『Jackie & Ryan(原題)』(2015年、米)―55点。デキの悪いインサイドルーウィンデイヴィス

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『Jackie & Ryan(原題)』(2015年、米)―90min
監督:アミ・カナーン・マン
脚本:アミ・カナーン・マン
出演:キャサリン・ハイグル、ベン・バーンズ、クレア・デュヴァル、エミリー・アリン・リンド、シェリル・リー・ラルフィ・・・etc

【点数】 ★★★★★☆☆☆/ 5.5点

ジャッキー&ライアン。
日本では未公開の、ミニシアター的な映画を、キャセイパシフィックの中でたまたま鑑賞したので、感想をば。

国際映画祭にもノミネートされた、英国の女性監督、アミ・カナーン・マンの監督脚本作品。

◎あらすじ
元カントリー歌手でシングルマザーのジャッキーと、ギターひとつで街から街へ旅をするフォーク・シンガーのライアンとの恋愛映画…。

さて、ぶっちゃけ、そんなに中身がある映画ではありません。

雰囲気的には、路上演奏で稼ぎならしけた旅生活をするライアンのBusking Lifeみたいな話。インサイドルーウィンデイビスの現代版みたいな。

しかし傑作であるコーエン兄弟のデイビスに比べると、劣化版としかいいようがない。

なんだろうな、これは脚本が悪い。設定もいまいち。

シングルマザーとフォークシンガーっていう設定、なんだろうなぁ、とにかく2人の恋愛には映画的なときめきはあまり感じないし、ロマンチックでもない。現代のアメリカの訴訟社会を描いた部分もあるが。高い保険とか。

本作はアミ監督の脚本&監督であり、このワンマンがいけなかったんじゃないかなあ、ストーリーに驚きやひねりをかんじない。

だがイケメンのベンバーンズのしけた旅生活には哀愁と、寒い中、貧しい旅生活で自由と音楽を見出そうともがく若者像の描写は、伝わってくるものがありました。
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Buskingですねえ、デジタル社会だからこそ、こういうアナログな活動にスポットを当てているのはいいなあと。
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個人的に筆者もBuskerなので、本作のコンセプトっていうか、世界観には共感できましたが、これに共感できる人って少数派なんじゃないかな?

まあ、金の匂いがまったくしない系の映画だったので、恐らく日本で公開されることはない気がしてます。DVD出るぐらいでしょうか。

今後、アミ監督はワンマン脚本はしない方がいいなという感想でした。

kojiroh

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『地獄でなぜ悪い』(2013年、日本)―50点、雰囲気だけで中身は支離滅裂な園監督


『地獄でなぜ悪い Why don’t you play in hell?』(2013年、日本)―130min
監督:園子温
脚本:園子温
音楽:園子温、井内啓二
撮影:山本英夫
出演:國村隼、堤真一、二階堂ふみ、友近 etc

【点数】 ★★★★★☆☆☆☆☆/ 5.0点

「愛のむきだし」「冷たい熱帯魚」の園子温監督が20年前に手がけたオリジナル脚本を基に作り、第70回ヴェネツィア国際映画祭オリゾンティ部門で公式上映、上映後は7分間のスタンディングオベーションなど、国際舞台で評判よさそうだったのでレンタルで鑑賞したのだが・・・。

●あらすじ
ヤクザの組長・武藤は、獄中にいる最愛の妻・しずえの夢を叶えようと躍起になっていた。それは娘のミツコを主演に映画を製作するというもの。しかし、肝心のミツコは男と逃亡してしまい、映画が出来ないまま、いよいよしずえの出所まで残り数日となってしまう。そこで武藤は、手下のヤクザたちを使って自主映画を作ることを決断する。そして何とかミツコの身柄を確保し、映画監督だという駆け落ち相手の橋本公次に、完成させないと殺すと脅して映画を撮影するよう命じる。ところがこの公次、実は映画監督でもなければミツコの恋人でもないただの通りすがりの男だった。それでも監督として映画を完成させなければ彼の命はない。そんな絶体絶命の中で出会ったのが、自主映画集団“ファック・ボンバーズ”を率いる永遠の映画青年、平田。一世一代の映画を撮りたいと夢見てきた平田は、ここぞとばかりにミツコに執着する敵対ヤクザ組織の組長・池上まで巻き込み、ホンモノのヤクザ抗争を舞台にした前代未聞のヤクザ映画の撮影を開始してしまうのだが…。
<allcinemaより>

テロップは面白い。予告編もすばらしく楽しそう。豪華キャストだし、監督も世界の園だし、こっりゃあ面白くないわけない!!!!・・・と期待したが、グダグダでびっくりしました。

この園監督は冷たい熱帯魚がピークで、それ以降はどんどん馬鹿になっている気がしてしょうがない。

内輪でいつも同じようなメンツ。

神楽坂も毎回のように使うし、エロい女と結婚して馬鹿になったんじゃないか?と疑うレベル。

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叫んだり絶叫したり、誇張しすぎで役者をこき使ったような演技も、毎回同じようなパターンでそろそろ飽きる。最初はそりゃあ物珍しかったが。

ただいつもとは違う国村や友近の起用はなかなかセンスを感じ、堤とかもいい味だしてた。逆にこれだけいい俳優使ってこのデキは・・・園信者しか絶賛してないんじゃない?

二階堂ふみのエロい雰囲気も、ヒミズとはずいぶん違ってびっくりしました。もはやこの映画は彼女のための映画かなと。こんなにセクシー美人だったかと思うほど演技もキレがあり、映りもよかった。脚本通り、彼女のための映画になっている。

しかしストーリーはもうあるようでないというか、あまりにも脚本の完成度が低いなと、お粗末で、ラストへいくにつれガッカリしました。何が20年越しなの? これ本人の自己満足とコンプ解消のために書いただけのシナリオじゃね?

安直でまったくひねりのないオチ。ほぼ妄想物語みたい。

安易な血しぶきが過剰で、まったくリアリティのない暴力描写、キューブリックのシャイニングをパロったような安易な血だまりのスライディングも幼稚に感じた。

前置きも無駄に長い。この中身のない映画に130分の価値はないです。90分で十分。予告編が一番面白かったパターンの映画です。

今の映画がぜんぜん面白くなくてクズみたいな映画が多くて・・・まさにお前のこの映画じゃないか!w

深夜ドラマレベルの映画でしかないが、なんで本作が海外で評価されるのかよくわかりませんねえ。過去の秀作にだまされてるんじゃないかな、みんな。

才能というのは枯れるものだなとつくづく感じた残念な一本でした。

豪華キャストで見ごたえはありましたが。あと音楽とか、作風や雰囲気時代は悪くなかったですけどねえ。

深夜ドラマを見るかのごとく流し見するなら悪くない、映画館で見る価値のない映画でした。

kojiroh

『ムカデ人間2』(2011年、オランダ・イギリス)―50点。トラウマ必須!モノクロマジキチスプラッター映画


『ムカデ人間2』(2011年、オランダ・イギリス)―91min
監督:トム・シックス
脚本:トム・シックス
製作:イローナ・シックス、トム・シックス
音楽:ジェームズ・エドワード・バーカー
撮影:デヴィッド・メドウズ
編集:ナイジェル・デ・ホンド
出演:ローレンス・R・ハーヴェイ、アシュリン・イェニー etc

【点数】 ★★★★★☆☆☆☆☆/ 5.0点

The Human Centipede II

その突飛かつマジキチな内容から物議を醸したオランダ製ホラー「ムカデ人間」。
独自性の高いアイディアを個人的には笑える内容で映画化していて、ある程度面白かったのだが、その続編をレンタル屋でみつけて、嫌な予感はしつつも鑑賞。

多くの国で上映禁止になった問題作。
監督は前作と同じくトム・シックス。
ムカデ人間、第二章・・・。

<あらすじ>
 ロンドンの地下駐車場で警備員として働くマーティンは映画「ムカデ人間」をこよなく愛していた。勤務中にDVDを繰り返し見るだけでは飽きたらず、マーティンは場面写真や映画の記事をファイルしたスクラップブックを作り、暇さえあれば眺めていた。やがてマーティンの欲望は膨れあがり、ついには自分も実際にムカデ人間を作りたいという衝動に駆られるようになっていく。古い貸倉庫を手に入れ、マーティンは十二人もの人間を拉致するのだった。そして…。
<allcinema>

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なーるほど。

ムカデ人間の続編といっても、その映画を見て影響されて実際にムカデ人間を作るマジキチ男の話になってて、その斬新なアイディアには関心!

だけどそのアイディアが面白さのすべてで、本編の1時間半はマジでつまんねーー!!w てかグロすぎ。スプラッター映画!w

前作のヒットで調子に乗ったのか、トムシックス監督やりたい放題。逆にやるとこまでやっちゃった感じが爽快かもです。

出演のローレンスの気持ち悪さはトラウマ必須。逆にこんだけインパクトあることを絶賛すべきなのかもだが。
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マジキチスプラッター映画なんだが、セリフは少なく、
「ムカデ人は映画だ!(Human centipite is FILM!!)」
と絶叫するシーンなんかは名台詞だと思いました。

意外とこの映画、モノクロで芸術性を追求してるのかもしれない。
薄暗い白黒の工場のような部屋でつながる絶叫する肉の塊・・・ある意味でアート!?

リンチ監督の「イレイザーヘッド」のような悪夢の芸術を描いたのか、あるいは塚本監督の「鉄男」のようなモノクロ悪夢映画か、それとも単なる変態映画か--。

とにかく絶叫とスプラッターで語ります。セリフいらないです。グロいし痛い映画です。これがカラーだったら絶対に見たくないです。ほんと、白黒だからまた見れます。

個人的にはこの挑戦心は評価したいものの、なにぶん、行くとこまで行き過ぎた変態映画です。見ないほうがよかったかもという気持ちもありつつ、この変態の突き抜けっぷりは、マジキチすぎる。

だがトラウマになるほどの、この世の終わりのような次元の変態さをモノクロフィルムに映したことは評価すべきなのかもしれない。

ネタバレすると、異常なオナニー、実物のムカデ、妊婦、舌カット、素人のマーティンが素人道具でムカデ人間を作るグロさと絶叫。この世とは思えないほどグロいです。

前回は実はすごく商業的というか、ヨーゼフハイター博士の笑いを誘うような描写が多く、いようながらもポップな部分もあったが、今回は完全にぶっ飛んだマジキチエログロ映画っすね。

ラスト、ああ、もう文章にもしたくないが、完成したムカデ人間とのあんなことこんなことシーンはグロ映画歴史に見るキチガイっぷりですね。
もう気持ち悪いけど、笑いました。笑うしかないほどマジキチなんでw

とりあえず、見た翌日、悪夢を見ました。

イレイザーヘッド、鉄男を超えるモノクロマジキチ映画です。

21世紀の映画の中でもっともマジキチな映画で間違いないです。ムカデ人間1よりクレイジーでした。

「The Human Centipede III (Final Sequence)」も制作されているそうだが、マジキチ映画だと分かっているが、レンタル屋に並んだらまた借りてしまいそう。

見たら見たで後悔することはわかっていつつも・・・。

kojiroh

『ミュンヘン』(2005年、アメリカ)―55点。スペクタクル大、だが陳腐な暗殺と陰謀

『ミュンヘン』(2005年、アメリカ)―164min
監督:スティーヴン・スピルバーグ
脚本:トニー・クシュナーエリック・ロス
原作:ジョージ・ジョナス『標的は11人 モサド暗殺チームの記録』
出演者:エリック・バナ、ダニエル・クレイグ、マチュー・カソヴィッツ、キーラン・ハインズ

【点数】 ★★★★★☆☆☆☆/ 5.5点

「シンドラーのリスト」「プライベート・ライアン」のスティーヴン・スピルバーグ監督が、暗殺部隊の元メンバーの告白を基にしたノンフィクション『標的(ターゲット)は11人 モサド暗殺チームの記録』を映画化。

シンドラーのリストに続き、ユダヤ人である監督が、イスラエルとパレスチナの問題を取りあげた衝撃作!・・・ということで今更ながらレンタルで鑑賞してみた。

 ●あらすじ
1972年9月5日未明、ミュンヘン・オリンピック開催中、武装したパレスチナのテロリスト集団“黒い九月”がイスラエルの選手村を襲撃、最終的に人質となったイスラエル選手団の11名全員が犠牲となる悲劇が起きた。これを受けてイスラエル政府は犠牲者数と同じ11名のパレスチナ幹部の暗殺を決定、諜報機関“モサド”の精鋭5人による暗殺チームを秘密裏に組織する。チームのリーダーに抜擢されたアヴナーは祖国と愛する家族のため、車輌のスペシャリスト、スティーヴ、後処理専門のカール、爆弾製造のロバート、文書偽造を務めるハンスの4人の仲間と共に、ヨーロッパ中に点在するターゲットを確実に仕留めるべく冷酷な任務の遂行にあたるのだが…。
<allcinema>

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はい、1972年にこんなミュンヘンオリンピックでのテロ事件があったなんて知らなかったの、非常に興味深い内容ではありました。
がしかし、内容はぶっちゃけ、ある意味、宇宙戦争よるがっかり。
ていうか色々突っ込みどころがあるが、タイトルがもうダメ。
ミュンヘンオリンピックの事件を発端としただけで、ぜんぜんミュンヘン出てこないやないか!なんでこのタイトルにしちゃったんだろう?

ドキュメンタリーのようなタッチで、殺害される場面もえぐい描写が意外にリアルに描かれてまったく商業的なノリではないのだが、なんかテンポが悪い。160分以上あるのがそもそも本作の失敗である。

主人公が苦悩したり、オランダ人の謎の美女への復讐に燃えたり、本作の盛り上がり場所や見せ場もよくわからない。

ユダヤ人監督がパレスチナ問題描いた?

確かに中立的に描いているようには思うが、祖国を持たないイスラエルが可哀想アピールの方が当然のごとく強い。テロでも殺戮されて、次々に新しい暗殺者が出てくるし、泥沼になっている。・・・世界の覇権を握っているとされるユダヤ人、祖国とはそんなにいいものなのか?・・・個人的にはこうした問いかけはあまり新鮮にも面白くも写らなかった。大スペクタクルな映画として描くにはちょっと退屈とでは言おうか。

暗殺者の苦悩や罪悪を描くにしても、シチエーションからストーリーまで、別のこのミュンヘン事件でなくても、いくらでもテーマとして多い陳腐な内容であり、もっと面白くてよくできた、「暗殺者の苦悩」映画は沢山あると思った。

ただ遠方からカットを交えず、ズームアップで移動する車や人物を追った、スピルバーグの芸術的なショットは非常によかった。だがそれぐらいしか本作は褒めるところが見つからない、なんでしょう、商業的にヒットするにはちょっとテーマも暗すぎる、全般的に中途半端で陳腐な一作でした。

kojiroh

『劇場版 SPEC〜天〜』(2012年、日本)―50点。ドラマは傑作、映画は・・・、残念な堤幸彦監督作

『劇場版 SPEC〜天〜』(2012年、日本)―119min
監督:堤幸彦
脚本:西荻弓絵
製作:植田博樹、今井夏木
音楽:渋谷慶一郎、ガブリエル・ロベルト
出演者:戸田恵梨香、加瀬亮、福田沙紀、神木隆之介、栗山千明、伊藤淳史、竜雷太 ETC

【点数】 ★★★★★☆☆☆☆☆/ 5.0点

最近、ネットで980円で視聴可能なHULUにはまっているのだが、そこで知り合いがハマッていることで知った、話題のドラマ「SPEC」。

1999年の傑作ドラマ「ケイゾク」の続編的要素の新作が出ていたのかと興味を持ち、軽い気持ちで見てみると・・・大はまり!!

戸田恵梨香ってこんないい女優だったけ?
とにかくキャラと世界観がツボすぎ。名探偵・当麻と相棒の瀬文(加瀬)の名コンビっぷりは過去の中谷美紀と渡部篤朗を超えてるぜっ!さらにサイコな雰囲気はまるで漫画の『幽遊白書』の仙水編のような特殊能力者との戦い、「ケイゾク」と「トリック」のミステリーと、パロディ満載のユーモアの最骨頂が「SPEC」だ!!

以上のような興奮があった、今年見た一番面白かったドラマが「SPEC」です。
映画版もHULUに登場していたので、期待を胸に鑑賞することにしたのだが・・・。

●あらすじ
通常の捜査では解決できない特殊な事件を扱う部署“警視庁公安部公安第五課未詳事件特別対策係”、通称ミショウ。ある日、海上に漂うクルーザーから多数のミイラ化死体が発見される。スペックホルダーの関与が疑われる中、瀬文焚流とともに捜査を進める当麻紗綾。そんな彼女の前に、死んだはずのニノマエが姿を現わす。やがて事件は国家規模の様相を呈していくのだが…。
<allcinema>

さて、所感、SPECの世界観は存分に楽しめて、当麻の戸田も相変わらずいい演技をしてて面白くて可愛いが・・・がっかりでした。
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「キルビル」のパロディのユーモアで登場する栗山千明、正直、本作で登場したキャラはそんなに冴えてない。スペシャルドラマの「翔」で登場した北村一輝とでんでんのような飛びぬけた怪演で笑わせるようなネタはない。

本人役で登場するイトウアツシ。なぜこいつなの? 微妙に配役が笑えない。安っぽい、薄っぺらい。
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無駄に「幽白」の戸愚呂 弟のようなCGを使ったモンスターなスペックを披露してくれるけど、はっきりいって興ざめだった。安っぽいスペックタクルアクションはSPECにはいらない。

なんというか、スケールを大きくしすぎてスベった感じ。
「ケイゾク」の映画もそうだが、ドラマでは素晴らしいのに映画の枠にしたとん失速する堤監督って一体なんなの? てかカネ儲けで作っただけで、ドラマのときはあまりその後を考えてなかったんじゃないかね。そのぐらい、ヒットしたから後付けで作りました感が満載。

ドラマが素晴らしいので、本当に脚本とか担当してる人がまとめて変わったんじゃんじゃないと言うほど、シナリオがダメ。主演の人々のドラマも安っぽくてクサイ。

何度も言うが、ドラマ10話~「翔」までは傑作だった。多分、当初のネタはここで完結してたがヒットしたから後付けで頑張ったんじゃないかと思えるほど、スケールが大きくなりすぎて収集つかなくなってる感じ。予言とかバチカンとかぶっちゃけ蛇足。

一番面白かったのは、こういう最初の遊びシーンだった。
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そして最後の怪演を見せる椎名桔平。
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津田助広の設定も、パブリックドメインとしての存在意義がよくわからないかんじになっていて、特別出演というサイコで謎めいた雰囲気がなくなったのも残念だなあと。

ネタばれになるのでこれ以上はやめとくが、とりあえず後付で作った残念な期待はずれな「SPEC」でしたと。ドラマは本当に面白かったんだよっ!

堤監督の映画には今後期待しません。

kojiroh

『Somewhere』(2010年、アメリカ)―50点。史上ワースト候補のベネチアグランプリ受賞作


『Somewhere』(2010年、アメリカ)―98min
監督:ソフィア・コッポラ
脚本:ソフィア・コッポラ
製作:ソフィア・コッポラ、G・マック・ブラウン、ロマン・コッポラ
音楽:フェニックス
出演者:スティーヴン・ドーフ、エル・ファニング、クリス・ポンティアス etc

【点数】 ★★★★★☆☆☆☆☆/ 5.0点

「ロスト・イン・トランスレーション」「マリー・アントワネット」のソフィア・コッポラ監督が、すさんだセレブ生活を送る映画スターと娘との交遊を描く、最新作にして、2010年のヴェネチア国際映画祭金獅子賞受賞作。

前評判は悪いが、ふらっとレンタル屋に置いていたので衝動に駆られて見てしまったが・・・。

●あらすじ
 ハリウッドの映画スター、ジョニー・マルコ。ロサンゼルスのホテル“シャトー・マーモント”を住まいに、高級車を乗り回してはパーティーで酒と女に明け暮れ、まさにセレブらしい派手な生活を送っていた。しかし、それはいずれも孤独な彼の空虚感を紛らわすだけに過ぎなかった。ある日、ジョニーは前妻と同居する11歳の娘クレオを夜まで預かり、親子の短いひとときを過ごす。それからほどなくして、自堕落な日常へ戻っていた彼の前に、再びクレオが現われる。前妻が突然家を空けるため、今度はしばらくの間、娘の面倒を見ることに。やがて、授賞式出席のためクレオと一緒にイタリアへと向かうジョニーだったが…。
<allcinema>

所感、なにこのオナニー映画・・・これがベネチアグランプリって正気か?笑
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どうもタランティーノ監督が審査院長で、ソフィアコッポラがモトカノで、未練たらたらで受賞させてしまったとか・・・しかし正気の沙汰とは思えないほど面白くもなんともない陳腐な映画だったので驚く。

すいません、ぶっちゃけ退屈で途中、何度もビデオ停止しました。これを劇場でみたらもっとキレてたと思います(笑

セレブな生活の一面として、FooFightersのMy heroが流れるところで淡々とダンスに興じる女性と怠惰な空っぽの主人公ジョニーのシーンはとても印象的だった。
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そこから何かが動き出す・・・みたいな展開なら面白かったんだが、本作はとにかく何も起こらなすぎ。オリジナル脚本とか言っても、ストーリーなんて即興でも作れる程度のお粗末な、あるようでないようなもの。

これを映画と言っていいのか。まあ筋はあるけど、要するに、社会的に成功してセレブの仲間入り、愛車はフェラーリ、遊ぶ女には困っていない、でも、何か足りない、どこかむなしい。そんな男が娘と過ごす時間が、妙に充実して満たされる。それはなぜだろう?・・・っていうことを表現したかったアート作だと思うのだが、ちょっと本作は陳腐で冗長すぎて、あまり汗をかいてない手抜きかなと。

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退屈で空虚な日々を描く作品は、文学にしても映画にしても、手抜きの作品が多い。というより製作者自身の日常を描いている部分が多く、それ自身がひねりがなく怠惰な創作であり、受け手にとってもひどく退屈だ。

ラストシーンも、なんかギャグとしか思えないほど安直。
でもセレブシーンでうなるフェラーリとか、セレブシーンはいい映像もあったので、見る価値なしとは思わないが好き嫌いは相当分かれるだろう。8割の人は嫌いだろうが。

とにかくこの作品にグランプリあげちゃいけなかったことだけは疑いようがない。

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見終わった後の気持ちは、こんなシーンがまさにそれ。これはこれでよかったけれど・・・、

kojiroh

『コクリコ坂から』(2011年、日本)―50点。今の時代に見る必然性を感じない映画


『コクリコ坂から』(2011年、日本)―91min
監督:宮崎吾朗
脚本:宮崎駿、丹羽圭子
出演者:長澤まさみ、岡田准一他 etc

【点数】 ★★★★★☆☆☆☆/ 5.0点
※リアルタイム映画批評

さて、随分前にリアルタイムで劇場で鑑賞して、あまりアップロードにする気になれない一本だったが、ちょっと時間ができたので頑張って更新してみることに。

さて、『コクリコ坂』は、宮崎吾朗監督の「ゲド戦記」に次ぐデビュー2作目となる長編アニメーション。1963年の横浜を舞台に、学生運動に身を焦がす若者たちの姿を描く。
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◎あらすじ
1963年、横浜。港の見える丘に建つ古い洋館“コクリコ荘”。ここに暮らす16歳の少女、松崎海は、大学教授の母に代わってこの下宿屋を切り盛りするしっかり者。あわただしい朝でも、船乗りの父に教わった信号旗(安全な航行を祈る)をあげることは欠かさない。そんな海が通う高校では、歴史ある文化部部室の建物、通称“カルチェラタン”の取り壊しを巡って学生たちによる反対運動が起こっていた。ひょんなことから彼らの騒動に巻き込まれた海は、反対メンバーの一人、風間俊と出会い、2人は次第に惹かれ合っていくのだが…。
<allcinema>

うん、いい映画だと思う。
ジブリの世界だ。主題歌の古臭さとか、世界観がノスタルジックであり、「上を向いて歩こう」という古い昭和の希望に満ちている。ストーリーもいいよ。面白いよ。絵のタッチもいいしね。ほのぼのしていて癒される。
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しかし、なぜ今の時代にこの映画なのか。
ずばり、この映画を現代の日本で作る必然性を何も感じないのだ。

つまり、過去の美化に溺れている場合じゃない。

映画というのは今の時代に対する何かしらのメッセージがないといけない。しかしこの映画にあるのは、ひたすら昭和の戦後の日本の最成長期への憧れに過ぎない。

あの時代に帰るんじゃない、今の時代を創造し、人々に新しい生き方を示さなければ、今映画を作る理由もないじゃないか。

つまりこの「コクリコ坂から」にあるのは、過去の栄光への逃避、なのである。それは決して新しい生き方を示していない。先行きの分からないこの日本社会において新しい生き方を示すのではなく、過去の栄光へと浸ることで現実逃避するような映画なのだ。昔はすごかったぞ、だから今も昔のように頑張れ!という非常に安直なメッセージなのである。

昭和の時代の頑張りを今の時代に輸入して再現してうまくいけば苦労しないですよね、所詮は過去の栄光にすがる弱さのようなものを感じてしまう映画であった。

ある人が、本作のことを、「賞味期限切れの幕の内弁当」だと言っていた。
言い得て妙で、つまり品質は高いが、作る時期を間違えてしまった。

というわけで筆者は劇場で観てしまったので、そこまでして観る価値はなかったので5点。悪い映画じゃないです。毒がなくていい話ですが、毒がないのもまた問題かなと。まあ完成度は高いのでビデオで見るなら十分な映画でしょう。

kojiroh