『マチェーテ・キルズ』(2013年、米)―45点。クソ映画化が加速したマチェーテ続編


『マチェーテ・キルズ』(2013年、米)―108min
監督:ロバート・ロドリゲス
脚本:カイル・ウォード
原案:ロバート・ロドリゲス、マルセル・ロドリゲス
原作:キャラクター創造 アルバロ・ロドリゲス
出演:ダニー・トレホ、ミシェル・ロドリゲス、ソフィア・ベルガラ、アンバー・ハード
アントニオ・バンデラス、キューバ・グッディング・ジュニア、ウォルトン・ゴギンズ
ウィリアム・サドラー、デミアン・ビチル、メル・ギブソン etc

【点数】 ★★★★☆☆☆☆☆/ 4.5点

「グラインドハウス」内のフェイク予告編から映画化を成し、前作は豪華キャストを集めて成功した、B級バイオレンス・アクションの続編。

主演、ダニー・トレホ、映画初出演となるレディー・ガガ、ミシェル・ロドリゲス、アントニオ・バンデラス、ジェシカ・アルバ、メル・ギブソン、カルロス・エステベスという超豪華共演で描き出す。

評判微妙だったので劇場ではなくレンタルで鑑賞したのだが・・・。

◎あらすじ
ある日、マチェーテのもとにアメリカ大統領から直々の依頼が来る。内容はメキシコのイカれた男“マッドマン”を抹殺してほしいというもの。しかし、マッドマンの心臓はワシントンに狙いを定めたミサイルと連動しており、心臓が止まると発射される仕組みになっていた。それを解除できるのは、世界一の武器商人ヴォズだけ。そのため、マッドマンを生きたままアメリカに連れて行くことに。しかし、そんなマチェーテとマッドマンを、懸賞金目当ての連中が次々と襲いかかってくる。

<allcinema>

クソ映画過ぎてビックリした。

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大統領と世界滅亡への巨大な陰謀からはじまり、もはや宇宙かいっ!!w

メキシカンなノリで、ミッシェルロドリゲス姉さんは好きだし、トレホの動きが硬いが無敵っぷりなマチェーテの存在感は独特でキャラクターは面白いが・・・、

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この役がレディーガガである意味ナシ。くそ配役もいいとこです。なんで本人出演オファーOKしたんやろ?

おっぱいマシンガン。これやりたいだけの、ネタやろ、これ。ぜんぜん強くないザコキャラだし。

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はっきりいって、これだけいい面子を集めて、これだけクソでつまらない映画を作ってしまったなんて・・・歴史の残る、俳優の浪費じゃないかなと。

レディーガガだぜ?
メルギブソンだぜ?

こんだけの豪華キャストをよくここまで浪費したなと。日本で言うと、「IZO」みたいな。

退屈な上にクソ過ぎて笑えて来ましたが、ある意味ですごい俳優の浪費なので、友達と一緒にネタで見るにはいいかもね。

とりあえず、この映画の続編がこれ以上作られることはないだろうと断言せざるをえないレベルのクソ映画でした。ああ、映画館で見なくてよかった。

kojiroh

『ジュピター』(2015年、アメリカ)―40点。超大作映画詐欺のような2015年No.1クソ映画


『ジュピター』(2014年、アメリカ)―127min
監督:ラナ・ウォシャウスキー、アンディ・ウォシャウスキー
脚本:ラナ・ウォシャウスキー、アンディ・ウォシャウスキー
製作:グラント・ヒル、ラナ・ウォシャウスキー、アンディ・ウォシャウスキー
出演者:チャニング・テイタム、ミラ・クニス etc

【点数】 ★★★★☆☆☆☆☆☆/ 4.0点

*リアルタイム映画批評。

「マトリックス」のアンディ&ラナ・ウォシャウスキー姉弟によるSFアクション大作。
制作費200億ちかい、SFの革命と煽られた一作。
チャニング・テイタム、ミラ・クニス。

知り合いが株主優待券でタダで見れるから行きましょうよと言われて劇場へ足を運んだが・・・お客さんが少なくガラガラで鑑賞前から少し嫌なフラグを感じる。

●あらすじ
宇宙最大の王朝に支配されている地球。家政婦として働くジュピターは、何者かに襲われたことをきっかけに、自身がその王朝の王族であることを知る。王朝ではバレム、タイタス、カリークというアブラサクス家の3兄妹が権力争いを繰り広げており、それぞれが自身の目的のためジュピターを狙っていた。ジュピターは、遺伝子操作で戦うために生み出された戦士ケイン・ワイズに助けられながら、アブラサクスの野望から地球を守るために戦いに身を投じていく。

<映画.comより>

単刀直入に、つまんなすぎてびっくりしました(笑
映画館がガラガラな理由も納得。
こんな映画に1.7億米ドルの制作費とか、意味不明です。
インターステラーより金かけたのに、それよりはるかにつまらないとは・・・才能とは枯渇するものだなと感じました。

陳腐な恋愛劇とシンデレラストーリー。
支離滅裂なラストへの展開。もうダメダメですね。
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こんな映画に200億円ってなぞ。
いったい、何にそんな使ったの?
巨額の制作費を横領したんじゃないかと映画詐欺を疑うレベルの出来栄え。

てか脚本がもう矛盾多すぎて、ありえねえだろこの展開(笑)と、笑うしかない感じ。
最初の1時間はまだまともだったが、宇宙へ行ってからがもうぐだぐだ。

書くことないですね、ほんと。
悪役のエディ・レッドメインが唯一よかったことぐらいかなあ。

しかし取って付けたような「こんな人生もう嫌」的な台詞、複線にもなってないような、もう脚本がとにかく駄目過ぎました。
ヒーローとヒロインの存在感も中途半端だし。

同じ劇場でやってるアメリカンスナイパーをもう一度見た方が間違いなく満足度が高かったと思います。

自腹で見てないので40点。もし自腹なら20点ぐらいでしたw

・・・どうやらアメリカでは制作費を回収できない自体の模様。
制作の利益率でみるとアメリカンスナイパーを見習った方がいいですね、W姉弟。

kojiroh

『グランド・マスター』(2013年、香港)―40点。巨匠の新感覚カンフーアクション、失敗作


『グランド・マスター』(2013年、香港)―123min
監督:ウォン・カーウァイ
脚本:ゾウ・ジンジ、シュー・ハオフォン、ウォン・カーウァイ
製作:ウォン・カーウァイ、ジャッキー・パン・イーワン
出演:トニー・レオン、チャン・ツィイー etc

【点数】 ★★★★☆☆☆☆☆☆/ 4.0点

2013年、中国系の映画で最も話題になった一作。
映画館で見ようかとも思ったが、レンタルにてようやく鑑賞。
「花様年華」「2046」の巨匠、ウォン・カーウァイ監督が、描くカンフーアクション。長い年月の構想による、トニーレオンとチャンツイー主演!これはつまらないはずないだろと期待して鑑賞したのだが・・・。

●あらすじ
1930年代の中国。北の八卦掌の宗師、宮宝森(ゴン・パオセン)は引退を決意し、生涯をかけた南北統一の使命を託す後継者を探す。第一候補は一番弟子の馬三(マーサン)。一方、パオセンの娘で奥義六十四手をただ一人受け継ぐ宮若梅(ゴン・ルオメイ)も、父の反対を押して後継争いに名乗りを上げる。そんな中、パオセンが指名したのは、南の詠春拳の宗師で人格的にも優れた葉問(イップ・マン)だった。納得のいかないマーサンは、師であるパオセンへの恨みを募らせる。一方、諦めきれないルオメイも、イップ・マンを秘かに呼び出し、みごと八卦掌奥義六十四手で勝利を収めるのだったが…。
<allcinema>

はい、見事にすべってました。
この規模の大作にしては、中途半端に芸術性を求めて、エンタメとしてもかなりの滑り方をしているなと。アクションシーンは、キルビルの人とかが演出を協力しているらしいので、迫力あって、おっと驚くシーンありましたが・・・灰色がかった画面の感覚はシンシティも思い出します。
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なんていうか、この規模の大作なのに、歴史を折りませて大スペクタクルな雰囲気をかもし出しているのだが、ストーリーがまたぜんぜん駄目。あるようでないようなもの。ウォンカーウェイが好きそうな「あるようでない脚本」だけれども、この規模のアクション映画にするなら、その感性だのみな脚本はまったく意味をなせない。

もっと観客を楽しませるような精密なエンタメな脚本練れよ!ウォンカーウェイ!!

正直、カンフーアクションにシーンは楽しめる演出がありますが、それ以外がちょっと駄目すぎる。トニーレオンも「2046」とほぼキャラ的に変わらない悲壮感、語り部のような立場で、主役はチャンツイーっすかね。

部分的には光る演出や新しい試みを感じるけれど、こりゃ、全体通してぐだぐだすぎ。

ウォンカーウェイのせいです。間違いなく。

エンタメ大作にするなら、彼のような、一発取りというか、即興演出とか映像を感性で語るような監督に、大きな予算と長年の構想で、こんな映画を取らせちゃいけないですね。

もっとちゃんとしたストーリーを作って、その行く末を追いたくなるようなエンタメ映画にしてれば、悪い作品にはならなかったでしょうが・・・とりあえずカーウェイ監督は、雰囲気で映画を撮っちゃう人だから、この手の映画は二度と作ってはいけませんね。

こりゃ赤字でしょう。絶対ヒットしないと思います。

商業的なアクション映画としては、あまりに中途半端でつまらなすぎました 。

kojiroh

『The eye2』(2004年、香港=タイ)―4.5点。劣化したThe eyeの続編


『The eye2』(2004年、香港=タイ)―95min
監督:オキサイド・パン、ダニー・パン
脚本:ジョジョ・ホイ
出演:スー・チー、ジェッダーポーン・ポンディー、ユージニア・ユアンetc

【点数】 ★★★★☆☆☆☆☆/ 4.5点

前作『The eye』が非常によくできたサイコサスペンス系の映画であったため、その続編も見ることにした。監督は前作と同じく、香港生まれでタイで活躍するパン・ブラザーズであるため鑑賞を楽しみにしていたが……。


◎あらすじ
タイのホテルで大量の睡眠薬を飲み、自殺を図った女性が一命を取り留めた。妻のいるサムを愛してしまったジョーイ。彼女は香港に戻るが、霊現象に悩むようになる。自殺未遂以降、死霊が見えるようになってしまい、さらには妊娠の事実が彼女を追いつめてゆく……。(Goo映画より引用)

妊娠と自殺、そして霊感。
なかなかテーマとしては興味深い話で、霊が赤子に入り、輪廻転生を繰りかえす。

見えないものが見えてしまった女性の悲劇、という部分は前回と同じだが、それが霊的な要因が入りすぎて、謎を追ってゆくサスペンス要素も前回に比べるとまったく面白くない。衝撃的な謎や真実は何もなく、ただただ輪廻から逃れようと四苦八苦する女性を追っているだけに思えて、まあ霊的な描写が面白い部分もあるのだが、どうだろう、ストーリー的にもそんなに起伏がなく、デキが悪い。

さらに主人公の女性、前作の美しいアンジェリカに比べると、ちょっと劣りすぎる。他にも登場人物がたくさん出てきて色々物語が動くならあれだが、これはほぼスーチーさんの主観の独壇場でもあるので、彼女がthe eyeの続編を担うほどの美しさと力量はなかったと思います。


まあ香港的な霊的観念や輪廻転生が映し出されていて、香港好きな僕としてはそれなりに楽しめたのだが、前作の素晴らしさを考えると興ざめする部分が多い。怖いシーンもそれなりにあるっちゃあるが。

最後の屋上から飛び降りるシーンなどは、もう突っ込みたくなるほど。
あそこで死んで別のエンディングだったらもう少しましだったかもしれないが、しかしラストのオチ付けから何から何まで前作から劣化しすぎている残念な一本であった。

まあ単に、前作が素晴らしすぎたのかもしれない。

kojiroh

『マイウェイ 12000キロの真実』(2011年、韓国)―4.0点。これぞ朝鮮のマイウェイ


『マイウェイ 12000キロの真実』(2011年、韓国)―145min
監督・脚本:カン・ジェギュ
出演:チャン・ドンゴン、オダギリジョー、ファンビンビン、キム・イングォン、キム・ヒウォン、佐野史郎、山本太郎、etc

【点数】 ★★★★☆☆☆☆☆☆ / 4.0点
※リアルタイム映画評

話題の超大作、マイウェイ。オダギリジョーがカン・ジェギュ監督から熱烈なオファーを受け出演し、韓国映画史上最高額の製作費が投じられた『マイウェイ』。

しかし反日要素が強い上に、日本のマンガのパクリであるストーリー、そして実話に基づいているといいながらもほぼ嘘八百らしいと噂の本作を私は試写会に見に行った。


さてあらすじであるが、舞台は1928年、日本占領時代の朝鮮。全く境遇の異なる2人、憲兵隊司令官の祖父を持つ日本人の長谷川辰雄(オダギリジョー)。幼い頃から長谷川家の使用人で、マラソンにおいては辰雄のライバルとして共に育った朝鮮人のキム・ジュンシク(チャン・ドンゴン)。マラソンで金メダルを夢見る2人だったが、いつしかその関係は国同士の戦いとなり、憎み合うようになる。やがてオリンピック選考会で事件が発生し、ジュンシクは罰として日本軍に強制徴用されることになる。そして1939年、ノモンハンで2人は運命の再会を果たすのだが…


ノモンハンからノルマンディーまで、真実に基づいた一大スペクタクル!
というノリであるが、ヤフーオークションでもかなり安く試写会チケットが暴落していたので、見る前から嫌な予感を感じていた…。

さて結論、迫力がある戦闘シーン、そしてオダジョーとチャンドンゴンの演技はなかなかよかったです。地味にファンビンビンや佐野史郎も主演していて豪華です。

「我々に後退はない!名誉ある死を!天皇陛下、万歳!」
など『硫黄島の手紙』にも匹敵する日本国兵になりきるオダジョーの冷酷さは迫力がある。さらに、「朝鮮人め!」と罵倒する悪徳日本将校を演じる山本太郎が最も素晴らしく冴えていて、これは演技とも思えぬほど真に迫っていた。

がしかし、いい俳優を集めておきながら、やっぱりデタラメな作品だと思った。

本作で描かれる朝鮮人は、勤勉で努力家で日本人に負けず劣らずの能力を持つが、残虐な日本に侵略されて戦場に奴隷のように連れ出される― という姿。『猟奇的な彼女』や『息もできない』、『チェイサー』などで見せた暴力的で民度の低い黒い一面はまったく見せない美徳っぷりがまずうさんくさい。

キムジュンシュクと長谷川の二人の運命があまりも奇跡的すぎて、最後は名コンビのようにも思えてくるが、ファンタジーを見てるようなでたらめな歴史と真実によって最後は「今の日本があるのは、韓国のおかげだ!」的な、日本に恩を売る韓国政府の陰謀が見え見えの映画である。


駄目な脚本ながらも多少面白くしているのは監督の圧倒的な迫力の戦闘シーンであろうが、二大スターを起用しておいて、この映画に政府からどのぐらいの金が流れているかが最も気になるところ。

さらにまずいのがこの映画二時間半もある。これにはさすがにストレスが溜まった。1時間半ぐらいで十分じゃないかと思えるほど。

日本でヒットするかもしれないが、それは間違いなくオダジョー効果であり、8割方の日本人はやらせっぽい日本の戦争功罪描写にストレスが溜まる映画ではないかと思います。韓国の偉大さを主張している映画でもあるので、韓国以外ではあまり流行らない映画ではないかと思える。

本当の韓国の姿とは? 理不尽な侵略で日本から差別された可愛そうな民族であったのか?ともかく色々と考えさせられる映画であった。

そうか。こうした映画を作ることこそ、まさしく朝鮮民族のマイウェイなのだな!

Written by kojiroh

『バイオハザードⅣ アフターライフ』(2010年、米)―4.0点。3D映画の意味がないB級ホラー

『バイオハザードⅣ Afterlife』(2010年、アメリカ)
製作・監督・脚本: ポール・W・S・アンダーソン
出演: ミラ・ジョヴォヴィッチ、ウェントワース・ミラー、スペンサー・ロック、アリス・アバーナシー

【点数】
★★★★☆☆☆☆☆☆ / 4.0点

シリーズを重ねるたびに劣化することで有名な、映画・バイオハザードシリーズ。

とは言っても私はバイオハザードシリーズのファンである。ゲームの時代から好きなのだ。バイオハザード創始者の三上氏が“画面のパラメーター表示を極力排除した、映画的な恐怖”がテーマのホラーアドベンチャーゲームと言っているように、ゲームとして面白いだけでなく、独自の世界や、芸術性を感じる素晴らしい作品だと思っている。

そんなゲームの映画であるが、これも初代から見ている。主人公ミラジョボビッチの美しさや派手なアクションはやはりデキが悪くとも面白い。私は地味にゾンビ映画が好きなので、ゾンビを殺すという非現実世界に入っていけることは、どんな映画であっても面白いものなのだ。

さて、ついにⅣにまで至った今作は、なんと3Dになり、60億とかかけて作ったようだ。相変わらずのポール・アンダーソン監督とミラ・ジョボヴィッチのコンビで、二人ともバイオハザードの大ファンだったため制作したという逸話がある拘りの作品であるので、(さらに二人は結婚してしまった) 続編の製作が発表されることを地味に楽しみにしていた。

しかしながら、3Dになることに大きな抵抗があった。『アバター』も見た僕ですが、実は3Dが嫌いです。メガネかけないと3Dにならないアトラクションを映画と呼ぶのは邪道だ。映像を作品として見る上で邪魔でありがた迷惑。しかも値段が+700円と割高になるので全然見る気がしない。2Dで見たかったが、2Dは一日一回しかやってなかったので見れなかった。必然的に2000円で3Dを見ることに…。悔しい展開である。

本作も相変わらずのベタな調子で始まるかと思いきや、オープニングが感染が広がる東京、渋谷が舞台で一つ見所であった。しかも最初に感染する女性が、なんと中島美嘉が演じている。なんという豪華キャスト。日本人として嬉しく思う展開だ。その後はアンブレラ社の日本の地下支社がハイテクな形で出てきて、さらにウェスカーが登場したりと、冒頭からファンを楽しませてくれます。

アリス(ミラジョボビッチ)の回想のナレーション、前作からのつながりを保ちつつ、アルケディアへ希望を見出し、飛行機で屋上のビルへと着陸して、再び仲間を作り脱出を図る展開だ。しかし、なんだか主人公のミラと敵役のウェスカーが最強すぎ、というか、人間としてありえない動きをしまくります。話もデキすぎていて、突っ込みどころ満載。まあバカ映画だからありなんですが、前作を見てないと話は通じないファンのための映画ですね。そんなカオスな感じながらも、金をかけて戦闘シーンなどに拘って撮影したのだなと分かるようなスペクタクルだったので、まあ一つのアトラクションとしては楽しめた。典型的で分かりやすい善悪構造とべたべたな展開は、バイオファンとしては楽しめます。

ということで、次作もありそうな展開で今回も終わった。映画でクレア、クリス、ウェスカーが見れたし、サバイバル系の映画のハラハラ感を味わえたし満足。と言いたいところだが、やはり今回、どうしても3Dであることが許せなかった。単に流行に乗っただけと言うレベルであり、3Dにする必然性を何も感じなかった。バイオのファンというだけで見ているならば、バイオⅣは3Dじゃなくても楽しめる。アバターのように、特段、画面から迫ってくるようなシーンもなければ、何か驚きの3D活用ポイントがあるわけでもない。

日本が誇る素晴らしいゲーム文化が外へ出て、こんな大規模な映画になるって、やはり誇るべきことだと思い3Dにもなったことに意味はあるのかもしれないが、流石にもう3Dのバイオは意味があまりないので見たくないかなと思った。

次回作は2Dで普通に見たい。3Dじゃなかったら6点の作品でしたかね。なんだかんだで映画も「1」が一番傑作で、これを超えられる作品はもうバイオシリーズからは生まれないだろう。これはゾンビ映画の名作です。

(Written by kojiroh)
引用:|世界の始まりとハードボイルド

レッドクリフ PART1(2008年、中国) ―4.0点。巨匠の大作と駄作

レッドクリフ Part I〈¥1,500廉価版〉 [DVD]
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『レッドクリフPART1』
監督 呉宇森(ジョン・ウー)
出演 梁朝偉(トニー・レオン)、金城武、
張豊毅(チャン・フォンイー)、張震(チャン・チェン)
趙薇(ヴィッキー・チャオ)、胡軍(フー・ジュン)
中村獅童、林志玲(リン・チーリン)

【点数】
★★★★☆☆☆☆☆☆ / 4.0点

巨匠とは、年を重ねると、
自分の国の歴史を描きたくなるものなのか。

黒澤明の『乱』(85年)、マイケル・チミノの『天国の門』(80年)、マーティン・スコセッシの『ギャングオブニューヨーク』(2002年)など、いずれも巨額の制作費と長期の撮影期間を費やし作り上げた、作家人生をかけた歴史大作である。

今作もまさにその領分か、アクション映画の巨匠ジョン・ウー監督の『レッドクリフ』ねえ。制作費100億をかけて三国志の歴史的大戦を描く大作である。二丁拳銃や銃を投げ捨てるガンアクションで名高いウー監督がついに中国の歴史に足を踏み入れることになったという展開のようだ。豪華な舞台、争い、陰謀、愛憎など大作には欠かせないキーをちりばめ、大スペクタクル歴史アクションが展開される。飛び交う弓、緻密な戦略による罠、確かに迫力満載で、とってもエキサイティングな作品だ。

でも、なんだろう、どこか過剰にゲーム的に感じてしまう。暴力シーンも中途半端で当たり障りよく、槍で刺される兵士はグロテスクには死んでいかない。キレイな形でしか死なず、リアリズムの排除による暴力のエンタメでしかないように思える。

そして男女関係やストーリー展開もB級で単なる一般的歴史叙述にしか過ぎず、そこに独自的解釈を感じられない。その反面、セットやCGに一流演技陣と豪華贅沢三昧。弓での戦闘シーンなど圧巻であるが、ウー監督が多大な影響を受けている黒澤作品の中国版CG版焼直し観が否めず。

とてもではないが、金城武を初めとした演技陣に、ロケ撮影で資金に苦しみ作り上げた『乱』の仲代達也のような凄みはなく、それは配給会社を破綻に追い込んだ『天国の門』や、興商収入に苦しんだ『ギャングオブニューヨーク』と比べても同様である。それは背景として、『レッドクリフ』は過酷なバックグラウンドを持った作品でないからか。危機感や緊張感を含んだ映像的凄みはない。どこか浅いのだ。

これで国内総員100万人突破とは、まさに、スポンサーであるエイベックス(Avex)の宣伝の巧みさか。一作品5時間だから、PART1とPART2の二つに分かれているなんて、なんだか二度手間に感じてしまう。作家性を貫いたベルイマンの5時間の大作『ファニーとアレクサンデル』(84年)のような類の映画に失礼だよね。商業主義臭がぷんぷん。

そして個人的にも中国の歴史ものにはまったく興味がないのです。

ということで、私はPART1でおなか一杯。

(Written by Kojiroh)
※過去、2008年秋に執筆したものを加筆修正