生み出された戦士ケイン・ワイズに助けられながら、アブラサクスの野望から地球を守るために戦いに身を投じていく。

<映画.comより>

単刀直入に、つまんなすぎてびっくりしました(笑
映画館がガラガラな理由も納得。
こんな映画に1.7億米ドルの制作費とか、意味不明です。
インターステラーより金かけたのに、それよりはるかにつまらないとは・・・才能とは枯渇するものだなと感じました。

陳腐な恋愛劇とシンデレラストーリー。
支離滅裂なラストへの展開。もうダメダメですね。
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こんな映画に200億円ってなぞ。
いったい、何にそんな使ったの?
巨額の制作費を横領したんじゃないかと映画詐欺を疑うレベルの出来栄え。

てか脚本がもう矛盾多すぎて、ありえねえだろこの展開(笑)と、笑うしかない感じ。
最初の1時間はまだまともだったが、宇宙へ行ってからがもうぐだぐだ。

書くことないですね、ほんと。
悪役のエディ・レッドメインが唯一よかったことぐらいかなあ。

しかし取って付けたような「こんな人生もう嫌」的な台詞、複線にもなってないような、もう脚本がとにかく駄目過ぎました。
ヒーローとヒロインの存在感も中途半端だし。

同じ劇場でやってるアメリカンスナイパーをもう一度見た方が間違いなく満足度が高かったと思います。

自腹で見てないので40点。もし自腹なら20点ぐらいでしたw

・・・どうやらアメリカでは制作費を回収できない自体の模様。
制作の利益率でみるとアメリカンスナイパーを見習った方がいいですね、W姉弟。

kojiroh

『アメリカン・スナイパー』(2014年、アメリカ)―80点。イーストウッド最大のヒット戦争映画


『アメリカン・スナイパー』(2014年、アメリカ)―132min
監督:クリント・イーストウッド
脚本:ジェイソン・ホール(英語版)
原作:クリス・カイル『ネイビー・シールズ最強の狙撃手』(原書房)
撮影 トム・スターン
出演者:ブラッドリー・クーパー、シエナ・ミラーetc

【点数】 ★★★★★★★★☆☆/ 8.0点

※リアルタイム映画評

84歳になる世界の巨匠、クリントイーストウッドの最新作にして、戦争映画史上最大のヒット作を作った!

プライベートライアンを超える、史上最大の戦争ヒット作にして、イーストウッドの最高傑作といわれ、ある有名な映画サイトでは100点満点。とにかくみんな絶賛のアメリカンスナイパー。

ミーハーなわたしは劇場へ足を運ぶ。
高すぎる前評判と混雑する劇場に、少し嫌な予感はしつつも。

◎あらすじ
米海軍特殊部隊ネイビー・シールズの隊員クリス・カイルは、イラク戦争の際、その狙撃の腕前で多くの仲間を救い、「レジェンド」の異名をとる。しかし、同時にその存在は敵にも広く知られることとなり、クリスの首には懸賞金がかけられ、命を狙われる。数多くの敵兵の命を奪いながらも、遠く離れたアメリカにいる妻子に対して、良き夫であり良き父でありたいと願うクリスは、そのジレンマに苦しみながら、2003年から09年の間に4度にわたるイラク遠征を経験。過酷な戦場を生き延び妻子のもとへ帰還した後も、ぬぐえない心の傷に苦しむことになる。

<映画.comより>

さて、結論――傑作は傑作だが、イーストウッドの最高傑作でもなければ、史上最高の戦争映画でもない。

雰囲気はすごくいい。
わかりやすくて、ドキュメンタリーのように早いテンポで物語が進む。主演の男優と女優も両方良い味だしていて、個人の生い立ちから現在までを、特徴的に早いテンポで描くのは、イーストウッドならではですね。ミリオンダラーベイビー思い出しました。

無駄なく短いカットでしっかり物語を進めるスピード感は、グラントリノを思い出した。

だが本作は、イーストウッドの力というのもあるが、脚本のよさもあるでしょう。さて、しかしこの映画が反アメリカ的かそうでないかみたいな観点で、本作はすばらしい映画だという主張があるが、どうだろう、監督の力以上に、本作はこの実話ベースの脚本の力が上回っている気がする。2015-03-12_103751

クリス・カイルという人物のサクセスストーリーというか、戦場までへの道のりを描いた部分の構成はさすがイーストウッドと唸るリズムとテンポだった。

戦場シーンはどうだろう、スナイプシーンの緊張感と迫力は、ハートロッカーの爆弾解体シーンに匹敵するかもしれないが、ディティール重視というよりも、単純明快な部分も多く、エンタメ監督としてのイーストウッドらしい。

だが冒頭のスナイパーシーンは歴史に残る名場面かもしれない。手榴弾と子供と女、迫る判断。この2~3分の、吐息が聞こえるようなスナイパーシーンは素晴らしい。

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だがはっきりいって、戦争絶賛+アメリカ自画自賛なイラク映画『ハートロッカー』の方がディティールが細かく、本作よりも戦争映画として上を行ってる気がした(メッセージ性は置いといて)

本作のメッセージは何か?
反アメリカ? 反イラク戦争? 反スナイパー?軍隊?

本作は戦場に取り付かれて狂って行く軍人の行く末を描いた。
その人物をどちらかというと否定的に描いてはいるものの、
祖国を守るために戦うことが正しいか?
大量殺戮者=英雄か?
チャップリンの殺人狂時代のようなテーマも内包している。

本作がハートロッカーと違うのは、どちらかというとイラクもアメリカも殺戮の英雄も否定的に描いていることだろうか。(だからいってハートロッカーほど面白くはなかったが・・・)

しかしそのメッセージ性はイーストウッド監督によるものではなく、クリスカイルの人生そのものが示しているだけで、監督としてはわりと中立的に淡々と描いている印象で、うーん、どうだろう、これはイーストウッド84歳の集大成というか最高到達点とはとても思えなかった。ミリオンダラーやグラントリノの方が監督作品として素晴らしいと思った結論でした。

それにしても、劇場の客層の悪さにわたしはびっくりした。

エンドロールが無音になって流れてるのに、おしゃべりしだすは席を離れてごそごそするは、動物園状態。
ぜんぜん余韻に浸れない。隣のカップルはこれからのデートの予定のおしゃべり。
しかし「この映画、もう一回見たい、ラストの意味を考えたい」みたいな発言をしていて、なんというか観客の程度の低さを感じた。

だが、おかげで気づいた。
この映画はミーハーな人でも、「深い映画を見た」気分にさせる。
イーストウッドのシンプルで明快なキレのいい演出、あたかも深く、戦争と平和、家族、陳腐なテーマを昨今、ISISの危機が迫るような、漠然とした不安を抱える現代2015年にはぴったりな映画だったのではないか。

ラストのシーンも、大人の事情とかもあり、意図的ではなく、偶然そうなっただけという気もする。確かにこの映画は発表時期などいろいろと考えて完璧なタイミングで運が味方することでヒットしただけの気がする(個人的には)

本作はイーストウッドの最新作であるだけで、最高傑作なんかではない。
むしろ同じ戦争ものなら『硫黄島の手紙』の方がわたしは傑作だと思う。

だが本作は、分かりやすく深い雰囲気を持った娯楽要素もある戦争映画であり、大スペクタクルというほどの規模やディティールではないが、もっとも利益率の高い戦争映画として歴史に名を刻んだだろう。

早撮りで予算を比較的押さえ、利益率が高いイーストウッド監督の仕事は本当に偉大だなと、84歳にして、きっと100歳まで生きて図太く映画作るんだろうなと感じた。

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商業的、時代的にみると100点満点の映画じゃないでしょうか。

映画としては78点ぐらいですね、個人的には。見る価値は大いにあると思いますが。

Kojiroh

『ゴーンガール』(2014年、アメリカ)―85点。アメリカン・サイコパス映画@フィンチャ―監督

『ゴーンガール』(2014年、アメリカ)―169min
監督:デヴィッド・フィンチャー
脚本:ギリアン・フリン
原作:ギリアン・フリン『ゴーン・ガール(英語版)』
音楽 トレント・レズナー&アッティカス・ロス
出演:ベン・アフレック、ロザムンド・パイク、ニール・パトリック・ハリス etc

【点数】 ★★★★★★★★☆/ 8.5点

※リアルタイム映画評

鬼才デビッド・フィンチャー監督、ドラゴンタトゥーの女以来の新作!!しかも、ギリアン・フリンの全米ベストセラー小説の映画化。
「アルゴ」のベン・アフレック主演。音楽を、「ソーシャル・ネットワーク」「ドラゴン・タトゥーの女」でもタッグを組んだNINのトレント・レズナーと、同バンドのプロデューサーでもあるアティカス・ロス。

最高のチームで、最高の原作を映画化ってわけで、こりゃ見ないわけには行きません。

●あらすじ
幸福な夫婦生活を送っていたニックとエイミー。しかし、結婚5周年の記念日にエイミーが失踪し、自宅のキッチンから大量の血痕が発見される。警察はアリバイが不自然なニックに疑いをかけ捜査を進めるが、メディアが事件を取り上げたことで、ニックは全米から疑いの目を向けられることとなる・・・。

<映画.com>

単刀直入に、クソ面白いです。
もう感受性も揺さぶられてぐいぐい引き込まれる。2015-02-02_184352

Missing LADY, アメリカっぽい描写満載で素晴らしい。
夫婦間のトラブルでいうと、ドラマのブレイキングバッドを思い出すような描写。あとリーマンショック後の失業からミズーリへの隠居、みたいな現代アメリカを感じさせる内容もツボ。

謎解きのようなミステリー要素は、本当にこの原作が秀逸なのだろうなと痛感する。

もちろんフィンチャーのダークな映像で、小道具をまた上手く使っていて、かつメディアが事件を取り上げて全米の話題になるその様子を映し出す一連の流れが最高にエキサイティングなんだけどね。

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ブレイキングバッドもそうだが、アメリカの映画は弁護士が登場してからが面白い。どんどんスケールが大きくなっていくわくわく。個人的に最優秀助演はこの弁護士、タイラーペリーっすね。

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あと紙カップのコーヒーを常に片手に操作を進めるキム・ディケンズの演技が個人的によかった。見てるこっちもコーヒー飲みたくなる。

ヒントや細かい動作まで、完璧主義のフィンチャーはやはり本作でもディティールで見せてくれます。

さて、素晴らしく面白い映画であることは疑いようないが、これは意外とサイコパス(精神病質)な映画なんじゃないかなと思った。現代のサイコパスを的確に描いた物語、みたいな。社会でサイコパスがどうやって人と人との関係の中で生きてゆくか、利を得てるか、みたいな観察にもなるほど、個人的な理解だと、これがサイコパスだとバチっと来る。

とりあえずネタバレになるとあれだが、彼女のマジキチっぷりはトラウマになりそうです。

ゾディアックや、ドラゴンタトゥー、ソーシャルネットワークもそうだが、物語に引き込むだけ引き込ませて時間を忘れるぐらい作品の映像世界に夢中にさせたわりにはあっけなく幕引きさせるフィンチャ―監督の手法は相変わらず憎いです。

3作連続のトレントレズナーとのコンビもおなじみ。

90点あげようかと思ったが、ダークでスタイリッシュな映像世界に引き込まれたが、過去2作のテイストで、秀逸な脚本を映像化しただけであり、過去2作のテイストから、なんら進歩はなく、同じ手法で焼き直しされてる感じがしないでもない。
(それでも十分面白いのは監督の才能なのだろうが・・・)

この世界にはすごく引き込まれて、2時間半という長さをまったく感じさせないデキだった、面白さでいうと90点レベルの映画であるが、ほとんどの部分は脚本と原作のチカラであろう。ただサイコパスな部分が多すぎてトラウマに・・・・。

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フィンチャー監督とトレントレズナーの音楽のコンビに過去の手法に進化は感じなかったことと、あまりにもマジキチで後味悪い映画ってことで、82.5点っていう結論でした。

kojiroh

『インターステラー』(2014年、アメリカ)―85点、ノーラン版「2001年宇宙のたび」


『インターステラ』(2014年、アメリカ)―169min
監督:クリストファー・ノーラン
脚本:クリストファー・ノーラン、ジョナサン・ノーラン
音楽:ハンス・ジマー
撮影:ホイテ・ヴァン・ホイテマ
編集:リー・スミス
出演:マシュー・マコノヒー、アン・ハサウェイ、ジェシカ・チャステイン、ビル・アーウィン、エレン・バースティン、マット・デイモン、マイケル・ケインetc

【点数】 ★★★★★★★★☆/ 8.5点

※リアルタイム映画評

2014年、巨匠の超大作がまたやってきた!
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「ダークナイト」「インセプション」のクリストファー・ノーラン監督が、理論物理学者キップ・ソーン博士のスペース・トラベルに関するワームホール理論を下敷きに描くSF大作。
制作費は1.65億ドル。円安の今は200億円以上の超大作!!
宇宙ものの大作はゼログラビティ以来、それを超えるなにかがありそうだなと、ノーランがどう宇宙を描くのか・・・前知識がほとんどない状態で映画館へ足を運んだ。

◎あらすじ
近未来の地球。環境は加速度的に悪化し、植物の激減と食糧難で人類滅亡の時は確実なものとして迫っていた。そこで人類は、居住可能な新たな惑星を求めて宇宙の彼方に調査隊を送り込むことに。この過酷なミッションに選ばれたのは、元テストパイロットのクーパーや生物学者のアメリアらわずかなクルーのみ。しかしシングルファーザーのクーパーには、15歳の息子トムとまだ幼い娘マーフがいた。このミッションに参加すれば、もはや再会は叶わないだろう。それでも、泣きじゃくるマーフに“必ず帰ってくる”と約束するクーパーだったが…。
<allcinema>

「私の父は農夫だった」
はい、最初から伏線が飛び交います。インセプションやメメント、弟が脚本書いただけあって、ノーラン流の時空の交錯と論理的な伏線がいいですね。
でもちょっとこの世紀末的な世界観の導入に時間がかかりました。
長いですね、3時間近いこの作品は。
もっとはやく人類を救うために宇宙へ行ったらよかったんじゃないでしょうか。

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役者が渋いしどこかで見たことあるような・・・と思ったら、「ウルフ~」でイカレたストックブローカー役でいい演技を見せてくれたマシュー・マコノヒーが主演か!

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さらに「ゼロダーク~」のジェシカ・チャステイン。
うん、こりゃメンツが豪華です。

そして、なんといってもマッドデイモン。彼がいなければ本作は退屈だった。
本作は宇宙へ飛び立つまではわりとだるくて、65点ぐらいっすかね。
でも月面着陸の捏造と過剰な生産主義が終わって食糧危機に直面する地球の世紀末間は、プレッパーの未来みたいで現実味を感じました。

宇宙へ飛び立ち、冬眠して次の星へ向かう。
相対性理論により、地球の年十年が宇宙と別の惑星では驚異的に早くなって父と子供の年が逆転しうるような状況での宇宙飛行はかなりのリアリティがあって、ディティールも細かくて、どっかでみたようなSFのお決まりパターンにも思えるが、これはこれでかなり楽しめました。

何より映画館でみたことが大きい。
キューブリックの「2001年~」もそうだが、宇宙空間の映像を体感するのに、映画館は最高の場所なのだ。暗闇と無音、無重力な雰囲気が映画館で直面できる。

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「2001年~」はかなりの大作でありつつ難解な芸術作品で、テロップも複雑だが、本作は比較的わかりやすい。

キューブリックが省略して描きそうなところをいい意味で大衆的に、かつ相対性理論を用いて描いた、あるいは今のSFの技術力がよりディティールを細かく描くことを可能にしたのかもしれない。

それにしても2001年ではHALが主要なAIだが、本作のTARSは造詣もキャラクターも素晴らしいですね。歩いたり走ったり、自己犠牲をも可能にしたすごいAIです。人工知能が人間の脅威になる時代は来るとは思えないほど。

ネタバレになるのであまりいいませんが、本作はマッドデイモン登場から本格的に面白くなる。もう、2001年のあの絶望感と緊張感が、彼の演技なしにこの映画は面白くならなかったぐらい。

完全にキューブリックの描いた展開とは逆のストーリーなのだが、相対性理論、ブラックホール、それを乗り越えて人間は超人になれるみたいな展開なんすよね、スターチャイルド的な。

とりあえず、ノーラン版、「2001年宇宙のたび」です。

長すぎたから83点ぐらいですかね。本家は超えられないが、マコノヒーの渋い演技と、TARSのキャラとマッドデイモンは必見だと思いました。

kojiroh

『アウトブレイク』(1995年、アメリカ)―70点。感染系映画の王道、エボラの勉強にでも観賞価値ある一作。


『アウトブレイク』(1995年、アメリカ)―127min
監督:ウォルフガング・ペーターゼン
脚本:ローレンス・ドゥウォレット、ロバート・ロイ・プール
出演:ダスティン・ホフマン、レネ・ルッソetc

【点数】 ★★★★★★★☆☆☆/ 7.0点

2014年、エボラ出欠熱の脅威が世界的に危機を煽っている昨今、同胞のクソ映画人仲間からの強いレコメンドを受けて、「感染系」映画として王道の映画「アウトブレイク」を鑑賞した。

案の定、みんなエボラに危機を覚えているようでレンタル屋で人気が再燃しているので、HULUにて筆者は鑑賞した。

●あらすじ
アフリカ奥地で発生した未知の伝染病がアメリカに接近。厳戒の防護措置が取られるもウィルスはとある地方都市に侵入! 街は完全に隔離され、米陸軍伝染病研究所はウィルスの謎を懸命に解き明かそうとするが……。
<allcinema>

さて、日本ではあまり有名ではないこの出血熱、その爆発するように血が吹き出てくるような、その病状をリアルに再現したことが一つ、この映画の大きな功績であろう。

飛行機の中での感染発症の予兆なシーンは、リアリティだけでなく、そのシチュエーションの再現が素晴らしいなと思った。個人的に。

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サルから人へ。その感染経路の再現も面白い。
この映画のサルは本当にいい演技をしていると思った。

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しかし映画としてはかなり陳腐であり、
新種のウイルスと巨大な陰謀を絡めたスペクタクルなのだが、
あまりにも主人公が無敵というか、運がよすぎて、どうも興ざめっていうか、この巻き返し方はリアリティないなと思った。

人類がこれで滅亡するほうがリアリティあります。
あんな小さいサルをあんなに迅速に再発見するなんて、いや、まじでありえないでしょ(笑

それにしても本作ではヘリコプターが大活躍であった。

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まあアメリカチックな家族と妻との絆とか出てくるが、このリアルというか、飛行機の中から映画館まで、その「感染」が広がってゆく描写の演出意外とははっきり言って特に見所はない映画だと思います。

しかしその演出がよく、さらに今のエボラ危機な昨今、見たからこそ、70点です。
たぶん、2~3年前に見たら単なるクソ映画だったなで終わっていたと思います(笑

kojiroh

『オール・ユー・ニード・イズ・キル』(2014年、アメリカ)―80点。和製原作×トムクルーズ 新感覚SFアクション・スペクタクル


『オール・ユー・ニード・イズ・キル』(2014年、アメリカ)―113min
監督:ダグ・リーマン
脚本:ダンテ・W・ハーパー、ジョビー・ハロルド、スティーヴ・クローヴス、クリストファー・マッカリー、ティム・クリング、ジェズ・バターワース、アレックス・カーツマン、ロベルト・オーチー
原作:桜坂洋『All You Need Is Kill』
出演:トム・クルーズ、エミリー・ブラント、ビル・パクストン、ブレンダン・グリーソンetc

【点数】 ★★★★★★★★☆☆/ 8.0点

ALL U NEED IS KILL

この夏、ゴジラに並ぶくそ映画として期待の一作、日本の桜坂洋のライトノベルをトム・クルーズ主演で映画化したという異色のSFバトル・アクション大作。共演はエミリー・ブラント、ビル・パクストン。監督は「ボーン・アイデンティティー」「フェア・ゲーム」のダグ・ライマン。

こりゃクソ映画人としては見逃せなそうだなと思って映画館へ行ったのだが、前評判もいいことと、満席であったため劇場では見逃してしまった。

しかし先日、運よく乗車してJALの飛行機の機内で発見して、鑑賞した。

●あらすじ
謎の侵略者“ギタイ”の攻撃によって、人類は滅亡寸前にまで追い込まれていた。そんな中、軍の広報担当だったケイジ少佐は、ある時司令官の怒りを買い、一兵卒として最前線へと送られてしまう。しかし戦闘スキルゼロの彼は強大な敵を前にあっけなく命を落とす。ところが次の瞬間、彼は出撃前日へと戻り目を覚ます。そして再び出撃しては戦死する同じ一日を何度も繰り返す。そんな過酷なループの中で徐々に戦闘力が磨かれていくケイジ。やがて彼はカリスマ的女戦士リタと巡り会う。彼のループ能力がギタイを倒す鍵になると確信したリタによって、最強の“兵器”となるべく容赦ない特訓を繰り返し課されるケイジだったが…。
<allcinema>

はい、予想外でした。
機内で爆睡しようと思ってたのですが、面白くて一気に見てしまい、目が覚めるできばえでした。

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前知識0のような状態で見たので、本作のテロップはかなり新鮮でした。

脚本というか原作がいいんじゃでしょうか。ベタな展開で繰り出させるひ弱な軍人が覚醒してゆく姿はかなり面白かったです。

それもかなりゲーム的で、本作は映画をゲーム的に「リセット」と「リトライ」を再現することに成功しているなと。ネタバレっぽいからあまりいいませんが、ゲーム要素を含んだ映画は多いですが、本作はまるで自分がゲームをやっているような感覚になれる、最も優れた映画かもしれません。

本作のべたべたなエイリアン侵攻のテロップやオチなんかも、パシフィックリムや、宇宙戦争、LA決戦などなど、似たようなパターンで世界を救うという話なんですが、何度も何度も次元を繰り返してゲームのようにエイリアンとの決戦を切り抜いてゆくのはくそ映画を超えて、個人的には斬新な映像体験でした。

トムクルーズは本当にくそ映画に似合う俳優です。

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エイリアンの造詣から、この戦闘服とバトルシーンの迫力、そして繰り返されるシーンのビル・パクストン演じる総長などの脇役、全部が笑わせてくれます。脇役も凝っているなと。

ゲームを繰り返すようにあの手この手で攻略してゆくその姿は滑稽で、かつアイディア満載で楽しめました。

しかし、ゴジラにしてもそうだけれども、日本発祥のモトネタから、『パシフィックリム』、『ゴジラ』、『オールユーニードイズキル』。和製の奇抜なアイディアやカルチャーをハリウッド式の大スペクタクルで再現した映画が非常にクオリティ高くて面白くて世界的なヒットを飛ばすものが多くなっているなと思う。

もちろん、日本はアニメでぐらいしかせいぜい再現できないのだが、実写化して大スペクタクルに仕上げることのできるアメリカの手法は、くそ映画人としては見逃せない超大作な作品を仕上げてくれるので、素晴らしいなと思う昨今です。

Kojiroh

『Some Kind Of Monster(邦題―メタリカ:真実の瞬間)』(2004年、アメリカ)―75点。世界的ロックバンドの歴史的瞬間


『Some Kind Of Monster(邦題―メタリカ:真実の瞬間)』』(2004年、アメリカ)―123min
監督:ジョー・バーリンジャー, ブルース・シノフスキー
出演:ジェームス・ヘットフィールド, ラーズ・ウルリッヒ, カーク・ハメット, ロバート・トゥルージロ etc

【点数】 ★★★★★★★☆☆/ 7.5点

サムカインドオブモンスター。


2002年のセイントアンガーを高校生のときにリアルタイムで購入して愛聴していたメタリカファンの筆者としては、非常に安着のある名曲の1つ。

そのタイトルで発表されたドキュメンタリーも、大学時代に購入して保有していた。すっかり忘れていたが、久しぶりに鑑賞したら改めて面白かったのでレビューを。

●あらすじ
2001年、ヘヴィメタル・バンド“メタリカ”は、かつてない危機に直面していた。メンバー同士の人間関係は最悪の状態で、15年間共に活動してきたベースのジェイソン・ニューステッドが脱退する非常事態に、ファンやマスコミからもその将来を悲観する声が出始めていた。そんな状態で開始されたニューアルバムのレコーディングには、分裂回避のためセラピストが参加するという前代未聞の手段が採られた。しかし間もなく、今度はボーカルのジェームズ・ヘットフィールドがアルコール依存症のリハビリのため入院してしまうのだった…。
<tSUTAYAより引用>

このドキュメンタリーに、メタリカの歴史が濃縮されているとも言える。
過去のクリフバートンの死、そこからの世界的セールス、ブラックアルバムでのカークハメットなど、大成功から衝撃的な脱退、ニュースにまで取り上げられ、メタリカは終わったといわれる・・・そこからまるで自問自答のようなバンドの日々が始める。

脱退と、ジェームスの病気からはじまり、もっともメタリカが苦しんだ日々が描かれる。

メタリカは、世界的なバンドにして奇跡のバンドでもあると思う。メンバーが全員強烈なキャラクターを持ちつつ、調和してヒットしたバンドだからだ。

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ジェームス、カーク、ジェイソンへの未練というか、今までのバンドを支えていたものの崩壊を直面し、長年付き添ってきたプロデューサーらと自問自答のような日々を送り、初めてジャムでセッションしたような、新感覚でのアルバムに取り組む。それが、あの賛否両論なセイントアンガーだったとは・・・。

 

アンヴィルにも登場していたが、ラーズウルリッヒがとにかくいいねえ。

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高級車を乗り回し、美人の奥さんと暮らし、子供もいて、そしてバンドの転換期みたいな時期に、海外をオークションに売るシーンなんて本当に印象的だった。メタルバンド出身の億万長者の暮らしが垣間見れる。

彼自身、この映画を撮ったことを後悔しているほど、内部事情がぶっちゃけで描かれている。

メタリカというのはとにかく、ドラムのラーズがリーダーとして中心的人物として運営されている。ある意味、ビジネスとしての視点も交えて、新しいベーシストのオーディションをを進めたり。

あのモンスターのような南米系のロバートトゥルージロというベーシストがオーディションを経て、バンドに参入するそのプロセスが一番好きだ。

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「バッテリー?あの速さを指で?」
「他のベーシストは120%を出してきた。それ以下でやれたのは彼だけだった」

世界的バンドがどのようなプロセスを経て新規にベーシストを入れるか? しかも息がぴったりで、現役で今も続いているような最高のメンバーを入れるその瞬間をリアルタイムでフィルムに収めたことは、本作のひとつの功績であろう。

総括すると、メタリカという世界的なバンドの奇跡の瞬間を収めることができ。過去のクリフとの悲劇やドラマを描けたことは。多くのリスナーをうならせる、ある意味で歴史的なドキュメンタリーになったと思う。

しかしやはりロックのドキュメンタリーでは「アンヴィル」が最高傑作で、こちらは成功者の苦闘にすぎない。でもしかし、アンヴィルがメタリカになれなかった理由がよくわかる。それぐらい、メタリカの世界はシヴィアな、仕事人としても偉業をなし続けられる理由がここにはあった。

KOJIROH

『ラスベガスをぶっつぶせ』(2008年、アメリカ)―75点。ブラックジャックカジノ映画の最新版


『ラスベガスをぶっつぶせ』(2008年、アメリカ)―123min
監督:ロバート・ルケティック
脚本:ピーター・スタインフェルド、アラン・ローブ
原作:ベン・メズリック『ラス・ヴェガスをブッつぶせ!』
出演者:ジム・スタージェス、ケイト・ボスワース、ケヴィン・スペイシー etc

【点数】 ★★★★★★★☆☆/ 7.5点

原題:”21″。
カジノが好きな私がちょっと興味を持っているギャンブル、それはブラックジャック!
トランプを駆使して「21」をめぐるゲームである。このゲームは必勝法があることで有名で、その必勝法と数学的な考えや記憶によって導いて数百万ドルを荒稼ぎするという、なんとノンフィクションをベースにした物語。

ラスベガスをやっつけろにもタイトル的にかぶるが、全然新感覚なスタイリッシュなノリ。

個人的にブラックジャックと、そしてカウンティングに興味があったのでその勉強がてら見てみると意外に楽しめた。2014-08-17_194817

◎あらすじ
理系大学の最高峰MIT(マサチューセッツ工科大学)の学生ベン・キャンベル。医者を目指している彼にとって目下の悩みは、そのあまりにも巨額な学費。そんなある日、ベンの頭脳に目を付けたミッキー・ローザ教授が彼を自分の研究チームに勧誘する。その研究テーマは、“カード・カウンティング”という手法を用いてブラックジャックで必勝するためのテクニックとチームプレイを習得するというものだった。一度はためらうベンだったが、チーム内に憧れの美女ジルがいたことも手伝って、学費のためと割り切り参加する。やがてトレーニングを積んだチームは、満を持してラスベガスへと乗り込むと、みごと作戦通り大金を手にすることに成功するのだが…。

<allcinema>

MITの優秀な頭脳が集まって、ブラックジャックビジネス!

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まず、数学的な知識を使ってブラックジャックをチームプレーで勝つというその流れ・プロットが面白い。まあほぼプロットで終わっているともいえるが、ラスベガスのセレブな舞台でその感覚を再現しているところにひとつ魅力を感じる。

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いかに店にばれないようにチームで連携して金を稼ぐか、その手法が見てて爽快。

そして大金を得た若者の姿も、非常に共感できるものがあった。

「人生で初めて人生に余裕ができた。お金のことを心配する必要がなくなった」

主人公は成功し、そして・・・・。
それにしても医学部の高額な学費に苦しんでこのようないかがわしいサイドビジネスをする感じは昨今のアメリカっぽくていいなと。

優秀な成績で学校を卒業しても、いい会社や職業にありつけないと厳しいアメリカの現状がある意味で描写されているからこそ、本作はヒットしたのかもしれない。夢がありますよね、ベンチャーやってもいいような頭のいい学生が、それ以上にカジノで大勝ち!

まあ本作はそのプロットがすべてなんで、特にそれ以上深みはありませんが。楽しめたから問題なし。

ケビンスペイシーの演技が貫禄ありましたね。2014-08-17_194726

なんか世界観的にすこし『グランドイリュージョン』っぽいものも感じる。

だましあいとトリックや手品のような手法やどんでん返し、みたいな。

というわけで数学とブラックジャックが好きな筆者としては面白かった。でもあまりゲーム自体に関心のない人でも楽しめるエンタメなつくりになってて、コアなカジノファンからするともっとディティールを描いて欲しかったと思うかもしれない。

しかしこういう映画がリリースして大ヒットした時点で、もうカウンティングなんてものは時代遅れなものになっている気がする次第であった。

kojiroh