『不夜城』(1998年、日本)―65点.90年代後半、魅惑の歌舞伎町


『不夜城』(1998年、日本)―122min
監督:リー・チーガイ
脚本:リー・チーガイ、野沢尚
原作:馳星周
出演:金城武、山本未來、椎名桔平 etc

【点数】 ★★★★★★☆☆☆/ 6.5点

馳星周のデビュー作であり、ヒットを記録し映画化した作品。
金城武など、今で見ると豪華キャストが集結した一作を、筆者は最近登録してハマっている月額980円のHuluというサイトで鑑賞した。

原作のファンであっただけに、忠実に映画化していて感心した所感。
2013-03-01_112457
◎あらすじ
湾人と日本人のハーフである劉健一は歌舞伎町で故買屋をしている。ある日、かつての相棒、呉富春が歌舞伎町に舞い戻ってくる。上海マフィアの幹部を殺して逃亡していたのだ。噂を聞きつけた上海マフィアのボスは健一に富春を探し出すように命じる。そんな健一の前に“富春を売りたい”という謎の美女が現れる……。
<allcinema>

バンコク、マニラ、香港、そして歌舞伎町。アジア最大の歓楽街。
夜の街、眠らぬ街、やくざ、チンピラ、危機的状況下での男と女。
まるで香港映画を観ているかのような歌舞伎町と中国人、原作通りの再現。興味深い。
2013-03-01_111042
うーんしかし、前半のスピード感や雰囲気はいいけど、後半はわりとグダグダ。

特に原作を知っている筆者としてしては本作の再現はちょっと微妙、暗黒小説のダークさがちょいパワー不足。

やっぱ主演の山本未来は役不足かなと。
金城武の演技もちょい技巧不足、てか日本語に違和感あり。ま、かっこよくタバコを常にふかし続ける美男子の姿は絵になるし好きなんだが。

それよりも、助演、脇役がなかなか主演以上に輝いている。
椎名桔平の長髪の怪演はファンなら見逃せない。
2013-03-01_112613

エリック・ツオンも『インファナル~』のファンなら思わずクスり。
2013-03-01_112331
ユアンチェンクアイ。中国語のドスの効いた発音がとにかく面白い。

あと冒頭に原作者の馳星周がちょい役で出演しているとこなんかもニヤリ。
B’Zの主題かも、微妙に世界観違う気がするが、豪華だなと思った。

やはり90年代後半の歌舞伎町をフィルムに納めたことに、本作の大きな意義があると思う。飛び交う北京語、中国人、タイ人、様々な人種が犯罪組織を作り裏経済を作っている歌舞伎町の実態をハードボイルドかつスタイリッシュに描いていた。(特に前半)

完成度は低いけど、遊びがきいてたり、音楽も雰囲気がある。とにかくもう今ではフィルムに収めることができないであろう、昔のアングラな歌舞伎町の姿を描いた映画であることを評価したい一作である。

kojiroh

広告

『ファイナルデッドコースター Final distination3 』(2006年、アメリカ)―65点。そろそろネタ切れ、でも残酷で笑える


『ファイナルデッドコースター Final distination3 』(2006年、アメリカ)―93min
監督:ジェームズ・ウォン
脚本:ジェームズ・ウォン、グレン・モーガン
出演:メアリー・エリザベス・ウィンステッド、ライアン・メリマン、クリス・レムシュ etc

【点数】 ★★★★★★☆☆☆/ 6.5点

“死の運命”から逃れようとする若者たちを襲う恐怖を描く人気ホラーシリーズ『ファイナルディスティネーション』の第三作。今回の舞台はジェットコースター!監督はシリーズ第1弾「ファイナル・デスティネーション」のジェームズ・ウォン。

てわけで個人的にツボな人気シリーズなので、レンタルにて鑑賞した。
案の定、ベタベタな展開で死が迫り、痛いなと思いつつ爆笑しました。

2013-02-18_120757
◎あらすじ
ハイスクールの卒業イベントとしてやって来たアミューズメント・パーク。仲間たちと一緒にジェットコースターに乗り込んだウェンディは、その瞬間、壮絶な事故の予知夢を見てパニックに陥る。結局ウェンディと仲間たちは係員によって降ろされてしまうが、その直後、ジェットコースターは本当に事故を起こしてしまう。多くの犠牲者が出る中、九死に一生を得たウェンディたちだったが、免れたはずの“死の運命”は、形を変えて再び彼女たちを狙い始めるのだった…。<ALLCINEMA>

主演は前回と同様、可愛い女性。
『デスプルーフ』にもチアガールで出演していたメアリー・エリザベス・ウィンステッド。
2013-02-18_120635
この手の残酷ホラー映画は主演の可愛さとか「死んでほしくない」と思えば思うほど面白くなります。やっぱ「ファイナル~」シリーズの主役は女性の方がいいっすよね。

まあ前作と同様、楽しいはずのレジャーのような場面が一旦して絶望的になる落差は相変わらず面白い。ジェットコースター脱線シーンもよくできている。想像するとかなり怖いシチュエーション。

だがB級な死の宣告者であるトニードットが出演していないし、前作からの焼き直し感が強い。とくに新しい発展は感じられず、パワーアップを期待しているとやや裏切られる。

しかし日常の中にある、危険性を恐ろしくディティール細かく描いている部分は普遍でやはり面白い。
2013-02-18_120813
ジムであったり、雑貨品屋であったり。
もしかしたらここは危ないかもという、大きな物理的力が作用している現場で、これでもかというほどの悲惨な事故を残酷に描くパワーは相変わらず健在。

特に今回、最も残酷かつ面白くて笑えたので、日焼けサロンでのシーン。
2013-02-18_120900まさかあれがあんなことになって日サロ炎上するなんて・・・音楽聴きながらノリノリで美容に挑む彼女たちがあまりにも可哀想で不謹慎だが、とにかく滑稽で笑えてしまった。そして痛い。

そんなわけで、前作からのファンである筆者としてはそこそこ楽しめました。出演者も可愛いし、死に方も残酷で面白いし、一時間半でサクッとクソ映画を楽しむ意味では良作であります。

がしかし、結局はネタ切れ感がかなりありますね。
それでも新作が出たら観てしまうのが、このシリーズにツボる僕みたいなファンなのだろう。

kojiroh

『シャンハイ』(2010年、アメリカ=中国)―65点。40年代の上海とコン・リー、ときどきケンワタナベ


『シャンハイ』(2010年、アメリカ=中国)―105min
監督:ミカエル・ハフストローム
脚本:ホセイン・アミニ
出演:ジョン・キューザック、コン・リー、チョウ・ユンファ、菊地凛子、渡辺謙 etc

【点数】 ★★★★★★☆☆☆/ 6.5点

なんだか気軽に見れる新作に近いスペクタクル映画をGEOで探していて、目に止まった一作。『シャンハイ』。戦時中のシャンハイを舞台にし、ケンワタナベなど国際的スターが集結したこの一作は、以前劇場でトレーラーで見て面白そうだと思った。しかし評判は微妙で、日本でヒットした記憶もなければ、金かけたわりには赤字になったクソ映画な臭いもぷんぷんする。

まあでも寝る前の暇つぶしにクソ映画鑑賞もまた一興だと思っている筆者はレンタルを決意。

2013-02-16_120602
◎あらすじ
1941年、太平洋戦争開戦前夜の上海。そこは、列強各国が互いに睨み合う複雑な均衡の上に築かれた妖しくも危険な“魔都”。米国諜報員のポール・ソームズは、親友でもある同僚コナーの死に直面する。上官から彼が裏社会の大物、アンソニー・ランティンの動向を探っていたことを告げられ、新聞記者の身分を使ってコナーの死の謎を追うよう命じられる。さっそくランティンに近づくソームズ。やがて捜査線上には、ランティンの妻で謎めいた美女アンナ、日本軍情報部のトップを務める大佐タナカ、コナーの愛人で忽然と姿を消した女スミコら、事件のカギを握ると思われる男女が浮上してくる…。
<ALLCINEMAより>

なんというか、思ったよりは悪くなかった。そこそこ面白い。
出演陣も豪華で、日本語・中国語・英語、それぞれの言葉が楽しめる。
なんと言っても世界のケンワタナベが出ているのが嬉しい。がしかし、ほぼジョンキューザックとコンリーの映画。いや、しかしキューザックの演技は冴えないので、やっぱりコン・リーがほぼ主演。
2013-02-16_120724

菊地凛子なんて別にほとんどセリフもないし影の薄い役なので、キーマンではあるがなんだか扱いが可哀想。
2013-02-16_120045

戦争の波乱の中で、ロマンチストな恋に憧れる愚かな男を描いた映画ではあるが、なんともそのテーマ設定が中途半端だった。そのせいでヒット作にありそうなベタさやヒロイズムがなく、こりゃロングランする映画じゃないなという所感。

さらにかなり反日な映画で、日本軍をすごく残忍な悪人として描いている。別にそれは公平で中立な目線で描いているならいいが、中国的な反日エンターテイメントのような扱いの大スペクタクルになっているようで、個人的にはこの映画の視点や政治的立場にはあまり感心できない。

とは言っても完全な駄作かというとそうでもなく、ケンワタナベの存在感はやはりいい。『インセプション』ぐらい活躍してくれたらもっと面白かったが、軍人に扮した彼の英語が聞けただけでも満足。『硫黄島の手紙』を思い出した。
2013-02-16_120013

さらに40年代のシャンハイを舞台にしているのが興味深かった。完全に再現されたかつての上海の歴史を感じられる。異国の人々が集まり国際ハブになっていた中国主要都市、そこで生まれる愛憎劇、陰謀。

そんなわけで面白い部分もあるが、やっぱり不完全燃焼で中途半端であった。特に後半はわりとグダグダ。ラストシーンも手抜きというかわりとクソ映画。前半のカジノのシーンとかなかなか好きだったが、まあつまり40年代の上海と、コンリーの妖艶な美貌と、ケンワタナベの英会話を楽しむには十分な映画でした。

そこそこ金も掛かっているので、完成度は微妙だが僕としては十分に楽しめましたね。

kojiroh

『デッドエンド 暗戦』(1999年、香港)―6.0点。アンディラウのための軽快ノワール映画


『デッドエンド 暗戦』(1999年、香港)―90min
監督:ジョニー・トー
脚本:ヤウ・ナイホイ、ローレンス・クロチャード&ジュリアン・カーボン
出演:アンディ・ラウ、ラウ・チンワン、ヨーヨー・モン、レイ・チーホン、ホイ・シウホン

【点数】 ★★★★★★☆☆☆☆/ 6.0点

ツタヤの良品発掘コーナーにて取り上げられていた、ジョニートー監督による初期の一作。なかなかこの時代の作品はこうした特集で改めて発掘されないと見ることができないのでレンタルにて鑑賞。

ずばり、90%アンディラウの映画であった。

2012-12-27_125315
◎あらすじ
末期ガンで余命数週間と宣告されたチャン(アンディ・ラウ)は、ある目的のため完全犯罪を計画。彼はまず、大手金融コンサルタント会社に押し入り、人質をとってビルの屋上に立てこもる。人質解放の交渉人として重犯課のホー刑事を指名したチャンは、“これは、ゲームだ。72時間以内にオレを逮捕しろ”と宣言し、厳重に警備された現場から姿を消してしまう。ホーは独自に追跡を始め、チャンの目的が復讐だという事を知る。<Goo映画より>

香港ノワールとしては『インファナル』よりも前の初期の作品になるが、屋上での決死、寡黙に笑う謎めいたアンディ・ラウの姿がとにかくクール。

2012-12-27_125337

後に『MAD』で強烈な演技を見せるラウ・チンワンも主軸に固める。
2012-12-27_125541

時限爆弾、限られた時間内での頭脳戦と肉弾戦。
よくできてはいると思うが、ずばり一言、馬鹿馬鹿しい(笑
ノワール系にしては少しマイルドすぎて、いまいち緊張感もなく、若干のぐだぐだ観がある。

どんでん返しや色々な伏線があり、サスペンスとしてはアイディアも面白い部分があるが、香港映画らしい馬鹿っぽさがちょいと個人的には冷めてしまった。

だが「バスの中だけ恋人」の有名なシーンはインパクト大。
2012-12-30_124340
この映画のすべてはここにあると思える。むしろこのバスの中でのエピソードをもっと拡張して上映すべきだったのかもしれない。逃走中の犯人が検問を逃れるためにヘッドフォンを一緒に聞くことで急速に距離が縮まる。切ないが、このシーンがやはり最も独創的で輝いている場面だった。

あと脇役でのホイ・シウホンの相変わらずのぬひょんとしたカエルみたいな顔で間抜けな上司を演じる姿がジョニートーの映画らしくてなんだか微笑ましかった。

というわけであんまり書くことがないが、部分的には面白かったが全体的にはちょっと幼稚すぎたかな。でもアンディはカッコイイ。サングラスがよく似合うThe香港ガイ。

やはり筆者は、香港ノワールでハードボイルド色が強い作品の方が好みである。

kojiroh

『スカイライン-征服-』(2010年、アメリカ)―6.0点。宇宙人侵略クソ映画の最先端


『スカイライン-征服-』(2010年、アメリカ)―94min
監督:コリン・ストラウス 、グレッグ・ストラウス
脚本:ジョシュア・コーズ、リアム・オドネル
出演:エリック・バルフォー、スコッティー・トンプソン、ブリタニー・ダニエル etc

【点数】 ★★★★★★☆☆☆☆/ 6.0点

『世界侵略:LA決戦』と同時期に制作されて、内容的にも酷似しているとのことで訴訟問題にもなっている話題のクソ映画。

予算は『世界侵略~』の1/10にも関わらず、色んな過去のパニック侵略映画のパロディというかパクリの寄せ集めのような内容にクソ映画通な人は絶賛する映画を筆者もレンタルにて鑑賞。

ずばり、クソ過ぎて笑えるほどクソだった……。

◎あらすじ
ある日、ロサンジェルス上空にいくつもの巨大な飛行物体が飛来する。そこから発せられた青い光は人類を次々と吸い上げていった。さらに、巨大飛行物体から大量の巨大生物が放たれ、人々を次々と襲い始めた。為す術なく逃げまどう人類。やがて、ようやく軍隊が現われ、必死の抵抗を試みるが…。<ALLcinemaより引用>

ふーむ、ヴィジュアルイメージはカッコイイね。ハイセンスな青い光と字体。んで最後の音楽もクールだね。

この屋上からの青い閃光がとどろくシーンはわりと見もの。

まあしかし、ほんとにオリジナリティ0。あらゆるエイリアン、侵略系の映画のパクリと言うかもはやパロディ。

誕生日パーティーの盛り上がりから急展開でパニックに陥るところなんかは『黒バーフィールド』のオマージュだし、エイリアンの造詣なんかも、飛行機が突っ込んで爆破するとこなんかも、もろ『インディペンデンス・デイ』。宇宙人ミュータントが部屋の中を探るシーンなんかはもろ『宇宙戦争』。

ヘリの墜落シーンはなんだろうね、「ブラックホーク~』なのか、『クローバーフィールド』のラストだろうか、とにかく既視感あるシーンが多くて笑えた。

しかし驚くべきは、この主人公たちは脱出しようとするが、結局のところビルからほぼ一歩も別の場所に移動してねえ! 部屋と屋上と駐車場と、ちょっと屋外、あとはThe end的な、全然動いてないな。この手の侵略映画にしては引きこもり過ぎである。

軍人が主役だった『LA決戦』とはまったく別で、ごく普通の少しリッチな庶民の視点で侵略パニックが動く。まあこの視点の置き方が独自性あるかもしれないが、『クローバーフィールド』的でもあるし、ぶっちゃけ庶民が視点なので、そんなに目新しく面白い状況に追い込まれるわけないのでストーリーとして面白みはあんまりないが、ある種の現実感はあるかもしれない。


だが結局、青い光で惹かれるあのバーサーカー状態はなんだったのだろうか?感染?洗脳?結局、何も分からず、何も解決せず、ただ征服されましたというマジで身も蓋もないお話。(ネタバレ?w)

しかし鑑賞後に突込みを乱打できる映画こそ、クソ映画の殿堂なのかもしれない。つーかボス気取りだったテリーが死ぬのあっけなすぎ。んでその後出てくるボス気取りのおっさんって誰?w あと最後の最後に今更目覚めてどうすんだよ?笑 とにかく笑った。

ぶっちゃけそこまでよくできているわけでもないし、退屈でもあり、すっごい子供騙しです。過去の名作のパロディとしか思えないが、でもマジでやろうとしている心構えには笑えます。なぜか愛せるクソ映画でした。

あと9億円足らずでこんな大スペクタクルっぽい映画を作れた点を評価したいと思います。+0.5点。てことで。

kojiroh

『ファイナル・デッドサーキット』(2009年、アメリカ)―6.5点。ベタベタに死が迫るホラーコメディ


『ファイナル・デッドサーキット』(2009年、アメリカ)―84min
監督:デヴィッド・R・エリス
脚本:エリック・ブレス
出演:ボビー・カンポ, シャンテル・ヴァンサンテン, アンドリュー・フィセラ, クリスタ・アレン, ヘイリー・ウェブ etc

【点数】 ★★★★★★☆☆☆/ 6.5点

『ファイナルデスティネーション』シリーズの初3D作品にして最大のヒット作になった一作。3Dにて、死が迫ってくる、人気サスペンスホラー映画。だが個人的にはコメディな映画で、人の死にっぷりに不謹慎ながらも盛大に笑うことができる稀なシリーズであり、全部シリーズ鑑破しようと思い、まず手にしたのが第四作。

サーキット会場で壮大なクラッシュを冒頭からフルテンションで見せてくれる。

◎あらすじ
大学生のニックは、恋人ローリたちとサーキット場を訪れ、白熱するカーレースを楽しんでいた。だがそのさなか、突然恐ろしい予知夢を見てしまう。それは、1台のレースカーによるクラッシュをきっかけに後続車が次々と巻き込まれ、コース上は火の海となり、さらに車体の残骸やタイヤが突っ込んだスタンド席も惨劇の舞台と化す、というまさに地獄絵図だった。そして、予知夢から覚めたニックはすぐさまローリたちを強引に会場の外へ連れ出すと、はたして予知夢通りの大惨事が発生する。何とか危機を脱したニックら9人の生存者たち。しかしその後、彼らは次々と怪死を遂げていく…。<All cinema引用>

とりあえずベタベタな展開。
何回かシリーズ観ている人にとってはもう鉄板の流れ。予知夢を見て、事故から逃れる。残酷な死に方から逃げられたと思いきや、次々と異変が起きる。そして死が迫ってくることに気付き、なんとか逃れようとする…。

とにかく美容室から洗車、プールの配水管まで、多彩な死のアイディアは残酷なようで斬新で笑えるほど。金がかかっているだけであり、冒頭のサーキットが爆発するところも非常に迫力がある。

ふっとんだタイヤで首チョンパな惨殺。エグイがアメリカンジョークのような。
エスカレーターにての巻き込まれ惨殺はひどく痛い。

グロくてスプラッターなんだが、それでも全体的に笑える。
特にトラックの運転手が、自らのトラックに体を引っ張られて炎上するシーンには思わず爆笑してしまった。モノが勝手に落ちたり、椅子が壊れかけていたり、ファンが落ちそうになってたり、「ありえねえだろ!?www」と毎度のごとく突っ込みたくなる。

死に方自体は今まで以上に大げさで、かつ爆笑してしまうネタが多く、エンタメ寄りになっていると思った。全体的には短くすっきり収まっているのでサクッと観れる。全然深くて重い映画でもないので、アメリカンな馬鹿な死に方を笑って見るにはいいシリーズ映画である。

だが、個人的にはイマイチ盛り上がりに欠けるところがある。
なにより死の宣告者・トニードットが出演してないのも残念。B級映画に欠かせないベタなフラグがイマイチである。死の宣告があいまいで、Googleで死の連鎖を調べただけで終わらせては、なーんかねえ。

やっぱり3Dなので映画館で観るべき映画なのかもしれない。ショッキングな惨殺死体が飛び散るようなシーンや爆発の迫力などは、やはりビデオでは体感できないのかも。その意味で、一つアトラクション的なホラー映画の一つの境地なのかもしれない。

まあ、回数を重ねるごとに、こうしたお決まりの物語シリーズは色褪せて感じるものだよねえ……。まあクソ映画なんだが、ベタさとグロさに笑えたからよしとしよう。

kojiroh

『インシディアス』(2011年、アメリカ)―6.5点、10年代のエクソシスト


『インシディアス』(2011年、アメリカ)―103min
監督:ジェームズ・ワン
製作:ジェイソン・ブラム 、スティーヴン・シュナイダー 、オーレン・ペリ
脚本:リー・ワネル
出演:パトリック・ウィルソン、ローズ・バーン、タイ・シンプキンス、リン・シェイ etc

【点数】 ★★★★★★☆☆☆/ 6.5点

『パラノーマル・アクティビティ』と『ソウ』というゼロ年代を代表するホラー映画の生みの親の製作者2人がタッグを組み、ヒットを記録した話題の映画『インシディアス』。

ぶっちゃけ「パラノーマル~」とかあんまり趣味でもないのでそんなに期待はしてなかったが、映画ブロガーなどの評価も高いので一度見てみたいと思い、レンタルにて鑑賞。

所感、陳腐かつ効果的な音響、タイトルの出し方などが、かつてのB級ホラーの名作を思い出させる、まあまあよくできた作品だった。

◎あらすじ
3人の子どもを持つ若い夫婦ジョシュとルネ。新居に引っ越して早々、様々な不気味な現象に悩まされる。そしてある日、小学生の長男ダルトンが梯子から落ちて昏睡状態に陥ってしまう。しかし、身体のどこにも異常はなく、原因は不明のまま。屋敷自体が呪われていると考えた夫婦は、すぐに再度の引っ越しをするが、そこでも同じように怪現象は続く。もはや医者もさじを投げたダルトンを救うため、霊媒師や牧師にも助けを求めるジョシュとルネであったが…。<All cinemaより引用>

前置きが少し長いが、いつなにが起きるか分からない不気味な雰囲気はやはりさすが。ホラー映画としてのツボを押さえた、現代版エクソシストであるといえる。小道具も面白く、メトロノーム、カメラ、とにかくオカルト映画の雰囲気を盛り上げる設定が満載で、マニアにはたまらないのではないか。

そして「ソウ」のジェームス・ワンが監督だけあって、過去の秘められた謎など、トリッキーな物語構成には驚かされた。


何といっても、リン・シェイが出てきてから面白くなった。彼女のキャラの立ち方が抜群で、文句なしに彼女の演技がMVPだと思うほどはまり役。このお祓いのプロが自宅へやって来て奮闘する展開は、まさに中途半端に神父が来ては逃げて行った『パラノーマル~』の続編というか発展系のようにも思える。

こうして振り返ると、確かにキャッチコピーのうたい文句どおり、パラノーマルの自宅撮りのオカルト性と、ソウのサスペンス性が上手く融合して生まれた秀作であるように思える。ラストシーンのどんでん返し感なんかもまさに『ソウ』。ジェームス・ワンらしい映画で、安易なハッピーエンドに導かないハリウッドっぽくない所がいい。

とは言っても筆者はやはりおカルト系の映画はあまり趣味ではなかったです。まあ一見の価値ぐらいはある、好きな人はツボる映画なんじゃないか。

kojiroh