『ジュラシックワールド』(2015年、米)―65点。みんな大好き恐竜映画、健在。


『ジュラシックワールド』(2015年、米)―128min
監督:コリン・トレボロウ
脚本:リック・ジャッファ、アマンダ・シルヴァー、コリン・トレボロウ、デレク・コノリー
原案:リック・ジャッファ、アマンダ・シルヴァー
原作:マイケル・クライトン (キャラクター原案)
出演:クリス・プラット、ブライス・ダラス・ハワード、ジュディ・グリア、ローレン・ラプクス、ジェイク・ジョンソン、ヴィンセント・ドノフリオ・・etc

【点数】 ★★★★★★☆☆☆/ 6.5点

今年目玉のクソ映画!!スペクタクル。
制作費1.5億ドルで、大ヒットを記録している、スティーブン・スピルバーグ監督によるメガヒット作「ジュラシック・パーク」のシリーズ4作目。14年ぶりの新作で、スピルバーグ製作総指揮。

背景はよくわからないが、飛行機の中で発見して鑑賞した。

◎あらすじ
事故の起こった「ジュラシック・パーク」にかわり、新たにオープンした「ジュラシック・ワールド」では、ジャイロスフィアという球体の乗り物でめぐる恐竜見学や、モササウルスの水中ショーなどで人気を博していた。さらなる人気を獲得したい責任者のクレアは、飼育係オーウェンの警告も聞かず、遺伝子操作により、凶暴で高い知性をもった新種の恐竜インドミナス・レックスを作り出すが……。

さて、やってきました。リアル・ディノクライシスという感じでしょうか。

新種の生物兵器が大暴れしてくれて、お約束な展開の連続ですが、野生を見方にした主人公が奮闘します。もう最高、クソ映画要素ばかりで。

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主人公とラプトルの友情なんかは、見ててベタだが面白いですねえ。

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しかし科学者の美女と、その親戚の子供が遊びに来て事件に巻き込まれるとか、色々とできすぎてて、いかにもアメリカンクソ映画って感じです。

しかし、多種多様な恐竜が登場し、本当に迫力満点でした。
ジャイロスフィアなど小道具もよくできてるなと。2015-11-24_153108

ビジネスとして投資していた人のヘリが落下してしまうシーンなんか、投資家の死があまりにかわいそうでした。いや、てか投資家があんな勇敢に出陣しねえだろwと、本当に色々と突っ込みどころ満載でした。

最終的に盛大にジュラシックワールドが崩壊してゆく、その流れが緊張感満載で、楽しめました。オチもベタベタですが。

だが注目すべきは、フルメタルジャケットで有名な、ヴィンセント・ドノフリオの役どころですかね。彼はいつも汚れ役だが存在感見せてくれる。生物兵器利用を企む野心、そしてラプトルとの最後のオチはベタベタですが、笑いました。

ほんと、リアルディノクライシスのスリルとベタベタに死んでいく人ばかりで笑えました。これぞクソ映画!!映画館行く価値ありますね。

世界中でヒットしていることを見ると、ジュラシックパーク映画ビジネスはまだまだ投資としても未来は明るいなと思った次第です。

kojiroh

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『ブエノスアイレス』(1997年、香港)―60点。伝説的ゲイ映画@香港


『ブエノスアイレス』(1997年、香港)―96min
監督:ウォン・カーウァイ
脚本:ウォン・カーウァイ
製作:ウォン・カーウァイ
音楽:ダニー・チョン
撮影:クリストファー・ドイル
出演:レスリー・チャン、トニー・レオン、チャン・チェン etc

【点数】 ★★★★★★☆☆☆☆/ 6.0点

HAPPY TOGETHER―原題。
ゲイ映画として有名な香港映画。舞台はブエノスアイレス。
監督はウォンカーウェイで超豪華なメンツ。
香港通な筆者だが、そいえば見てなかったのでレンタル屋で見つけて鑑賞。

●あらすじ
南米アルゼンチンへとやってきた、ウィンとファイ。幾度となく別れを繰り返してきた2人は、ここでも些細な諍いを繰り返し別れてしまう。そして、ファイが働くタンゴ・バーで再会を果たすが…。
<allcinema>

即興的で成り行きで香港の地球の裏側にきてしまったゲイカップル。
イケメン2人のラブシーン満載です。よくこんな映画作ったなと、商業的にありかいこれ、さすが自由国家・香港。

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しかし個人的に中華権のゲイ映画なら、スプリングフィーバーの方がだいぶ上の水準を言っているように感じる。

ウォンカーウェイの映画って当たり外れでかいんすよね。即興がほとんどみたいな内容で、脚本は手抜きというかあるようでないもの。

この手の映画製作は好き嫌いと当たり外れがでかい。
案の定、トニーレオンの語り口で、香港の裏側のブエノスアイレス+ゲイっていう設定はすばらしいのだが、それ以上のものがあるかというと少し微妙。

いいシーンはすばらしいと唸るシーンは多いのだが、積み重ねたタバコや、モノクロでのゲイベットシーン、言葉をレコーダーに吹き込む場面、足元で反転する香港など、日常の中の何気ないシーンが印象に残る。

とりあえずゲイのいざこざはいくら伝説的俳優のレスリーチャンでもおなかいっぱいです。

kojiroh

『ハングオーバー!!! 最後の反省会』(2013年、アメリカ)―65点。普通のアメリカンバカコメデになったハングオーバー最終章


『ハングオーバー!!! 最後の反省会』(2013年、アメリカ)―100min
監督:トッド・フィリップス
脚本:トッド・フィリップス、クレイグ・メイジン
出演:ブラッドレイ・クーパー、エド・ヘルムズ、ザック・ガリフィアナキス、ケン・チョン etc

【点数】 ★★★★★★☆☆☆/ 6.5点

夜な夜な無性にクソみたいな映画が見たくなってツタヤを徘徊していて発見したのがハングオーバー3。

バンコクが舞台で劣化した前作で、このシリーズは終わったのかと思っていたが、最終章・・・どうせクソなんだろうなと思って鑑賞した。

●あらすじ
問題児アランの奇行は止まるところを知らず、ついに父親がショックのあまり他界。もはや面倒を見きれなくなった義兄のダグは、フィルとステュに手伝ってもらい、アランを施設へ収容することに。ところが、その道中で大物ギャングのマーシャルに襲われる。マーシャルはダグを人質に取り、助けてほしければ金を盗んだチャウを捜し出せと命じる。なんで自分たちがといぶかるフィルたちだったが、アランの携帯にはしっかりとチャウからのメールが。またもやアランのせいでトラブルを背負い込むハメになったフィルとステュ。ダグを助け出すため、やむなく3人でチャウの行方を追うのだったが…。
<allcinemaより引用>
さて、ラスベガスが舞台だったハングオーバー第一作から、バンコクへ舞台を移して、やや無茶ある設定とお約束な展開の焼き直しで劣化気味なハングオーバー。

もうこれ以上ないだろと思っていたが、あるならどうせ焼き直しみたいな形での完結編のPART3かと思っていた。
一体、次はどこ? 香港マカオ?プラハ?・・・そんなことを考えて知識0で、クソだろうと思ってみたのだが、今回はお約束な謎解きの展開というより、ハングオーバーシリーズの流れを引き継いだサスペンスコメディになってて意外と面白かった。

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ああ、そう来ましたかという。
まあパロディ映画みたいな感じっすね。

お約束な展開が最初から始まり、ショーシャンクか!とツッコみたくなる脱走劇から始まり、キリンのクビチョンパはアメリカ風なアホさだが、個人的にはかなり笑えました。

なので、ハングオーバーシリーズのキャラで、「ダッカーとデイル~」みたいな最高にツイてない奴等の奮闘コメディが展開されるみたいなノリ。

個人的にはかなりツボで、NINのハートを情緒豊かに歌っていたり、ベガスのゴールドショップの出来事など、なんだか本作のノリは前作よりも意外性があって面白かった。

まあ、典型的なアメリカンジョーク聞きまくりなオバカコメディなんですが、深夜に馬鹿なノリでさくっと見るには悪くない一品でした。

うーん、やはり特にHurtの引用ですね、キモは。完全に個人的な趣味ですが。それ以外は特に言うことはありません。

kojiroh

『キャピタリズム〜マネーは踊る〜』(2009年、アメリカ)―65点。ムーア流・金融危機ドキュメンタリー


『キャピタリズム〜マネーは踊る〜』(2009年、アメリカ)―120min
監督:マイケル・ムーア
脚本:マイケル・ムーア
製作:マイケル・ムーア、アン・ムーア
製作総指揮キャスリーン・グリン、ボブ・ワインスタイン、ハーヴェイ・ワインスタイン
音楽 ジェフ・ギブス


【点数】 ★★★★★★☆☆☆/ 6.5点

Capitalism A Love Story
「ボウリング・フォー・コロンバイン」「華氏911」のマイケル・ムーア監督が、デビュー作の「ロジャー&ミー」以来20年ぶりに経済問題をテーマに描くドキュメンタリー。

Huluで発見して鑑賞した。なかなかユニークな金融危機ドキュメンタリーをムーア節・センス満載に見せてくれる。2014-01-07_180054

◎あらすじ
2008年9月、信用リスクの高い住宅ローンである“サブプライムローン”問題が顕在化し、世界有数の証券会社リーマン・ブラザーズが破綻、これを契機に金融危機が巻き起こり、世界は空前の大不況に陥った。アメリカの一般庶民の中には、一夜にして職も自宅も失い路頭に迷う人々が続出する。対照的に、そのサブプライムローンで暴利を得てきた巨大金融機関には、救済を目的に国民の血税が大量に投入される皮肉な事態が巻き起こる。どうして、アメリカの資本主義(キャピタリズム)は、こんな不条理なことになってしまったのか。その答えを求めて、ニューヨークのウォール街へと乗り込んでいくマイケル・ムーア監督だったが…。<Allcinemaより>

キリストの時代からルーズベルトの時代まで遡り、現代の詐欺同然の金融商品がはびこっているアメリカの狂った部分をコミカルかつわかりやすく解明してゆこうとする試みが本作だ。2014-01-07_181045

差し押さえの話から始まり、人情味がなく拝金主義で庶民から詐欺のように金を強奪している銀行、その銀行に対して金融緩和を進めてさらに銀行を設けさせている実態を、政治関係者のインタビューや、銀行との癒着の実態を解明してゆく。

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「デリバティブ」とは何か?要するに複雑な賭けの仕組み。銀行は、金融緩和は市場を目に見えないカジノにした。非常にわかりやすく、デリバティブが何かを語ってくれる。

今でさえ、リーマンショックから5年ほど経つからこそ、その金融危機の仕組みはよく言われているが、この当時で見たらきっと興味深い内容だったと思う。『インサイドジョブ』と同様、その手のドキュメンタリーとしては一見の価値ありといったところだろうか。2014-01-07_181115

そして「ぼくらの税金を返せ!」「市民逮捕する」と糾弾しにウォールストリートへ出向き、トラックに乗り込み突撃するマイケルムーアの姿は本気で笑いを誘う。すごくシュール。シッコでも同様、あの巨体で動き回るムーア監督の勇士は相変わらず見もの。

とにかく音楽のセンスから、歴史的映像やキリストの引用、差し押さえ現場の実態などをフィルムに焼き付けて2時間にも渡り1つの拝金主義のラブストーリーを焼き付けたことに本作の意義があるだろう。

だが、現在はすでに金融緩和も終わりを迎えて再びアメリカの経済が復活しそうな兆しを受けて株式バブルがおきつつある昨今なので、ここで言った内容が今後どのように再評価されるのかは、もうすこし経たないと分からないことかもしれない。

資本主義、社会主義、こうした大きいテーマはムーア監督がやるには少し重すぎたかもしれない。シッコとかボーリングコロンバインのような、スケールの問題を扱うのがやはりムーア監督の技量が最も活きるかなと。

しかしムーア監督はあれだけパワフルに動いているのに、なんであんなに太っているのか?彼自身も映画で私腹を肥やしている拝金主義者なのでは?・・・そんな下らないことをついつい考えてしまう。

kojiroh

『バイオハザードⅤ リトリビューション』(2012年、アメリカ)―60点。セクシー美女ゾンビ映画と化したバイオ最新作

『バイオハザードⅤ リトリビューション』(2012年、アメリカ)―96min
監督:ポール・W・S・アンダーソン
脚本:ポール・W・S・アンダーソン
製作:ポール・W・S・アンダーソン、ジェレミー・ボルト、ドン・カーモディ
音楽:トムアンドデイ
出演者:ミラ・ジョヴォヴィッチ、ミシェル・ロドリゲス、シエンナ・ギロリー、ケヴィン・デュランド、ショーン・ロバーツ、ボリス・コジョー、リー・ビンビン、中島美嘉 etc

【点数】 ★★★★★★☆☆☆☆/ 6.0点

実写映画版・バイオシリーズ5作目。
ミラジョボヴィッチ主演、P・W・アンダーソン監督の夫婦コンビによる新作、さらにミッシェルロドリゲスも復活、ジル役のシエンナギロリーもまさかの再登場!

まあ話題満載だが、どうせ今回もクソだろうなと思って劇場は行かなかった。
でも、やっぱりなんだか見たくなるバイオシリーズ最新作。
作るたびにヒットは飛ばすが、圧倒的な勢いで劣化していると感じているし、映画通からの評判もよくないが、絶対後悔すると思いつつもレンタル屋に並んでいたら手に取ってしまう・・・。

●あらすじ
アンブレラ社が開発したT-ウィルスが地球上に蔓延し、地球人口の大多数はアンデッドへと姿を変えていた。人類最後の希望の星であるアリス(ミラ・ジョヴォヴィッチ)はアンブレラ社の最高機密であるオペレーション施設に侵入、自らの謎めいた過去を知り、覚醒する。滅亡の危機を引き起こした人物を探し続け、東京、ニューヨーク、ワシントンDC、そしてモスクワにまでその追跡は及び、世界中のどこにも安全な場所がない中、やがて新しい同盟軍と親しい友人たちに支えられながら、アリスは崩壊寸前の世界から脱出する。しかし、今まで真実だと思っていた全てのことを覆す驚くべき新事実が明らかになる……。
<Kinenoteより引用>

結論を先に言うと、やっぱりクソだった。
クソ映画『ISO』のようなパラレルワールドでの戦い。

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過去の回想か現実か分からなくなるような、過去のキャラクターの蒸し返し。地下のアンブレラ社を舞台にし、過去の最高傑作である初代を焼きなおしたような脱出劇が繰り広げられる。

バイオシリーズはどこで失敗したのか?――クローン人間を登場させた時点で、無限に登場人物の再生・再登場が可能になるので、なんつーかキャラが無敵になりすぎてまじでサバイバルゲームとしての面白みがなくなったといえる。

最初はうんざりしそうになった・・・でもいいや。これがバイオクオリティー。
ぼちぼちカネかかってるから迫力あるし。見てるうちにだんだん過去シリーズの懐かしさを感じるし、意外に5は哀愁あるな、ジル再登場でセクシーだし。エイダ・ウォンもリービンビンが頑張ってるし、全般的にセクシー美女ゾンビ映画みたい。

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中島美嘉もなにげにゾンビ役頑張ってるし、なんつーか総集編みたいなデキ。

2013-10-08_162611ロドリゲス姉さんもカムバック。クローンだけど、ヒット作の名わき役ヒロインがまた派手にアクション、最後はプラーガかよw もはやゴジラ映画の定番の敵役・キングギドラみたいな扱いになりつつある。

前作の脇役で、わりと地味に輝いていたルーサーも生還!
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レオン役もなんかそれっぽい。とりあえずエイダとレオンが登場してゲームのファンとしてはニヤリと。
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音楽も前作ひき続きかっこいい。
トムアンドデイの電子ロックみたいな。
全般的にこのセンスはいい。Coolな音楽とスタイリッシュなアクション。さらにセクシー美女。なんでこんな薄着で谷間見せまくりでアクションしてんの?と、まあゲームだからいいでしょ!w2013-10-08_121052

どんどんクソになるけどいいや。
バイオの世界観と美女が織り成すゾンビバトルを楽しめたからなっ。
(もはや見所そこしかない?w)

kojiroh

『永遠の僕たち』(2011年、アメリカ)―60点。日本人ゴースト×ピュアな異色のラブストーリー


『永遠の僕たち』(2011年、アメリカ)―90min
監督:ガス・ヴァン・サント
脚本:ジェイソン・リュウ
出演:ヘンリー・ホッパー、ミア・ワシコウスカ、加瀬亮 etc
【点数】 ★★★★★★☆☆☆☆/ 6.0点

原題―RESTLESS。
カンヌ映画祭でパルムドールを受賞したアメリカの新鋭、ガス・ヴァン・サント監督による異色のラブストーリー。
デニスホッパーの息子のヘンリーホッパーが主演。加瀬亮も共演。
カンヌ映画祭のある視点部門での上映。
色々と話題性のある一作、果たしてその中身は・・・。

◎あらすじ
交通事故で両親を失い、自身も臨死を体験した少年、イーノック。以来、日本人の特攻青年ヒロシの霊が見えるようになり、今では唯一の話し相手となっていた。すっかり死にとらわれてしまった彼は、見ず知らずの故人の葬式に紛れ込むことを繰り返していた。ある日、それを見とがめられた彼は、参列者の少女アナベルに救われる。彼女は余命3ヵ月であることをイーノックに打ち明け、2人は急速に距離を縮めていく。そしてそんな2人を、イーノックの傍らでヒロシが優しく見守るが…。
<Allcinemaより引用>

非常にピュアで、美しい愛の物語だ。
テーマは永遠に続く魂ってところか。ベタな余命がわずかな少女との愛を異色なシチュエーションで描く。

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さらに日本のカミカゼのゴーストが登場しつつ、設定が異質でありつつもうまくストーリーが機能しているところが、オスカーにもノミネートされるガスヴァン・サント監督の技量であろうか。

日本人兵に扮した加瀬亮の堪能な英語の演技もみどころ。

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しかし、「エレファント」や「パラノイドパーク」など、独自の世界観や後ろ姿の神秘的な空気を醸し出すような作風は、本柵では影を潜めている。カメラワークが今までの作品に比べると、どうも冗長。ストーリーで見せる作品なのだろうが、本作ではサント監督は過去の作家性のある作品と違い、脚本を手がけていない。

もしかすると、完全なる雇われ作品として作っただけ?

90分という尺で見せるところを見せてるのはいいけれど、登場人物もおしゃべりが少し過剰で、寡黙な過去の芸術作にくらべると、少し中途半端でがっかりというのが素直な感想である。

まあ、それでも遊びっぽい、交通事故のチョークの白いラインの中で2人で入るショットなどは絵画的でもあり、面白い。

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ハロウィンでの日本軍と着物のシーンなど、日本人から見ると興味深い日本カルチャーの輸出が垣間見れる。

しかしなぜ日本の亡霊なのか。カミカゼなのか。
ひとえに現代のアメリカ社会に批判的なメッセージを他の作品でも漂わせるサント監督自身の、アメリカへの批判と日本への羨望が、今回の出演に繋がったのではないかという気がする。

しかしどうなのだろう、本作のゴーストが、日本人兵である必然性をあまり感じない。やはり、製作者の趣味趣向かなと思わざるを得なかった。

kojiroh

『ゼロ・ダーク・サーティ』(2012年、アメリカ)―65点。プロバガンダ的 0時30分作戦

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『ゼロ・ダーク・サーティ』(2012年、アメリカ)―158min
監督:キャスリン・ビグロー
脚本:マーク・ボール
出演:ジェシカ・チャステイン、ジェイソン・クラーク、ジョエル・エドガートン etc

【点数】 ★★★★★★☆☆☆/ 6.5点
※リアルタイム映画評

アカデミー賞5部門ノミネート。ラディン氏暗殺の裏側、実話をベースにした話題作。ジェシカ・チャステイン の主演が鬼気迫る演技と評判で、傑作「ハートロッカー」のキャスリン・ヒグロー監督だと期待して新宿ミラノ座の映画館にて鑑賞。

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◎あらすじ
9・11テロ後、CIAは巨額の予算をつぎ込みビンラディンを追うが、何の手がかりも得られずにいた。そんな中、CIAのパキスタン支局に若く優秀な女性分析官のマヤが派遣される。マヤはやがて、ビンラディンに繋がると思われるアブ・アフメドという男の存在をつかむが……<映画.COM>

しかし所感、ちょっと期待はずれ。てか長すぎ。
戦争アクション映画というか、もはやCIAの諜報室での出来事を描いた人間ドラマのような内容で、意外と動きがなく退屈してしまった。
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うーん、この内容なら、2時間ちょっとで十分だろと。

パキスタンから始まるジェシカのストイックな諜報員としての飛躍と変容っぷりは必見であったが、どうも「ハートロッカー」に比べるとまとまりなくグダグダ。冒頭の30分ぐらいが一番よかったが、段々ぐだぐだになる。盛り上がる前兆は感じたのだが・・・後半はちょっと冗長すぎる。長官とか偉い人とか無駄に登場しすぎ、最後もあまりに虚無的なほどあっさりしすぎ。

まとめると、なんとも余韻が残らない映画であった。

今年度のアカデミー賞で競った「アルゴ」とも被る、中東とCIAという題材であるが、両者とも気味が悪いほどCIAを正義の悲劇の主人公として描いていおり、政治的な米国礼賛の流れを感じ、違和感大。もっと裏の裏まで描いているのかと思いきや、少し普通すぎた。正当な流れすぎた。

よく言われるが、本作も、そして「ハートロッカー」も、「アルゴ」も、すべてCIAのプロバガンダ的な映画である。敵対している中東を悪魔のように描き、悲劇の主人公が戦争や暗殺を正当化し、正義にする、という。ただわたしは別にそれが悪いとも思っておらず、洗脳映画であろうと2時間楽しめればそれでいい。「ハートロッカー」にはドキュメントとエンタメ要素があったが、本作「ゼロダークサーティー」はあまりに淡々とし過ぎている。
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さらに「アルゴ」のようなテンポのよさやスピード感はなく、娯楽性にも乏しく、なんとも軍事マニアが喜びそうな、泥臭い中東のCIA諜報員の活動を長期に渡ってドキュメントした内容で、エンタメ性はなく、一般受けはしないだろう。(それでもラディン暗殺という話題性はアルゴ以上かもしれない)

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とは言っても、唐突に危機が迫る自爆テロシーンの迫力など、絶望感と緊張感が絶えず、何が起こるかわからないドキドキ感はあった。全編を通じた緊張感や、米国VSアルカイダのパキスタン・ドキュメントとしてはまあまあ秀作であるとは思います。ジェシカの演技を楽しむだけでも価値はある。

特に、女性監督が描いているとは思えない重厚さ。男社会で使命を全うする、このジェシカ演じるマヤの姿は、まさに孤高のヒグロー監督そのものなのではないかとも思える。最後の涙の意味とは・・・。

とまあ、良い部分もあったわけだが、残念ながら、私としてはわざわざ劇場で見る価値はなかったと言わざるを得ない。特に上映時間長すぎて途中トイレに行きたくてしょうがなくなっが我慢して席を立たずに画面に食い入ったが、そこまでして観る価値のない期待はずれな一作になってしまった。

kojiroh